【希望】この世からなくなってほしいもの。
ウバといいます。
訪ねていただきありがとうございます。
きのう息子さんに聞いてみた。「お前はこの世から無くなって欲しいものはあるか?」と。特にふかい理由はない。なんとなく聞いてみた。
息子さんは「戦争」と即答してきた。このやろう、立派に育ちやがって。と、ひとりじんわりくるオッサン。
ふーん、とか言いながらその場を去ろうとすると「お父さんは?」と聞いてきた。困った。答えたくない。
「戦争」と即答する9歳児を前に、38歳児のオッサンが「首から下の体毛」なんて答えられない。はずかしい。何が「戦争」だ。まさか世界規模の答えがくるとは思わなんだ。
にしてもだ。首から下の体毛はいらないと本気で思う。人より体毛が多く生まれたせいで、今まで散々バカにされてきたのだ。滅べよ、体毛。
体毛は、主に身体からダメージを保護するためにあるらしい。体温を保つのにも一役買ってるのだとか。ふーん
本当に守れてるか?なろ答えてみろ。まず胸毛!中途半端に生えやがって。そんなんでナニからナニを守ってんねん!
ギャランドゥ!君はアレだ。醜さ以外なにもないな。そこはきみ程度が守れるほどラクじゃないぞ!守るならもっとしっかり硬く生えろよ。
そして~ウデ毛!スネ毛!キミらは生えすぎだ。そのくせフワッフワ。そのやわからさじゃ、どれだけ濃くてもなにも守れない……
いちばん謎の毛は指毛だ。お前だよオマエ。きっとお前じゃなにも守れない。お前が生えるより、皮膚が硬くなったほうが守り強そうじゃね?とか思う。本気で思う。抜けちまえ。
陰毛は、ほら、アレだ。シンプルに邪魔だ。尻毛もそう。でも君たちのことを語るには、まだ日が高い。またの機会にな。
と、わたしは体毛に対して良い印象をもっていない。嫌悪感どころか殺意すらある。ある日ぜんぶ抜けても涙も出ないだろう。
ところが、排水溝にたまった頭髪を見ると悲しくなるのだ。守ってやれなくてごめんな?とすら思う。「構わんよ」と排水溝から聞こえる気もするが、気のせいだろう。
頭髪に関しては、その他の体毛たちにくらべてずいぶんと甘やかす。シャンプーで洗うしトリートメント付きだ。体毛なんてボディーソープだ。ウデ毛専用のシャンプーなんて使わない。
だから抜けた頭髪を見ると悲しくなる。その他の体毛が抜けても無関心だ。
嫁さんはいう。「脱毛したらいいのでは?」と。それは違う。今まで散々バカにされてきた。嫌悪感も殺意もある。でも、体毛があってこそのわたしなのだ。
わたしを、わたしたらしめる為に体毛はある。体毛が守ってるのはわたしの存在そのものなのだ……いや、なに言ってるんだわたしは。
ただこの世からなにがなくなってほしいかの話だった。少し熱くなり過ぎた。そんなこんなで、息子さんには「まあ、いろいろだ」と、答えを濁した。
なにが欲しいかより、なにが要らないかを聞くのも楽しいなあと感じた日だった。皆さんは、なにがこの世からなくなってほしいですか?
ここまで読んでいただきありがとうございます。
「あ、戦争より宿題がなくなってほしい」と言った息子さんが愛おしかったなあ
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。