ライスカレー100人前を想う
堕落論・白痴・不連続殺人事件など戦前から戦後にかけて様々な著書を残した文豪、坂口安吾は一時期檀一雄宅に居候していたとか。
その時に何を思ったのかライスカレー100人前を注文する彼のイカれ具合に惹かれた僕は石神井へ急いだ。
石神井公園駅を出て5分程度歩くと古めかしい町中華の様な洋食店のような建物が姿を見せてくれる。
開店前4人ほど待ちがいた。そうしてシャッターが開くと昭和の雰囲気と言うより昭和から時の止まった店内へ。
開店から数分で店内は満席に近い形でそこそこの混雑具合。
メニュー表を見ずとも坂口安吾も食べたライスカレーを注文。もちろん1人前で。
味は結構甘めで令和ではなかなか味わえない戦前の洋食って感じ。こりゃ100人前食べたくなる。
実はライスカレー100人前を注文したのは辰巳軒だけでは無い。もう1つ近くに洋食屋があったのだが閉店してしまったとか。
時代が進み戦前の面影は減る一方で、まだこうして味として現代に残る辰巳軒は貴重なお店だ。
メニューを見ないで注文したものだから後から気になってしまうメニューがチラホラと。
ハムカツを注文。
しかし。
店員さんにお願いすると、そこに現れたハムカツは僕の知るハムカツではなかった。
このハムカツが安吾の時代にあったかどうかは不明だが、カレーにつけて食べたり、レモンやカラシも合う。
揚げ物なのに罪悪感は少なく、それでいて満足度が高い。
ライスカレーとハムカツで950円。昭和なランチを食べさせてくれた辰巳軒。また行ってみよう!
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