見出し画像

客数増加の『旅行・ホテル』*日本経済68業界

日経平均株価(225銘柄)で登場する
合計68業界の動向を紹介します。

サービスの『旅行・ホテル』

▼業界動向
2014年→2019年 成長
2020年                 下落
2021年→2023年 回復(2019年の8割水準)

▼業界平均
・売上高   :1935億円
・営業利益率 :3.98%
・自己資本比率:20.86%
・ROE          :5.06%
・ROA          :1.18%

※用語の詳しい説明は文章下段の
 【経営の基礎知識】から確認できます。

◆--------------------------------------------
1位 株式会社リクルートホールディングス
減収増益:売上3兆4164億9200万円/24年3月期

人材派遣サービス事業は
法人売上の自社内比率約50%を占め、

アメリカから買収したIndeedやGlassdoorを
中心としたHRテクノロジー事業が好調。

マッチング&ソリューション事業としては
人材領域のタウンワーク/リクナビ、
販促領域のSUUMO、ホットペッパー、
経営支援SaaS領域のAirレジなどのAirシリーズを展開。

旅行事業としては、
株式会社リクルートライフスタイルが
日本の宿やホテルと宿泊者を繋ぐマッチングサイト
「じゃらん(雑誌)」「じゃらんnet」を運営しています。


2位 楽天グループ株式会社
増収増益:売上2兆713億1500万円/23年12月期

スマートフォンやタブレット端末の普及、
即日配送などのサービス拡充により
ネット通販市場は年々拡大しています。

楽天グループ株式会社においては、
EC(ネット通販)事業は好調。金融事業も好調。

赤字が続く携帯電話事業は単月黒字化を目指す。
グループ全体での赤字は続くが赤字幅を縮小。

電波が繋がりやすい周波数帯「プラチナバンド」の
商用サービスを6月27日に開始し、通信品質を改善。
ARPU(1契約あたりの月間平均売上)を向上へ。

旅行事業としては、
楽天グループ株式会社(旧・楽天トラベル株式会社)が
日本の宿やホテルと宿泊者を繋ぐマッチングサイト
「Rakuten Travel」を運営しています。


3位 ANAホールディングス株式会社
増収減益:売上2兆559億2800万円/24年3月期

高単価の欧州路線を中心に増便し、訪日外国人や
日本発のビジネス客の需要を取り込んでいます。

一方で、各航空会社が日本発着便を増やしたため、
座席の需給が緩み、客単価が下がっています。

コロナ禍で便が減ったことでコストを抑えられていた
機材整備費の増加もあり、最終減益になっています。

航空事業は、
ANAブランドを主軸としていますが、

近年では、東南アジアの経済成長に伴う
移動需要や旅行需要を取り込むべく、

日本と東南アジアを結ぶ国際線を中心とした
中価格帯ブランドとして
Airjapanという新ブランドも始めています。

また、短距離移動をメインとするLCCのpeachでは
低価格でシンプルなサービスを提供しています。

航空貨物については、
スペースに空きが出やすい昼間限定で
国内貨物料金を最大10分の1に引き下げました。

トラック運転手の時間外労働に上限規制が
適用される「2024年問題」を迎える中、
代替手段として航空貨物需要を掘り起こしています。


4位 近鉄グループホールディングス株式会社
増収減益:売上1兆6295億2900万円/24年3月期

近畿日本鉄道株式会社や近畿バス株式会社などの
運輸事業を主力としており、

物流配送、国際輸送、マンション分譲・賃貸、
百貨店、スーパーなどの流通小売事業も展開。
特に、マンション分譲が好調です。

グループの株式会社志摩スペイン村が
テーマパーク「パルケエスパーニャ」や
周辺施設のホテル志摩スペイン村、
伊勢志摩温泉ひまわりの湯の運営。

旅行・ホテル事業としては、
近畿日本ツーリスト株式会社や
クラブツーリズム株式会社が旅行販売を行い、

クラブ活動や会員特典が見放題使い放題の
サブスクの「クラブツーリズムパス」、
インターネット内のアバター接客サービス
「旅のアバターコンシェルジュ」も展開。

国内外にホテルブランド
「都ホテルズ&リゾーツ」全25施設や、
日本風情を味わえる旅館も運営しています。

24年6月、若井敬取締役専務執行役員が社長に昇格。
国際輸送や不動産など鉄道以外の収益源を育てる方針。


5位 東急株式会社
増収減益:売上1兆378億1900万円/24年3月期

交通(鉄道)事業を主力事業としており、
24年3月期はコロナ前に比べて
9割前後の水準に回復しました。

「選ばれる沿線」であり続けるため、
沿線価値の向上を目指し開発を進める不動産事業は、

渋谷駅周辺開発プロジェクト
「広域渋谷圏"Greater SHIBUYA"構想」を進め、
「働く、遊ぶ、暮らす」3要素の融合と
デジタル、サステナブルを基盤に相乗効果を創出。

2012年に開業した渋谷ヒカリエに続いて、
渋谷キャスト、渋谷ストリート、
渋谷ブリッジ、渋谷スクランブルスクエア、
2024年7月に渋谷アクシュを開業し、
2027年にShibuya Upper West Projectを推進。

その他、南町田グランベリーパーク、
東急歌舞伎町タワーなどの開発や、
マンション・戸建住宅ブランド、介護施設を展開。

また、グループの株式会社東急ストアや
株式会社東急百貨店などの生活サービス事業も好調。

ホテル・リゾート事業においては、
コロナ明けの利用者数回復が進んでいます。

2023年4月、「東急ホテル」「エクセルホテル東急」
「東急REIホテル」を運営する株式会社東急ホテルズと
リゾートホテルの「東急バケーションズ」を運営する
株式会社東急シェリングを合併し、

ホテル運営専業会社として
東急ホテルズ&リゾーツ株式会社を設立しました。

一方で、大規模な不動産販売の反動減、
賃上げや採用増に伴う人件費の増加で最終減益。

25年3月期から始まった3ヶ年中期経営計画で
27年3月期までに不動産開発やホテルなど、
非鉄道事業を強化し純利益700億円を目指しています。

➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
【経営の基礎知識】これさえ分かれば大丈夫!

[ 損益計算書(PL) ]

売上高(客数 × 客単価)
−原価   :仕入など製造原価、人件費など売上原価
−販売管理費:営業活動費、物流、広告、水光熱など
=営業利益

−営業外損益:銀行利息、為替損益、株式損益など
=経常利益

−特別損益 :突発的な損益、固定資産の売却など
−税金   :法人税、法人住民税、消費税など
=当期純利益

営業利益率(=営業利益 ÷ 売上)
5%〜10%で優良な経営状況
といえます。

年間の経営活動で得た当期純利益を
利益余剰金として自己資本(純資産)に加える。

ちなみに、自己資本(純資産)と、
銀行などから借りた他人資本を合わせた
「総資産」が会社のお財布になります。

自己資本比率(=自己資本 ÷ 総資産)
少なくても30%、50%以上で優良な経営状況。

◆-----------------------------------------
[ 貸借対照表(BS) ]

ROE(=当期純利益 ÷ 自己資本)
自己資本(純資産)は、返済不要な資産、
ROEは、自己資本利益率の略になります。
10%以上で投資価値
があると判断されます。

ROA(=当期純利益 ÷ 総資産)
総資産は、自己資本(純資産)+他人資本(負債)、
ROAは、総資産利益率の略になります。
5%以上で投資価値
があると判断されます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?