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買うつもりはなかったのだけれど (8)

田舎の家を買うとなると田舎の閉鎖社会に対する警戒は欠かせない。この家の場合はセカンドハウスなのでここにずっと住むわけではないが、もし面白くない目にあった場合のことは考えておかねばなるまい。

まず一番大事なのは資本を持ち込まないことだと考えた。あまりお金をかけてしまうといざというとき撤退しづらくなる。また他者の眼からもお金をかけているのは一目瞭然だろう。安く買い、DIYを駆使して…というほどの技術はないが、自分で直していくこと自体を目的とすれば、かかるお金は抑えることができる。
こうしておけば、もしなにか近隣関係で面白からぬ出来事があった場合にも、単に行かなければいいだけのこと。家は荒れるだろうが、荒れて不愉快な思いをするのは近隣の者である。
また、手放したくなった時も安く売ることが可能である。多少の損を吞むことにすればいわゆる無料物件にもできるだろう。

敷地までの通路が確保されているかどうかも大事だ。見た目は道でも私有地のことも多いので、通行の権利の有無は公の機関に確かめておく必要がある。この家では幹線道路まで公道でつながっていることを確認できた。田舎によくあるケースで、他人の土地だけれども長年の慣習で通っているから大丈夫、なんていうのがあるがこれはあぶない。よそ者に長年の慣習が適用されるとは限らない。

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