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鴻上尚史のオープンワークショップに参加してみた話

20代後半サラリーマン(学生時代に演劇を少しかじっていた男)が、演劇界のトップランナー“鴻上さん”のワークショップ(3日間)に参加してきました。とっても良い内容だったので、迷われている方は参加することをオススメします!ネットに口コミや情報があまりなく、“どんな内容なのか気になるよ〜”って方もいらっしゃると思いますので、私が覚えている範囲で紹介したい、と思います!


あの“鴻上尚史”さんがワークショップをやっている!?

鴻上さんのことを知らない方もいるので紹介すると、演劇界では大変有名な方でして、岸田國士戯曲賞受賞を受賞したこともある日本を代表する演出家の一人です。その人気ぶりは、ファンが彼の芝居のチケットを購入するために、夜から並んで行列ができていた時代があったほどです。

僕は学生のときに演劇をかじっていたので名前は知っていましたが、ちゃん彼のことを知ったのはNHKの番組「SWITCH」でした。この番組が面白かったので、気になって鴻上さんのことを調べてみると、本をたくさん出されていて、口コミでとても人気であることがわかったので、いくつか読んでみました。

本屋さんで演劇コーナーには、彼の本がよく並んでいます。

読者からのお悩み相談に真摯に優しく、お答えされているもの。唸るようにおもしろいです。

NHKの番組中に、「定期的に一般の方に対してオープンワークショップをやっている」と仰っていたので、思い出したように調べてみると、本当に年に数回、実施していることがわかりました!!✨

「25,000円 (税込。2日間通し)」と、少し高い料金ですが、決して支払うことができなくもない値段。。少し迷いましたが、せっかくならと思い、申し込みました。(参加した理由は、また別の記事で紹介させてください!)

私が参加したワークショップは3日間のものでした。(基本的には2日だそうです)凝縮した内容をギュッと学ぶような時間的にはタイトで密なプログラムだったので、個人的には3日間の方をを選らんでいてよかったなと思います。

ワークショップの雰囲気

会場・ワークショップの雰囲気

新宿から徒歩10分ほどの場所

新宿駅から徒歩10分ほどの場所にある、元々学校だったような建物(創作活動の練習スペースとかで使われている)で、開催されました。

ワークショップの会場の中(新宿)

雰囲気はわきあいあいって感じで、変な緊張感もなく、笑いつつ、みんなで演技を学ぶというようなところでした。

参加者(演劇経験の経験年数)

文字通り、初心者歓迎の開かれた場所なので、未経験だけれども気になる方は全くに気にしなくても大丈夫かと思います。上級の方にとっても価値のある内容かと思います。というのも、実際劇団を持っている方にお伺いしたところ、「確かに知っている内容もあったけれども、学びにはなることはたくさんあった」と仰っていましたので!

〈参加者の特徴〉
演劇経験でみると、全くの未経験の方が3,4名、少し経験がある方が30%、中級者が40%、仕事で取り組まれている方が2,3名とかでした。

年齢でみると、19歳の子から大学生、サラリーマン、5,60代の男性・女性とまさに老若男女で合計25名ほどした。平均年齢は40歳前後かと思います。

グループワークは経験にかからず、ランダムでグループになります。最後の芝居作りは経験が近い人同士でやりましたね!

質問を常にすることができますし、「やりたい人〜?」って鴻上さんが仰ったときに挙手をすれば、その場でチャンスをもらえるようなイメージです。積極的な方が多いので、誰か一人は手をあげてました。まだ当たっていない人がいると、その方に鴻上さんが振っていたするほど、全体を見ながら進行されていました。

ワークショップの内容

エクササイズ編

毎回、最初の1時間はエクササイズをします。音楽をかけて踊ったり、全体でゲームをしたりする楽しい内容です。身体を温めつつ、他の人との関係を築きやすくなるようなものになっているので、身を任せて楽しんだもの勝ちです。
演劇経験者なら、稽古で経験したことがあるようなものもあったりします。
演出目線だと、こういうエクササイズの引き出しをたくさん持っていることも大切だと追うので、参考になると思います。

