#2『Fight Club』

2023.8.17
休日だけど特に予定もなかったので、映画鑑賞日にしようと思って続けて2作目。

『Fight Club』(1999)

 言わずと知れた名作。『Seven』や『ドラゴンタトゥーの女』など数々の有名作品を世に送り出しているデヴィッド・フィンチャー監督の4作目(?)の長編作品。
 『Seven』でタッグを組んだブラッド・ピットとデヴィッド・フィンチャー監督にエドワード・ノートンが加わったんですからそれはもう最強です。
 エドワード・ノートンは彼のデビュー作だった『真実の行方』を見て、その演技力に驚かされていたので今作もかなり期待しながら観ました。

 大手自動車会社のリコールや保険に関する部門で働き、自宅の家具や身につける物は高級品で固めるといったような、所謂勝ち組の生活をしながらも、どこか満たされず不眠症に悩まされる主人公の「僕」。
 ある日、仕事で乗った飛行機で乗り合わせたタイラーと出会い、物語は展開していく。

 個人的にどんでん返し系の映画が好きなので、気になっていたのをやっと見れたって感じです。
 前情報なしの題名だけからの印象では地下格闘技場みたいなのが存在していて、そこで繰り広げられる男たちの熱い戦いと生き様を描く…みたいなイメージだったので、そこにどのようにどんでん返し要素を加えていくのかなと思っていました。

 いざ観終わってみたら全然違いましたね。男たちの熱い戦いってのはもう直接的にバチバチに描かれているんですけど、そこが主題ではない気がします。社会生活の中でどこか感じている物足りなさ、鬱屈とした感情をファイトクラブを通して満たしていき、生きている実感を取り戻していく。
 その充足感が自信につながり、その自信は次第に暴走し、世の中のあり方や価値観をぶっ壊していくところまで行っちゃうって感じの映画。

 今作は公開当時はその内容の暴力的イメージからヒット作とは言えない興行だったらしいんですけど、のちに21世紀に突入してからカルト的な人気を爆発させたそうです。ぼんやりと存在していた問題が2000年代に入って時間と共に顕在化してきたという感じでしょうか。
 映画というカルチャーを通すと、生活の中では持ち得なかった主体的な気付きの機会を得ることができるので大事にしていきたいと改めて感じます。

 社会問題をテーマとした映画といえば、近年だとジョーダン・ピール監督の作品などが話題となっている。『Get Out』では世界で長く続く人種差別問題を、最新作の『NOPE』では見世物興行とそれを見る側、見せる側のあり方をそれぞれの主題として映像化している。
 彼の作品のテーマは比較的分かりやすく、誰もが存在は認識しているが、日々の生活の中では特に意識することのない社会問題を改めて再認識させるというところを一つの目的としていると感じます。
 彼の作品についての詳しいところはまた別の投稿で。

 改めて今作の感想に戻るけれど、具体的な内容に関することに触れてしまうと楽しみがなくなってしまうタイプの映画なので、映画の根幹にまでは行き切らないくらいの所までで印象的だった部分を幾つか。

『エドワード・ノートンの演技のうまさ』
これに関しては冒頭で触れた通り、期待を大にして入ったのでそのまんま大満足の結果でした。
『真実の行方』では、人間の二面性を表情の作り方ひとつでここまで分かりやすくすることができるのかという面からの表現力に圧倒された一方で、今作での表現力は体の動かし方や1人で映されている時の演技の面から驚かされました。

演技のうまさというのはこういうことを言うんだなぁと改めて感動させられました。エドワード・ノートン凄い!


『ブラッド・ピットのかっこよさ』
もう言わずもがな。若き日のブラッド・ピット先輩。
作中でも見た目良し、頭脳良し、セックス良しといったように憧れの男性像として登場している。途中から坊主になるんですけど、坊主も似合う人が結局最強なんだなと再認識しました。デニム履いて、Tシャツ着て、タバコ吸って、ただ立ってるだけでかっこいい。反則でした。

 以上、印象的なところでした。

 今作を観ている途中で気になったシーンが何回かあって、止めて観返したりを繰り返したんですけど、まだまだ気付けていない表現とかがありそう。
何回見直してもそのたびに気付きがありそうで、何回でも楽しめる作品だと思う。

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