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遺言で指定された人が先に死亡したら?

遺言のお話は以前にしました。

たくさん記事を書いています!読んでみてください☆

さて、遺言を残すことで、法的に無効な原因がなければ、原則として遺言者の死亡とともに遺言の中で指定された人(受遺者)が財産を取得します。

ところが、遺言の方式が正しく、遺言者の遺言作成時の意思能力に争いがなくても遺言が無効になってしまうことがあります。

それは、「受遺者が遺言者と同時または遺言者よりも前に死亡した場合」です。
この場合には、受遺者の相続人に財産が行くことはなく、その遺言はなかったことになります。
先に亡くなった場合だけでなく、同時に死亡した場合にも財産を承継する余地はありません。たとえば、同じ自動車に乗っていて事故で同時に即死してその死亡の前後が明らかでないような場合には、互いに相続人にはならないことになっています。

では、このようなケースを想定してその対策を講じた遺言は作れないものでしょうか?
結論として、できます

              ◆◆◆◆

たとえば、遺言者Aが奥さんBに遺言で財産を相続させようとします。この場合に、Aさんより先にBさんが亡くなった場合には、子供のCに遺言を残したことにするのです。これを「予備的遺言」と言います。具体的には、以下のように記載する場合が多いです。

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遺言者は、遺言者より先に又は遺言者と同時にBが死亡した場合には、第1条記載の財産を遺言者の子 Cに相続させる。
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このように記載することで、仮にBさんが先にまたは同時に死亡しても、この遺言書は無効にはならず、Cさんが無事承継することになります。
ただし、BさんがAさんよりも長生きしている場合には、この遺言でCさんの出番はありません。つまり、Aさんの財産を承継したBさんが、次に自分が死亡した場合にはCさんに受け取った財産を承継させなければならいないということではありません。

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