共に歩きたいキミへ
数日、ひどい疲労に苦しめられたが、
通院後、トドメをくらった感じだ。
頭痛、全身痛、めまい、動悸。
人は心に強いショックを受けると
ここまで身体に影響がでるのか…。
うちのコ(愛犬)は長く通院、お薬が欠かせない生活を続けてきた。
最近は2週間に1回の通院で落ち着いて
いたのだが。
今年の2月頃だったと思う。
身体のあちこちにある、
老人性のイボのひとつが
普段より大きめに潰れた。
それは右後ろ脚の関節辺りにある。
よくあることだとは思っていたが、
念の為に診てもらうと
『自壊』になっているといわれ、
それに対しての治療が続いた。
消毒と塗布するお薬、
ガーゼをあてて処置を1日2回。
しかし
「『自壊』は治らない。」と
言われた通り、キズは塞がる様子を見せず、
それどころか細胞を増加させ、
ボコボコと大きくなってきたのだ。
表面が割れ、血が滲むことも度々。
うちのコは慢性膵炎も患っているので、
麻酔が身体に負担をかけるからと、
手術は最終手段として様子を見続けた。
6月の終わり、
『自壊』はダラダラと出血を起こすことが増え、異臭もひどくなった。
それはくさったような臭いがする。
5月頃までは脚をぴょこぴょこと庇いながらも
楽しそうに歩いていたうちのコは、
歩くのを嫌がり始めた。
痛みがひどく出始めたのだろう。
素人の消毒の処置では限界がきていた。
『病理検査』をお願いした。
もう何年か前に同じ場所を
『病理検査』してもらい良性だったのが
再び同じ場所を検査することを
遅らせてしまったかもしれない。
結果は『扁平上皮癌』。
担当してくださる先生からは
手術のリスクと共に、
もしも悪性でなかったとしても、
ここまで大きくなり、痛みを伴っているのは、
身体に悪さをしているということだ。と、
話はいただいていた。
そして場所の関係もあるので、
できたモノだけを取り去るのは難しいと
いう話も。
だから、幸いにして転移が見られなかった今、
家族は手術という決断を迫られた。
それは『断脚』を意味していた。
うちのコは11歳。
もうシニアの仲間だ。
身体の1部を取り去るリスク、
麻酔で膵臓への負担がかかるリスク、
断脚後の感染症のリスク、
苦難の道になるだろう。
それでも、最善を尽くしてあげたい。
人のエゴかもしれない。
こんなに小さな身体で
また手術をうけるのかと思うと、
胸が痛む。
申し訳なく思う。
ふと、このコが小さかった頃を思い出した。
わずかな段に飛び乗れず、
可愛かったこと。
その段を簡単に飛び越すようになり、
ダイニングのチェアにまで飛び乗って
テーブルの上にまで
大ジャンプするようになって、
怒ったり、笑ったり、
キミの成長を見てきた。
犬の命は人間の約6倍のスピードだそうだ。
キミは気づけばわたしよりも
年上になっていたんだね。
できない事も増えたし、
お口の周りも白くなったね。
でも、ひとつだけ、
なーんにも変わってないんよ。
ただ愛しい。
わたしの可愛いムスコ。
本当は一生でもいい、一緒に居たい。
それがきっと叶わないのは
仕方のないことだとわかっているから、
一緒の時間を大切にしよう。
これまでも濃かったけど、
もっと濃く一緒にいよう。
脚が3本になっても一緒に歩こう。
支えるから大丈夫だよ。
だから
どうか、どうか。
手術が成功しますように。
最後まで読んでくださって
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