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買うつもりはなかったのだけれど (10)

この物件の電気周りはかなりすごい。いい意味ではなく悪い意味で…。
昭和初期に建てられたと聞いているけど、どうも電気配線も基本的にはそのころのままのようである。屋根裏配線なのだが、台所に天井の張っていないところがあって、そこでは配線が見えている。

天井がない。見えてるのは野地板

布巻きコードが碍子に固定されている。

配電盤などない。

昭和初期であればヒューズが使われていたはずだが、ここはブレーカーに取り換えられている。ブレーカーは一個だけ。回路別にはなっていないし、漏電ブレーカーもない。

さすがにここは布巻き線ではない。

電柱からの引き込みも碍子配線である。2線である。

鴨居につけられた碍子製のコンセント

そして家じゅうでコンセントというものはたった二つだけ。そのうち一個は碍子製のコンセントなのだ。電極のバネが弱っているのか、プラグを差し込んでもすぐ緩んで抜けてしまう。10年前くらいまでは住んでいたという話なのだが、いくら高齢世帯でもコンセント二個では足らなかっただろう。電灯用のソケットから分岐してたこ足配線をしていたらしく、分岐用のパーツがいくつも残されていた。

電灯ソケットも年代物

こういう配線で何が困るかというと、まずは容量が小さいこと。この家では15Aしかない。ドライヤーと電子レンジくらいでブレーカーが上がってしまう。しかしこれは不便なだけで危険はない。もっと困るのは配線そのものの劣化である。電灯用のソケットをちょっとねじって配線の末端を見たことがあるがかなりの変色で、それも芯まで変色しているようだった。こういう線に大電流を流して発熱し発火、というのが一番怖い。なので大電流が流れるような機器は持ち込んでいない。エアコンも電子レンジもない。帰るときは必ずブレーカーを切る。留守中に雨漏りでもして、それが屋根裏の配線に浸みて…なんてのはとても困るからだ。


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