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第69回議論「地理総合+αにおけるGIS(地理情報システム)活用実践について」

第69回は「地理総合+αにおけるGIS(地理情報システム)活用実践について」としてご報告いただきました。報告者は、以前までGISメーカーに勤務されていた経験を生かして授業づくりをされています。原油生産から国際情勢を考察するために各国の原油生産量の推移を可視化したwebアプリを作ったり、arcGISを使って3次元の画像を提示し授業プリントの資料に少しでも実感を持てるようにしたりと工夫されているそうです。GIS単元だけでなく、地形や気候、教材づくりや試験問題作成など様々な場面でのGIS教材活用の可能性も教えていただきました。その後、実践報告について、GISの活用で学習の幅が広がるケースはあるのか、地理以外の科目でICTツールの活用シーンがあるのか、について議論しました。
以下議論
・スムーズにアプリを使いこなしていることに驚いた。生徒たち自らが作っているものはあるのか?→コマ数が限られており、生徒たちに作らせる時間はとれなかった。生徒自身が自由に動かせるものを作ってその中で生徒たちに考えさせることを心がけた。
・MANDARAがオンラインで利用できる。AIテキストマイニング、Jamboardなどが便利でよく使われている。
・GISが歴史分野でも活用できるかもしれない。
・他の先生はICTを積極的に活用しているのか?→教科を問わず活用されている教員はいる。特に英語数学は熱心な印象。テストが多いので採点ソフトを入れたりしている。年齢を問わずICTを取り入れようとしている先生は多い。
・GIS活用の目的は?GISを使うことで何を学ばせたいのか?→最低限これだけは教えたいをベースにGISをどう使うか、という考えもあるが、そうではなくて生徒により多くを手に入れてもらうためにGISを使う。もっとこんな情報があれば世界中の人々の営みがクリアにみえる。教科書・資料集だけでは見えない角度の情報をどんどん手に入れて社会課題を考察する力をつけさせたい。
・データを配布して興味があったら生徒自身がGISで主題図にしてみるということもできる。arcGISはクラウド上に加工済みのデータがあって便利。
・実践報告は報告者の思いが反映されているものだったか?報告の中でGIS活用の必然性を感じる場面は少ないのではないか。複数人で端末を使っていたが、複数で使うメリットは操作上の都合だけではなく、そこに議論が生まれること。GISを誰かと使うことで、個人では思いもよらなかったことに操作がおよび、新しい見方ができる効果がでるともっとよい。興味がありそうな生徒をつかまえてある程度のスキルを学ばせ、自分たちでテーマを設定させてGISを使って課題にアプローチできることを伝える。成果物ができたら、次年度から生徒たちはそのレベルを目指したり、それ以上のものを求めていく。
・学校によっては地理専門の先生がいないこともあり、GIS活用は警戒されているかもしれないが、やってみるというのはとても大切。
・先生が答えをもって授業を展開するのではなく、生徒自身が動いたり、考えたりすることで「わかった」を発見できる仕掛け作りが重要。
参加者15名

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