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Photo by
voice_watanabe
■詩:「初恋」
[崇拝]
孤独と悲しみの中
きみに出会った
弱さを許してくれ た
進むべき道を教えてくれた
温かくて
まぶしくて
暗くて険しい道も
迷わず歩いていける
きみと一緒なら
[裏切り]
真実が嘘をついた
星は公転していて
約束はでたらめで
私はお前ではないと
道を失ったつま先が
宙を踏む
夢は覚め
握りしめていたのは
怒りと
使い道のない暴力
[反転]
指先で
ゆがむ ちぎれる
幸せの装置から
クロユリの花束が
送り込まれる
もう入りません
どんな顔?
どんな顔?
つなぎとめられない
体温が
わからなくなる
にじみ 滴り
右手が
もう戻らない
墓に糞を塗りたくり
「罰」を刻み込んだ
[停滞]
空の向こう
無慈悲な真空に
祈り 処し
祈り 処し
景色はずっと
黒と焦茶と
遠い茜色
迷いの中
切れ味の悪いギロチンを
何度も落とす
何度も
何度も
すべてをすり潰すまで
知性は
冒涜に殺された
[敗北]
狂気の選択
海を干上がらせ
ガラスで埋め立てた
凹凸が失われた大地を
ナメクジが這う
滅ぼす敵はもう
どこにもいない
「罰」を刻まれたお前
作り笑いで
「これも進化だ」と言う
バカめ