リスク許容度の高さと個人資産
8/21に上梓した「世界標準の資産の増やし方」で協力いただき、多くの富裕層と接している花輪さんの話では、一代で富裕層になった方と話すと、リスク許容度が一般の方々と大きく異なると感じるそうです。
なぜ、リスク許容度と個人資産の関連が大きくなるのでしょうか?
リスク許容度が高い方は普段の生活の中でも、小さなリスクを取る訓練を重ねているようです。
例えば、会議の際には必ず挨拶と発言をする。壇上に立ってパフォーマンスをする機会があると、真っ先に手を上げる。こうしたことを繰り返すと、小さな失敗を重ねながら、リスクを取る事に対する試行回数が増えるようです。
旅行の行き先を選ぶ、外食の時にメニューを選ぶなど、生活をする中でもいろいろな選択肢はあります。そうした何気ないことでもいつもと違う選択肢を選ぶことで少しずつ自分の殻を破ることはできると花輪さんは言っています。
このように、普段の生活の中で小さな決断を繰り返したり、少し勇気をもって行動する事は心がけ1つでできそうです。
他人と違うことに着目する
花輪さんによると、一代で富裕層になった方の思考法としては、他人と違うことに着眼をする方が多いと感じるそうです。そして、自分の頭で理解できるまで徹底的に調査をするところ共通点として挙げています。
これは、私がこのコーナーでも著書の中でも繰り返し重要性を述べている「認識ギャップ」と似ています。
株式ファンドマネージャーの仕事を長くやっていると、いつの時代も最も成功するのは、初心者であることに気付きます。彼らは市場に対して何の偏見やバイアスもなく、観察するからです。
多くの場合、経験を積むと大きなミスがなくなる一方、大成功する事も無くなるものです。それは、経験を積むにつれ無意識のうちに様々なバイアスがかかることになるからです。
日本の富裕層の特殊性
日本の富裕層は、起業などによって大成功した方もいらっしゃいますが、多くは先祖から引き継いだ土地などを持ち、あまりリスクを取らずに資産を護ってきた人たちでした。
しかし、米国の例を見ると、億万長者の3分の2は自分自身の力で億万長者になっており、両親は決して裕福とはいえない方々です。
また、所得分布で見た場合、下位20%に属する世帯の内、何からの形で株式を保有しているのはわずか15%ですが、所得上位10%に属する世帯では92%が株式を保有しています。
日本はデフレ経済であったため、不動産などから一定の収入があり、無駄遣いさえしなければ、富裕層で居続けることが出来たわけですが、インフレ経済下では無駄遣いをせず、コツコツ貯めているだけではダメで、適切なリスクをとって投資を行う事が重要となると考えられます。
投資で必要なリスク許容度を持つために、まずは日常生活の中で、少しリスクをとった行動や思考法を持ってみては如何でしょうか。
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