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ChatGPTで子育てはできるか!?

まだChatGPTを使ってない人は人生を悔い改めた方がいい

ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏の発言以来、ChatGPTはより一層の注目を受けています。

近年、人工知能(AI)技術は飛躍的に進展し、各業界でのイノベーションを牽引しています。特に、ChatGPTのような大規模言語モデルを搭載する生成AIは、人間のフィードバックを基にして非常に自然な会話の応答を生成することができ、人気を博しています。

実際、これからの子育てにおいて、日本では、実に86.9%の親が将来的にこのような技術を利用したいと考えており、社会福祉や育児の分野での利用が注目されています。

しかしながら、その一方で、ChatGPTの実際の能力や、その情報がどれだけ受け入れられるのかについての明確な情報はまだ十分にはありません。

そこで、私たちの研究では、日本の保育士国家試験、および、子育てQ/Aの問題を用いて、GPT-3.5とGPT-4の性能を評価しました。
(PDF) Artificial Intelligence in Childcare: Assessing the Performance and Acceptance of ChatGPT Responses (researchgate.net)

結果として、GPT-3.5は30.3%、GPT-4は47.7%の正答率を記録し、保育士国家試験では合格基準を超えるパフォーマンスを発揮できないことが示されました。育児に関する質問への回答に関しては、最も良い回答として、人間の専門家による回答が45.7%、GPT-3.5が31.4%、GPT-4が22.9%と、過半数でChatGPTの生成した回答が評価されました。

これらの結果は、専門的な知識や経験を必要とする問題に対するChatGPTの回答の品質や受け入れられるレベルにはまだ課題が残っている一方で、そのような情報を専門家でも見極めることが難しいということを示唆しています。

産前産後子育て支援学会で学術奨励賞をいただきました

将来的には、患者や保護者から、「ChatGPTはこう言っています!」と、医師や教師が詰められる日が来るかもしれません。ChatGPTは専門的な知識の特に「運用」という面で大衆化をもたらしており、より多くの人々にとって専門的な知識をわかりやすい形でアクセスすることを可能にする方向性を示しています。しかし、その前に、その情報の品質や適切さをしっかりと評価し、誤情報や誤解が拡散されるリスクを低減するための取り組みが必要です。

しかし、これはあくまで2023年9月時点でのChatGPTの性能評価にすぎません。将来的には、医師や教師が「ChatGPTはこう言っています」とコメントする日が来るかもしれません。

その答えを探るための研究を引き続き続けていきたいと思います!

※宣伝
このようなChatGPT研究の総括を、医療AI特別セミナー(第20回目)をzoomにて開催いたします。

日時:2023年11月15日(水) 17:30~18:30(17:15より入室可能)

Zoomによるオンライン形式

セミナーテーマ:医学生・大学院生によるAI研究

①講師:千葉大学大学院医学研究院/理化学研究所 我妻 叶梧 先生
 演題:データ駆動型予測・予防医学 : AIの力を活用する
 
②講師:北海道大学医学部医学科 金田 侑大 先生
 演題:医学生が見るChatGPT革命

座長:北海道大学大学院医学研究院 画像診断学教室 平田 健司 准教授

参加登録用URL:https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_s5hbQbLVSQe2kzqbsYZKpw

主催:
北海道大学医療AI開発者養成プログラム(CLAP)
北海道大学病院医療AI研究開発センター
連携研究センター医療AI教育研究分野

素敵なポスターを準備していただきました

興味がある方は、もちろん無料ですので、ぜひぜひ見に来てください!


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