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邪馬台国は見つかっていた【9】倭人伝の「秘密の距離」

おじ:
倭人伝の信頼性が回復してきたところで、もう1つ取り組みたい課題があるんだ。邪馬台国問題の中で必ず登場する「萬二千餘里の謎」だよ。

ゆい:
それはどんな謎なの?

おじ:
倭人伝にはこのように書かれている。
 
 自郡至女王國 萬二千餘里
(帯方郡より女王国まで一万二千里以上の距離がある)
 
おじ:
帯方郡から邪馬台国までの距離が具体的な数値で示されていて、本来ならば邪馬台国を探す重要なヒントになるはずなんだ。でもこの説明がとても難しくて、いまだに解明されていないんだよ。

ゆい:
どうして難しいの?帯方郡から12000里の場所が邪馬台国っていうことでしょ?

おじ:
この図を見てごらん。倭人伝に書かれた帯方郡から邪馬台国までの距離だよ。
 

図表6 帯方郡から邪馬台国までの距離


図表7 距離の累計

レン:
帯方郡からの距離を順番に足していけばいいんですね。狗邪韓国までが7000里、対馬国までの1000里を足して8000里・・・・・・、ん?不弥国までで、もう10700里になっちゃいました。

ゆい:
12000里には微妙に足りないね。それなら不足分の1300里が不弥国から邪馬台国間の距離なんじゃない?

レン:
いやいや。狗邪韓国から対馬国までが1000余里なのに、船で30日かかる不弥国から邪馬台国間が同等の1300里というのはあり得ないよ。

おじ:
対馬から壱岐までの距離は短い部分で約50km。当時は1~2日で2島間を渡り切ったと考えられる。一方、不弥国から邪馬台国は船で30日。同じような距離になるというのは説明がつかないんだよ。

図表8 距離の対比

疑問1 
倭人伝に書かれた距離を合わせても、萬二千餘里には1300里不足する

疑問2
対馬~壱岐間と不弥国~邪馬台国が同等の距離では矛盾が生じる

ゆい:
うーん。わけがわからないね。

おじ:
でも疑問1の里数不足を解決する魔法のような方法があるんだ。

ゆい:
何それ?

おじ:
倭人伝の中には、隠された「秘密の距離」があるんだよ。

2人:
秘密の距離?

【10】につづく

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