千葉都民の極北、市川市民

 市川市とは、東京都の東部、江戸川区と河を挟んで隣りの計量特定市。
全国的な知名度では、浦安市にボロ負けのベッドタウンである。総武線、総武快速、京成本線、京葉線、武蔵野線、東京メトロ東西線、都営地下鉄新宿線(本八幡駅は始発駅)、北総鉄道など交通の便が良いのが、唯一の自慢。
 この唯一の自慢こそが、千葉都民の極北たらしめる、一番の理由。総武線には乗るが、ばーちー方面にはほとんどいかない。遊ぶといったら、専ら東京であり、普段、自分たちが千葉県民であると意識することはない。
 落花生を食べる機会なんて、人生で指折り数えるほど。「やちぼこり」を聞いたことはあるが、八千代市は通り過ぎる街である。成田なんて、空港と成田山以外、用が無い。ゴルフ好きなら別だが。ばーちー駅に行くくらいなら、新宿へ行く。外房・内房なんてほぼ他府県。館山は沖縄並にいかない。
 なんなら、千葉のことより東京のほうが詳しいまである。その為、自身を千葉都民と自負している。千葉のことを聞かれても、大して説明できない。
 哀しき市川市民である私。周辺の市区町村の印象を述べていこう。
「松戸市」
 マッドシティ。駅前が平成初期からあまり変わっていない。よく言えば親しみやすい。BOOKOFFスーパーバザール以外利用しない。
「柏市」
 千葉の渋谷。しかし、本物の渋谷に行けばいいので、駅前のセカンドストリート以外行かない。蒙古タンメン中本があるので、ポイント高い。
「流山市」
 行かない。
「野田市」
 行かない。
「船橋市」
 ららぽーと船橋の最寄り駅、船橋競馬場周辺の場末感がエグい。ふなっしーによって、梨と言えば船橋となり、梨街道を擁する市川市民として恨めしい。そして、東船橋の存在感の無さは異常。
「習志野市」
 津田沼駅前の丸善・津田沼店という規模のデカイ本屋以外、行かない。
 
 さて、市川市と一口に言っても当然、差がある。交通の便がいいのは市川と八幡、行徳やら。市川大野は梨と、墓と、畑しかない。おっと、行徳は西船橋まで行って乗り換えないと行けない。妙典、行徳、南行徳はある意味、それ以外の市川市民からしたら別世界。やはり、ベストは治安も含めて総武線市川駅周辺だろう。都営地下鉄新宿線などが乗り入れる本八幡は、若干、治安が悪い。夜の女性の一人歩きはおすすめできない。
 そんな、ベストと威勢を張った市川駅周辺。山崎製パンのおひざ元であることと、蒙古タンメン中本がある以外、何もない。ゲームセンターもついに潰れて、これといって遊ぶ場所もなく、そこそこの規模の駅前と大して変わらないラインナップ。一日過ごせる地区ではない。蒙古タンメン中本を除いて、目的地になる場所ではない。
 ということで、市川市民は休日になると、東京へ行く。私も行く。これからも行く。最後に、隣の江戸川区の方が基準地価が平均で約5万円も高い。ショックである。若干、見下していたところあったので尚更。治安はよくないし、庶民的な印象しかなかったのに。
 そんな私は、郷土愛に乏しい。少しは知る努力をしなくては。と、思ってもないことを締めとして、本稿を了とする。

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