見出し画像

「モグラの写真屋さん」第1話 ボニさんのPocketBook 【連載ファンタジー小説】

ここはヤンバル、ここには小さな動物たちが暮らす小さな村がありました。

小さな村には1匹のモグラが住んでいて、友達のマングースが遊びに来て言いました。

「どうだい、モグラくん!これが写真というものさ!」
マングースくんは1枚の紙をモグラくんに見せながら言いました。
紙には、すました顔のマングースくんが写っていました。

「わー!すごいネ!マングースくん。これが写真なのかー。」
モグラくんは驚いて小さな目を大きく開いて言いました。

「この絵はどこで描いてもらったの?」
モグラくんはマングースくんに聞きました。

「何を言うんだい、モグラくん。これは絵なんかじゃなくて、写真と言って、カメラって機械で写しとるんだよ。」
マングースくんは自慢しました。

「カメラ?どこで写したの?」
モグラくんは聞きました。

「となりの街に新しくできた写真屋だよ。」
マングースくんが言うやいなや
「ぼくも行ってくるぅー!」
モグラくんは家を飛び出して行ってしまいました。

あわてて家を飛び出したモグラくんは、となりの街までやってきました。

街でいろんな人に道を聞きながら、なんとか写真屋さんを見つけることが出来ました。

モグラくんは
「こんにちはー!ぼくを写真に写してくださいなー。」
言いながら写真屋さんに入っていきました。

「いらっしゃいませ。」
ミケネコの写真屋さんが出てきました。

「ぼくを写真に写してください。」
モグラくんが言うと

「はい、はい。ではこちらへ。」
ミケネコの写真屋さんがモグラくんをスタジオに入るようにうながしました。

モグラくんがスタジオに入ると、目の前には大きなカメラが置いてありました。

カメラを見て
「わー!これがカメラかー!すごいなー!」
モグラくんは大はしゃぎしました。

ミケネコの写真屋さんが
「はい。こちらに立ってくださいね。」
大きな噴水が描いてある絵の前に立つように言いました。

モグラくんが言われたとおりに絵の前に立つと
「では、写しますのでカメラの方を見てください。」
ミケネコの写真屋さんが言いました。

モグラくんがカメラを見ると
「ハイ!笑って~」
ミケネコの写真屋さんが言った瞬間
「カシャ!」
という音と共にカメラは、まばゆいばかりの光を放ちました。

モグラくんは目の前が光で何も見えなくなり、驚いてその場にひっくり返り、気を失ってしまいました。


「う~ん…」
モグラくんが目を開けると

「おや、目がさめたかな…」
お医者のナミエガエル先生が言いました。

「あれ?ぼくはどうしたの?」
モグラくんが言うと
「きみは写真屋さんでカメラが放ったフラッシュの光に驚いて、ひっくり返って頭を打って気絶したのさ!」
マングースくんが言いました。

「でも、どうしてナミエガエル先生の病院にいるの?」
モグラくんは不思議そうな顔で言いました。

「マングースくんがおまえさんをかついで、病院まで連れてきてくれたんじゃよ。」
ナミガエル先生が言いました。

「おまえさんはモグラなんだから、そのちっこい目であんなに強い光を浴びたらいかん!」
ナミガエル先生から叱られてしまいました。

「そうか…ぼくは写真を写せなかったのか…」
モグラくんは、しょんぼりしました。

「なんじゃ、おまえさんは写真を写したいんか?」
ナミガエル先生がモグラくんに聞きました。

「うん…。でも、ぼくにはダメなんでしょ?」
モグラくんはすっかり落ち込んでしまいました。

「ヤンバルの先にあるメイオウの森の奥にある泉に行けば願いが…」
ナミエガエル先生が言い終わらないうちに

モグラくんは
「ぼく、行ってくるー!」と
また飛び出して行ってしまいました。

つづく



ハーイ!ボニさんでーす!!

またまた始まった新企画、ボニさんのPocketBookです。「note創作大賞」の為に書いたのですが文字数が足りずに応募は断念しました。
ですが、そのまま埋もれさせるにはもったいないので、ボニさんの新企画として四日連続で note に投稿することにしました。
ボニさんは料理が大好きで始めた note ですが、ただ料理が大好きなおじさんじゃないところをこれから少しずつ小出しにしていきますねー!(笑)

ボニさんはまだまだ進化していきますよ~


※ ボニさんからのお願い 
いつもボニさんの記事を読んでくれている読者の皆さまありがとうございます。記事を読んでの感想、ご意見を頂けるとありがたいです。良くも悪くも読者の感想、ご意見でボニさんの記事を育ててくださいね!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?