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白鷺の朝

いつの間にか、もう12月。
晩秋に入ってからも暖かな日が多かったけれど、12月ともなると、さすがに朝晩の冷え込みは厳しくなって、家の前のハナミズキの葉も、真っ赤に染まった。

朝、川沿いを、コートとマフラーに埋まりながら歩く。
冷蔵庫の中のような空気で、顔が寒い。
お休みの日くらい、遅くまで眠っていたいのだけれど、年のせいか、長く眠り続けることができなくなった。

今年も、あと一か月を切った。
仕事がしんどくて、しんどくて、本当に疲れた一年だった。
とはいえ、来年も状況が変わるわけじゃないんだな。
寒いと、心も縮こまりがちだ。

橋の欄干に、白鷺がとまっていた。
最近よく川で見かけるようになって、いつもは浅瀬を歩き回っているのだけれど、欄干にいるのは初めて。
そっと近づいても、全然逃げない。

大きさからみて、コサギのようだ。
胸とお尻の羽毛がふわふわ風に揺れて、まぶしいほどの純白。
頭上に広がる空は、雲ひとつなく青い。
朝日を浴びて佇む白鷺が、神々しく見えた。

白ってやっぱり、特別だ。
心を、さあっと明るくしてくれる。
空がきれい、白鷺がきれい、そう思えるうちは、まだ大丈夫。

そんなことを思った、朝のお散歩だった。

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