#1『MICROCOSMOS』

2023.8.17
今日は休日。午前中から映画の鑑賞を開始。
ふと思い立って唐突に記録を開始したので、1作品目の備忘録。

『MICROCOSMOS』(1997)

 虫の世界を美麗な映像と荘厳な音楽で描いたドキュメンタリー作品。

 作中に台詞はほとんどなく、前半に多少のナレーションが入るのみ。登場する虫たちに細かい説明などは全く為されず、彼らの行動をひたすらに捉え続けた作品となっている。

 まず驚かされたのは1996年に製作されたとは思えないほどの映像の美しさと鮮明さでした。色鮮やかな虫たちの美しさはもちろん、後半の雨の映像などのきめ細やかな映し方は素晴らかった。

 ここからは個人的に特に印象に残ったシーンを幾つか。

『毛虫の行進のシーン』
こちらは読んで字の如く、名前も種類も分からない毛虫が一列になってひたすら行進をしていくシーン。
青みがかった体色の毛虫が何匹も連なって歩みを進め、その行進はやがて円を描いていき、最終的に山積みに重なり合っていくという内容。意味不明である。その行動の意味合いや最終的な結果などは特に描写されず、重なり合った毛虫が映されたのちに場面転換される。
映像としての気持ちの悪さは当然のことながら、その理解できない行動も印象に残る要因となった。

『カタツムリの交尾』
もうそのまんま。カタツムリの交尾を壮大なクラシックと共に描写してる。
カタツムリの艶感といやらしいとしか言えない絡み方、全てがエロス。

『“ある虫”の誕生』
誰もが知ってるあの虫の誕生の瞬間を一部始終捉えたシーン。なんとなくここではなんの虫かは伏せときます。
始めは「この虫ってあの虫だよな?」と思いつつ見ていたのだけれど、あまりに美しく、神々しさを感じるシーンだったので「あれ?もしかしてこれ全然知らない違う虫か?」とまで思わされた。まるで一種の神の誕生をみているようで、もののけ姫のデイダラボッチを彷彿とさせられました。でも最後の最後にある音が入ることで、自分の思っていた通りの虫だったのねと再確認できる。
そして普段の生活の中では特にかっこよさも美しさも感じない、敬遠しがちな“ある虫”を最後に持ってきた点にやられました。

 以上、特に印象的だったシーンでした。

ここまで純粋に生き物の世界だけを捉えた作品を見たのは初めてだったので新鮮な作品でした。

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