研磨教

ドッツカーーん
「あーやっちまった、核戦争かあ、また振り出しに戻らんとなあ。
ところでお前の方は順調な様だな。」
「あんた、圧倒的指導者とかメシアの登場では無理なんじゃないの?
どうせ寝返るか殺されるのがオチなんだから。
後で原因でも調べてみたらどうせそんなところでしょうね。」
「文明が進めば戦争が促進される、ここが山なんだよなあ、
これがなかなか超えられないのがこのシュミレーションゲームの難しさだ、
ここを超えるとクリーンエネルギーやら宇宙開発やら不死の医学やらも使えて新たな進んだ文明へと進展できるんだよなあ。救世主の投入では失敗みたいだ、ところでお前は何を投入したんだ?」
「研磨教ってやつよ、」
「なんだそりゃあ新興宗教か?以前も宗教投入してみたけど逆に諍いの元となっちまったじゃねえか。」
「いやそういうのじゃないみたい、調べてみたら教祖がいないのよね。」

研磨教
「調べてみたら、これは宗教というよりは働きみたいなものらしいわね、
一人のお金に困った三次元炭素体ユニット(人間)がいたのよ、つまりは『働けど働けど、、』ってやつね、
ある日彼はお金の扱いが悪いのでは?ということに気づいたわけね、
金使いが荒いとかそういうことではなくってね、
硬貨や紙幣の物理的扱いの事よ、そしてお金を綺麗に磨き始めたのよ、
不思議な事にそれをやりだすと見えない力学が働いたのか彼に臨時収入やらが入ったりしてね、つまりお金に困らなくなったのよね。」
「何だかつまらねえ話だなあ」
「まあ最後まで話を聞きなさいよ。
それが共時性ってやつかしらね同時に100人位がそれをやりだしたのよ、
一ヶ月後には何億もの人がやり出したのよね、やがて『何でも磨けば幸運がやってくる』みたいなものが大流行してね町やら国やらがピカピカに輝き出したのよ、
更にこの星の三次元炭素体ユニット達は自分の内面とか精神とかも磨こうとしてね、まあ簡単に言えば性格が良くなったみたいな事かしら、
そうしてるうちに支配層のユニット達が汚いものに見えてきたのよね、
改心した支配層もいたみたいだけど、やはり納得いかずに自滅していったのが殆どだったみたい。
ピラミッド構造が逆さまになったとも言えるわね。
当然戦争とやらは全く意味を為さない事となったみたいだわね。」
「じゃあお前のゲームはエンドを迎える訳だな、エンドになるとどうなるんだ?」
「マニュアルにアクセスしたけど、どうやら三次元炭素体ユニットがここにやってくるらしいわよ。」
「そんな馬鹿な、文明が進めばブラックホールに簡単に進入できるって訳か?この二次元世界に入ってこれるってことなのか?」
「当然でしょうね、どんな次元にでも移動できるのだから、私たちを超えてしまったのよ。」

続く かも。。


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