見出し画像

長崎にあった場所〜浜屋百貨店の屋上遊園地

古くから長崎で老若男女に親しまれていた穴場の名所、「浜屋の屋上」が5月6日をもって閉店するとのことで別れを告げるべく行ってきた。屋上を運営する次の業者が見つからなかった、遊具の老朽化が著しいとのことからの閉店だとのことである。その他にも子供の数の減少、あるいは車社会の波に乗って郊外に大型店舗がオープンしたという社会的な背景もあるのだろう。

かつてデパートという場所は我々庶民にとっては非日常な場所。子連れのファミリーが買い物に行くと、親の買い物に付き合ったご褒美として屋上遊園地やおもちゃ売り場で遊び、大食堂でお子様ランチとアイスクリームに舌鼓を打つというのが昭和の子供にとっては一種のステータスだったようである。これは筆者の親世代の人たちの話。筆者も幼少期の頃、祖父に連れられて屋上には遊びに連れて行ってもらっていた。当時はペットショップが併設されており、喋る九官鳥がいた記憶がある。筆者が乗り物に乗って遊んでいる側でタバコを咥えていたのは今でもよく覚えている。自宅が目と鼻の先だったので大食堂で食事をするという発想はなかったようで、大食堂でお子様ランチやアイスクリームを食べた記憶はほとんどないが、やはり浜屋に行く道中とエレベーターを待つ時間が楽しかった。

その当時から「屋上」だけは時が止まった空間であり、遊具も何一つ変わってなかった。ただ、年季が経ち過ぎていたのか動かなくなってしまった遊具がほとんどだった。老体に鞭を打ちながらワシはまだまだ負けんぞと言わんばかりに、子どもたちを乗せて一生懸命に動く乗り物たちは哀愁が漂っていた。お疲れ様でした。今までありがとう。心の中で屋上の遊具を労いつつその場を後にした。

筆者が好きだったヘリコプター。同じ乗り物を関東のどこかでみた記憶がある
両替機。これが稼働する日はまた来るのだろうか


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?