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川のある町で

今の町に引っ越してきて、8か月ほど。
10年日記の去年の欄を見ると、去年の今ごろはまだ前の家にいて、引っ越しなんて考えてもいなくて、賃貸借契約を更新している。

そんな風に突然引っ越したのに、今の町に、もうずっと前から住んでいるような気がする。
前の住所と近いから、なじみやすかったというのもあるかもしれないけれど、変化の苦手な私にとって、意外な結果だった。

引っ越して、最寄り駅は遠くなり、その分、通勤時間も長くなった。
スーパーも、前に比べれば微妙に遠い。

それでも今の家が気に入っているのは、やっぱり近くに川があるからかなと思う。
毎朝、川に浮かぶカモや、浅瀬のセキレイを眺めながら、駅まで歩く。
運が良ければ、白鷺にも会える。
帰宅する頃は真っ暗で何も見えないけれど、カモがグワグワ言う声や、闇夜に浮かぶ白鷺が見えることも。
川って、いいなあ。

4月になれば、職場の人の入れ替えも激しくなりそうで、不安要素もいっぱい。
変化はいつもストレスで、正直言って、気が重い。
でも、この町にすぐなじんだように、新生活にも、なじんでいきたい。

橋の上に拝む人あり白鷺は闇夜に眠るつぼみのように
(2024.3.9日経歌壇 穂村弘選)

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