見出し画像

アジサイという花束

先日、ラジオ深夜便「ほむほむのふむふむ」を聴いた。
ゲストは、枡野浩一さん。
よくアジサイにぶつかるという話がおもしろかった。

私の散歩コースにはアジサイを植えているお宅が多く、6月ころは、あちこちに大きなアジサイがぽんぽん張り出している。
道にはみ出たアジサイと接触することもしばしば。アジサイはぶつかっても痛くない、優しい花だ。

アジサイには、思い出がある。
あるとき宿に泊まっていて、廊下に大きなアジサイの花が活けてあった。薄暗かったし、あまりにも立派だったので造花かなと思って触れると、しっとりとしている。両手を広げてもはみ出るほどの、大きなアジサイ。それだけで、ひとつの花束だ。

生のお花は、手のひらで触れると、しっとりと吸い付くようだ。この柔らかな感じ、手のひらに伝わる感動を歌にしたいけれど、なかなかできない。

でも、自分の作った拙い歌を読むと、そのときの感動がよみがえる。
それだけで、作ってよかったなと思う。

次から次へと嫌なことが押し寄せる日々の中で、小さな喜びに、心ふるえる人でありたい。

アジサイに両手あてればしっとりとブルーの波を返してくれる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?