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ケトーシスとケトアシドーシスの違い

こんにちは、ちょらです。

前回と前々回で栄養素の吸収とエネルギーの産生についてまとめました。

そこでケトン体が脳の非常用エネルギーとして使われる物質だと紹介しました。

しかしケトン体は増えすぎると体に悪影響をもたらします。

今回はそんなケトン体についてまとめました。


ケトン体とは

ケトン体はアミノ酸や脂肪酸から作られる化合物です。
グルコースが不足した際に脳や筋肉の非常用エネルギーとして産生されます。

ケトン体は水溶性のため血液脳関門を通れる数少ない物質です。

ケトン体のメリットデメリット

ケトン体のメリット

ケトン体はどちらかと言うと悪者扱いされてきました。
しかし、数々の研究により次のような効果効能が確認されています。

  • 脳や筋肉のエネルギーとなる

  • 脂肪燃焼効果

  • 抗炎症作用

  • 糖尿病腎症の改善

  • 大腸ガンの抑制

加えてケトン体はグルコースより効率の良いエネルギーで、乳酸の産生もグルコースより低いため、運動のパフォーマンスの向上にもなります。

ケトン体のデメリット

ケトン体が悪者扱いされてきた理由として、pHバランスが崩れることが挙げられます。
phバランスとは体内の酸性、アルカリ性のバランスのことで、このバランスが崩れる事で体の調子が悪くなり様々な疾患に繋がります。

詳しくは下記の記事↓↓を参照してください。

ケトン体は酸性、ヒトの血中は弱アルカリ性のため、ケトン体が増えすぎると体が酸性となり、人体に悪影響で免疫力低下などを起こします。


ケトアシドーシスとケトーシスの違い

ケトン体はアシドーシスを引き起こす物質です。
アシドーシスは血中が弱アルカリ性から酸性に傾く事で、その原因がケトン体であるとケトーシスやケトアシドーシスと呼ばれます。

ケトーシスやケトアシドーシスは同じ意味で使われる事もありますが、厳密には違います。

ケトーシス

ケトーシスは今まで解説してきたように、アミノ酸や脂肪酸から作られる非常用エネルギーのケトン体が増える事で血液が酸性に傾く事です。

非常用エネルギーですから、一時的なアシドーシスの状態だと言えます。

ケトアシドーシス

ケトアシドーシスは糖尿病などでインスリンの働きが弱まり、ブドウ糖をエネルギーとして使えない状態で、ケトン体が産生されることにより、アシドーシスが起こることです。

これは慢性的にアシドーシスを起こしている状態で糖尿病ケトアシドーシスとも呼ばれます。

糖尿病ケトアシドーシスは糖尿病の症状に加え、呼吸困難や意識障害、最悪の場合死に至ます。

ケトジェニックダイエット

糖質を制限して、タンパク質や脂質を多く摂ることでブドウ糖ではなくケトン体をエネルギー源としてするダイエットをケトジェニックダイエットと言います。

上記で説明したように慢性的にケトン体が多くなり、アシドーシス状態が続くと体に悪影響が起こります。

そのため、ケトジェニックダイエットは短期的に行わなければ死の危険がある行為です。

特に糖質制限に慣れていない人はブドウ糖を少しずつ減らして体を慣らしていくことが大切です。


ケトン体まとめ

  • ケトン体は脳や筋肉の非常用エネルギー源として使われる

  • 脂肪燃焼やがん予防などメリットがある

  • デメリットとしてアシドーシスを起こす危険性がある

  • ケトーシスはケトン体により短期的にアシドーシスを起こした状態

  • ケトアシドーシスは糖尿病などでブドウ糖が使えず、慢性的にアシドーシスが起こる状態でとても危険

  • ケトジェニックダイエットは長期的に行うと最悪死に至る危険性がある

それではありがとうございました。
健康生活をお過ごしくださいっ!

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