座学編

講義で使うホワイトボード

配られた資料と鴻上さんのホワイトボードでの講義を聴きながら、学んでいきます。内容のレベルを調整するために、事前に「特に知りたいことはありますか?」など、こちらの聞きたいことを踏まえながら、説明してくれます。演技論のところでは、内容は決して難しいものではありません。

初日は基礎である発声方法について学びました。一通りお話を聞いた後は、ペアで実際にやってみる、というような進め方です。


配られるテキスト

2日目からはスタニラフスキー・システムについて学びます。演劇の本を読んでいると、よく出てくるロシア人の名前たち。そんな一人で読んでいてもさっぱりとよくわからなかった演技論について、噛み砕れた本質について学んでいきます。

〈学んだこと〉
「与えらた状況を考えよう」、「サブテキストを考えよう」、「自意識をなくすためにはどうすればいいのか」、「いい演技とは」、「演技に必要な準備は何か」など

実践編

「長めのセリフを読んでみよう」、とか、「3人1グループで7つのセリフのシーンをやってみよう」などの実践をしました。みんなの前で芝居をして、その場で鴻上さんから直々にフィードバックをもらいます。

「もっとどうすれば面白くなるのか」、「この解釈の方がよりリアルなのではないか」、リアルに差し迫るために鋭い質問を投げかけます。「ここまで考えるのか、深ぼるのか、、、!」と個人的にはものすごくいい経験でした。いい芝居を作る演出家の術を目の当たりにし、自分の演技を考える上での観点、演出をつける上での観点の両方が大幅にアップデートされました。

あと自分のフィードバックだけでなく、他のグループあわせて6グループの内容も観れるのでとにかく勉強になります。未経験のグループがすごくおもしろい芝居をしたり、経験者のテクニカルな芝居を見れたりします!

参加を悩まれている方へ

「悩んでいるなら、絶対に行った方がいいと思います!」

日本を代表する演出の演技指導を受けられるなんて、滅多とない機会です。

言葉を使わないで表現するというワークを通じてコミュニケーションの可能性について体感させてもらえたり、これまでモヤモヤしていた上手な人と自分の差の埋め方がわかったり、今後自分がものを作っていく上での財産になりました。

なので、演劇を経験したことがない方も、ある方も、演劇には興味ないけれど、なんとなく気になる方も思い切って、参加してみることをオススメします。

「学んだことを現場で活用してみたら・・・」

ちなみ、僕は実際に学んだことを自主制作映画の撮影現場で演出をつける機会がって、そのとき試してみました。現場で役者さんに指導すると、

・「めちゃくちゃ、わかりやすいです。演技指導が凄いですね。」(役者さん)
・「もしよかったら、他の現場にも呼んでもいいですか」(助監督)

って言ってもらえたんです…!

どういうことをしたかって言うと、「セリフを言う時に、それぞれのセリフにイメージの湧きやすいキャッチコピーをつけてみて!」とか「この役とその役の関係って、具体的にはどうなんだろ。いま、話しながらちょっと詰めてみようか」とか。

するとこれがぐんぐん役者もシーンもよくなるんですね。もともと演出には少し自信がある方でしたが、ここまで喜んでもらえると、自信になりました!

前々から演出には興味があったので(学生時代に演劇と映画の脚本演出をしたことがあり)、今後もそういう機会を増やせたらなと思い、講座も作ってみたので、興味ある方はぜひ参加してみてください!

もしくは、どんな現場でも駆けつけますので、「演技指導をつけたいかも〜」ってときは、ご連絡ください!(役に立たなかったら、ごめんなさい)


鴻上さんのワークショップ、本当にオススメですので、ぜひご参加くださいね!

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