新宿

 先日、関東地方で昨年より14日早い春一番が吹いた。その結果、枝葉が折れて、我が家の庭に散乱した。それを朝7時ごろに、その他の草木を刈って処分した。
 その最中。道路と土地の接続部、生垣の下に犬のオソマ(うんこ)があった。下郎め。自分の犬の糞を処分することなく、放置とは、まさに、
『獰猛にして凶暴、粗野にして非情なる冷血の野蛮人であり、残虐非道、貪虐兇穢(どんぎゃくきょうあい)眼をおおうばかりの血も涙もない、畜生にも劣る殺人鬼』
 である。少し言い過ぎたか。いや、「ペットのオソマ放置」はテロ行為であり重罪である。他人に糞の処理をさせる。迷惑千万にして失礼極まりない、痴愚にして暗愚、底辺を突き破り地獄に落ちて然るべき人間なのだ。
 少し言い過ぎたか。要はそれくらいの怒りがあるということだ。
 それはそうと、映画『ゴールデン・カムイ』を観るため新宿へ赴く。当然のように昼食は「沖縄料理やんばる」である。
 今回は鉄板のラフティー丼セットではなく、オムタコライスセットを注文した。冒険しよう、そうキメてのことだ。
 トマトソースが鮮やかで、ふわふわ玉子にスプーンを刺しこむと、チーズとタコミート、千切りレタスが層をなしています。辛くはなく、タコミートが肉肉しい。全体としてあっさりとした味付けで、最後まで飽きない。
 沖縄ソバ(小)は、薄切りのラフティがのっており得した気分。満足して退店し、新宿バルト9へ向かう。予約済みのチケットを発券し、ゴールデン・カムイと機動戦士ガンダムSEEDフリーダム(前回、通常版が売切れだったため)のパンフレットを購入。
 吸い込まれるように紀伊國屋書店に到着。あれやこれや、あーだこーだでてんやわんやで、結局、9冊購入(紹介は明日の週刊 我がヂレンマで)。
 あ、またケッキョク、カってしまった、と、わたしは思った。昨日、2冊かったばかりなのに。莫迦なのか。おそらく、1万3000円弱は買っている。まぁ手加減しなかったら、5万円ぐらいいってしまいそうだが(それは言い過ぎ)、書籍に金を払う分には罪悪感が皆無のため、仕方ないのだ。
 時間だ。新宿バルト9に戻る。
 ちなみに、ゴールデン・カムイは未読であり、アニメも未見である。内容はなんとなく知っていて、ユーチューブで切り抜きを流し見してる程度。
 感想。
 アクションはハリウッド並で、冒頭の塹壕戦は見物。美術や衣装はこだわりが感じられ、安っぽさは皆無。山崎賢人さんの肉体美も堪能。アイヌ文化もしっかりと表現されて、北海道とアイヌの歴史に興味を持ちました。
 はやくも次が楽しみな、原作へのリスペクトがある良作です。
 原作は未読で、はて、どうしたものかと、公開いらい観ていなかったが、今回観てよかった。他に観たい作品がなく、消去法で選択したが、結果的に大正解であった。それにしても、主演の山崎賢人さん。良い俳優になったなと、正直に思った。最早、「イケメン」俳優などと揶揄されることもなく、押しも押されぬ日本のトップ俳優だろう。精悍で色気があり、癖もなく、アクションも経験の積まれたプロフェッショナル。ここから年を重ねて、深みが出て、また違った魅力を見せてくれそうだ。
 さて。帰る。ダッシュで、最短距離で、新宿駅に直行する。総武線で一直線で、我が故郷の千葉に帰還である。
 行きの電車よりも、帰りの電車のほうが到着が早く感じる。何故か。
 これは「リターン・トリップ・エフェクト」と呼ばれ、心理学的に原因が解明されている。
 行きと帰りが同じ道でも、帰りは「余裕を持って時間を見積もっている」ため早く感じる。ということらしい。
 そうしてホームタウンで降りて、夕食を購入する。パック御飯のみ。これは昨日の酒盛りのアテ、鶏の唐揚げがどうしようもなく余ってしまったからだ。いつも買いすぎて、翌日のメニューを侵食してしまう。考えものだが仕方がない。それが私の性分である。
 隔週でゆく新宿。ほかは古着を買いに中目黒や下北沢、ほとんど、他の「東京」には行かない。これで良いのかと思うこともあるが、用が無ければ行くことはない。映画館と大型書店があれば文句はないので、選択肢はあるはずだが、とくに意味もないので、結局は、新宿になる。
 第二のホームであり、私にとって東京とは新宿であり、乗り換えなしの利便性は捨てがたく、この街に愛着がある。
 私はこれからも新宿に通い続けるだろう。
 ホームレスから大富豪、人種も、身分も関係なく受け入れてくれる、そんな新宿が大好きだ。駅に到着すると、何故か、「帰ってきた」ような感覚になり、落ち着く。ワクワクする。美味い飯にも困らないしね。
 はぁ。明日は平日、魔の月曜日である。今夜はよく休み明日に備える。
 こんなところで、本稿はおしまい。
 風呂に入り、鶏の唐揚げと白米という腕白極まりし夕食を喰らう。そこそこ幸せだが、不満ある現状を打破するため、頑張っていきたい。
             (読者諸賢におきましては、ご自愛のほどを)

 
 

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