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これからの長さ

先日、ラジオの「ほむほむのふむふむ」を聴いた。
ゲストは、俵万智さん。
小気味良い、という言葉がぴったりの、テキパキした話し方が素敵。

その中で、印象的なお話があった。
40歳になったときに、これからは自分の経験したことのある長さだ、と思ったのだそう。
たしかに、10代、20代の頃は、その先が途方もなく長く感じられた。でも、40歳ともなれば、運良く長生きできたとしても、大体これまで経験したくらいの長さだろう。

人によっては、残された時間の短さに悲しみを覚えるかもしれないけれど、未知のことが苦手な私にとっては、ほっとするお話だった。

35歳を過ぎてから、体力が急に落ちて、心身のバランスを崩すことが多くなった。
年配の方からは、「40歳過ぎたら、そんなもんじゃない!」と言われる。これ以上何かあるのかと思うと、40歳を迎えるのが怖かった。

今回俵さんのお話を聞いて、少し気が楽になった。
老いていく以上、これまでの40年のようにはいかないだろうけれど、経験したことが、失われたわけじゃない。


「生きることがうたうこと」「うたうことが生きること」とは、「サラダ記念日」のあとがきの言葉。
うたいながら、これからも生きよう。

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