朝井リョウさんの「どうしても生きてる」を読みました。

ネタばれがあります。
ご容赦願います。m(__)m

図書館で本を選んでいるときに何と言っても気になったのがこのタイトル「どうしても生きてる」でした。いくつか意味は思い浮かぶものの、例えば「どうして生きてる?」とか「どうしても生かされている」とかではなく「どうしても生きてる」???・・・。底流する想いがどんなものか?理解できると良いなぁと思いながら、借りてきました。
結局、ぼんやりと推測できただけで読了してしまいました・・・(^-^;

最後の短編の中にこんなことが書いてありました。
「性別・容姿・家族・環境。生まれたときに引かされる籤(くじ)は、どんな枝にも結べない。」
おみくじを神社の枝に結んで厄を避けることがベースにあって、結べないくじについて言ってるのだと思うんですが・・・・。

また、こんなことも書かれてました。
「この世界で、ハズレくじを引かされたことがない人たち。
自分とは関係ないところで生まれた暗闇に、放たれたことがない人たち。」
「引き当てたくじがどんなものでも、人生を変えてでも、それでもやるしかない状態に落ちいったことがない人たち。」
その人たちは、必要な我慢ややりくりや物事への対処をする機会がなくて、その部分が欠落している・・・みたいな・・・。

主人公がひかされたハズレくじに関しては、見方を替えれば結果も違います。人生は、多くの方にとって、苦しいことが多いですが、たとえハズレくじを引いたと思っても、自分が生きていくために必要なことを身につけられた側面も案外多いという現実を自分の中に取り込めればいいですね。それがわずかな救いになると、僕も思います。
そしてハズレくじが結んでくれたご縁のうちいくつかは、きっとむしろ「当たりくじ」的な結果をもたらす・・・。

それって、必然的な結果だと思います。
共通の苦しみ、共通の生きずらさ、共通の喜び、共通の立場、寄り添ったり共感したりできる部分をお互いもってる可能性が高いのですから。

僕は普段精神的にはかなりの低空飛行が続きます。
高揚感のあとにのこるむなしさを感じないように。。。
はしゃぎすぎて寂しさが増さないように・・・。

そんな、個々人の持つ闇や苦しみや生きずらさに、淡々とスポットをあて、あっけらかんと当たりくじに転嫁されるロジックを表現できる類まれな作家さんだなぁと感心するばかりでした。(^^♪

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