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ある一日 | 詩

空は横に長かった。

甘く薄荷のような  すこおしピリッとした色。
夏のはじまりの入道雲と
風に流れる 綿あめのような うす白い雲が
リズミカルに並んでいる。

音がする、音が奏でる。
あたたかい音だ、甘い音だ。

心穏やかに、心躍る。
心悲しくて、心切なくて。

流れる流れる、どんどん どんどん
空が縦になっていく、空は丸くなる。

目を閉じる、心が感じる、耳をすます。
空と風と音 どんどん消えていく。

どんどん、どんどん、どんどん。

空も薄紫になってきた。

✴︎詩の情景
好きな人と電車で遠出した帰路、窓の外は田園風景から都会の空へと形が変わっていく。
楽しかった今日が終わってしまう切ない気持ちで空を眺めている。

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