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買うつもりはなかったのだけれど(3)

こんな感じで何軒か見たが、まあ問題のあるものばかり。
南向きのひな壇なのに陰気で、一刻も早く外に出たいと感じる家、家のカタチはしているけど実は白蟻にやられてグズグズになっている家、縁側のすぐ前が道路でいつもクルマが走り落ち付かない家など、写真ではなんとかいけそうかなと思っても現地に行くとガッカリするものばかりだ。安物買いしようというのはやはり無理だったか…。
そのなかで一軒、これなら悪くないかなというのがあった。いわゆる古民家だが素朴なもので見る人を威圧するような感じではない。立派な門構えや塀なんかももちろんない。広い庭もなく車の入らない狭い道に直に面していて、こじんまりしてなんかあってもまあ手に負えないということはなさそう。交通も便利ではないがギリギリ通勤圏と言えなくもないので、行き来が億劫になることもないだろう。なによりも今までの物件のような決定的な欠点が見当たらない。
もっとも、いろんな条件が「NGではない」というだけのことで、ぜひ欲しいと思う理由はなかった。しかしそもそもの動機が無駄な買い物をしたいということであり、タダ同然の思い切った値引きを要求してみて、それが受け入れられたら買ってもいいかなと考え始めた。

見るだけだったはずなのに、いつの間にか買う話になってきている…。

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