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まっくら森

たくさんの緑に触れたくなって、電車に乗って、大きな公園に行った。
同じような気分の人が多いのか、かなりの人で賑わっている。
キャッチボールや水鉄砲、シャボン玉遊びをする親子のほかに、一人で木陰で読書したり瞑想したり、ヨガをしたりしている人もいる。
とても広いので、人々が適度に分散されて、心地よい。

うっそうとした木々の下を歩くと、ひんやりと涼しく、心が、しん、と落ち着いていく。
日差しの強い日だったけれど、木々が、光を適度に遮ってくれる。
木漏れ日っていいな、と思う。

公園を、ぐるりと回る。
とりわけ背の高い木々がまっすぐに並んでいる道があって、そこだけほの暗く見える。
まっくら森の歌を思い出す。

子どもの頃、NHKのみんなの歌で放送されていた歌。
子ども向けなのに、しっとりしたバラードで、父が好きだった曲だ。
口笛をふいたり、口ずさんだり。
まっくらくらーい、くらーい、というところを歌う父の低音が好きだった。

何年か前に、アンコール放送で、まっくら森の歌が放送されたとき、とても嬉しかった。
ネコとネズミのアニメーションも、懐かしい。

この曲を聴くと、耳元に、父の声がよみがえる。
こんな広い公園を、父と歩きたかったな。

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