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英語の本を読む~Kindle Unlimited~Cozy Mysteryはいかが?

英語学習と洋書

英語の勉強を兼ねて洋書を読みたい!、という希望を持った学習者の方はたくさんおられるでしょう。私の学生時代は「洋書」「ペーパーバック」の入手自体がそこそこ面倒だったり高価だったりしたので、「洋書を読む」こと自体が目的になったりもしました。「ペーパーバックのガイド本」などが存在していましたからね。どんな洋書があるか?、自体が一般的な情報ではなかったのです。

インターネット時代が来てからは、とりあえず英文が読みたいならいくらでも入手出来るようになりました。それでも最初は学術論文、追ってニュースなど。それから一般人の投稿によるNews Groupやメーリング・リスト。並行して個人のウェブページ。

ADSL、そして光ファイバーとネット回線の高速化と、ウェブサイトの複雑化やSNSの台頭は表裏一体でした。やっと時代は「どうやって入手するか?」から「何を入手するか?」が問題となるところに到達したのです。

最初はAmazonだって、「これでカタログにさえ載っていれば洋書がラクに買える!」のが魅力だったんです。扱い品目は書籍だけでしたしね(笑)。この頃バリバリ海外からペーパーバックを買いあさった人はそれなりにいたと想像します。

私はSF、ミステリ、ホラー、音楽関係書などを漁っていましたね。元々海外の推理小説やSFが好きな子供だったので、「いつかは原文でも読めるようになりたい」という願望がありましたし、洋楽の歌詞が「聴いていて分かるようになりたい」と思っていました。洋画を見てセリフが聞き取れる、とか。圧倒的にビジネスに関係なく、「趣味を極めていくとそうなる」方向の欲望しかありませんでした。まあだから続いたんでしょうね。欲望に忠実だった、と(笑)。

学習者に適した洋書ってなんだろう?

このあたりは諸説あるでしょうから、個人の経験からいくつか。

  • 名作とよばれる有名文芸作品はハードルが高い。語彙、内容、文体などいろいろと学習が必要

  • SFは難しめの単語が多いことや造語も出てくることから語彙力を要する

  • ファンタジーは、日本語でファンタジー小説に慣れているなら悪くない選択。引っかかるのは主に語彙だろう。

  • ミステリは、作品にもよるが、会話が多かったり、論理的な展開をするため、比較的読みやすい

  • ノン・フィクションは専門語彙の壁を乗り越えれば比較的読みやすい。ただし関心を持てない分野の本は読めないだろう

  • 一部に言われるポルノ小説が適しているという説。先が気になって必死に読むからだ、と言われているのだが、これは性情報が氾濫していなかった時代の青年にしか当てはまらないような気がする

  • ロマンス小説もハードルが低い。途中分からない部分があっても、展開自体がある種のテンプレートなので、予測しながら読む訓練になる。ただ感情の機微を無視してロマンティックな物語が楽しめるかが問題

こうした諸要素を踏まえた上で、コージー・ミステリというジャンルはなかなかに「洋書を読みまくる」という多読・速読練習には適していると私は考える。

ちなみにコージー・ミステリとは、Cozy=居心地のよい ミステリということで、割合とリラックスした雰囲気で、ユーモアに溢れ、人は死ぬけど暗い話にはそれほどならない、という犯罪小説なのに気軽に楽しめる、という不思議なジャンルです。

イギリスで第二次世界大戦時に発祥した小説形式で、当時アメリカで流行していたハードボイルド形式の小説の反義語として用いられた。
ハードボイルドのニヒルでクールなイメージに対し、「地域社会が親密である」「居心地が良い」といった意味を持つ「コージー(cozy)」を使用し、日常的な場面でのミステリーであることを示す。
特徴としては
・探偵役が警察官、私立探偵などの職業的捜査官ではなく素人であること
・容疑者が極めて狭い範囲のコミュニティに属している
・暴力表現を極力排除していること
などがあげられる。

Wikipedia 日本語版 よりhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA

こんなスタイルの小説なので、登場人物が少なめです。つまり小説としても内容を把握しやすい。犯罪小説だけれど、いい雰囲気のお話にするため、登場人物達はたくさんおしゃべりします。もしくは主人公の一人称で内面を語りまくります。一人称小説は三人称小説よりもずっと読みやすく、感情移入しやすいのです。これも学習者向けですね。

なぜかCozy Mysteryは読み放題になりやすいらしい

そして決め手は、なぜかCozyなシリーズは、Kindle Unlimitedで対象になりやすいようなのですよ。もちろん読み放題には参加しない作家もいますが、好きな作品なら買えばいいのです。ここでは興味と学習のための多読を主眼にしていますから、まずは大量に存在する読み放題から手を付けてみましょう。

Cozy Mysteryと並んでParanormal Romanceも読み放題になりやすいようです。吸血鬼や狼男、魔女や魔法といった超常な存在をからめたロマンス小説。これも読みやすく没入しやすいのでオススメ出来ます。ただし若年層の学習には向かないかも知れません(汗)。

Amazonでミステリ・ファンタジー・ロマンスを探す時に、とても助けになるサイトがあります。私もこのサイトが無かったらCozyとParanormal漁りは出来ませんでした。

ここでは作者-シリーズ-各巻のまとめに加えて、「この作品が好きならこの作家も・・・」という推薦情報があるのです。これを参考にしながら、「Amazonでブラウズ」「Fantastic Fictionで作家プロフィールやシリーズ概要を参照」「Amazonで検索」「Fantastic Fictionで類似傾向の作家・作品を検索」「対象作品がAmazonで読めるか確認」・・・・というサイクルを行うと、ずるずると芋づる式に大量の作品を知ることが出来ます。

スタート地点としてオススメするいくつかの作品

Magical Midway Paranormal Cozy Mysteries (全8巻)

サーカスを隠れ蓑にした魔法使いという設定のお話

A Witch P.I. Mystery (全47巻) 既刊44巻読み放題

養父の家業を引き継いだ貧乏私立探偵の女性が、実は魔女の子孫で・・・。猫は喋るし魔法が使えるしで、さて、どうやって依頼をこなそう・・・、という物語。

A Lady Hardcastle Mystery (全9巻)

マーシャル・アーツの達人である未亡人が、穏やかな生活を求めてメイドと2人で田舎に転居。だがせっかく隠居したのに死体が現れて・・・。

このあたりの作品を題材に、Fantastic FictionとAmazonを行ったり来たりしていると、気になる作品が見つけやすいと思います。

さいごに・・・

いや~、上記作品群、設定だけ見ても日本のラノベやコミックに親しんでいればほとんど抵抗ないですね(笑)。そういう気分でバリバリ読んで、時々気になった表現や単語を調べてみる、でも普段は分からないところを想像しながら読み飛ばして、とにかく読了本の数を増やす。これに慣れていけば何故か英語力は上がります。

これを紙の書籍でやるとお金も保管場所も難儀なことになるのですが、読み放題なら途中で読書放棄してもダメージが少ないです。

恐ろしく引き付けられる作品だった、Maria V. SnyderのStudyシリーズなんてものもとても推薦したい作品なのですが、これは読み放題になっていないのですよね・・・・。一時期なってた?? ちょっと記憶があいまいです。

翻訳も出てます。

私はシリーズ1巻を翻訳で読んで、待ちきれずに続きを原書で読みました。シリーズの最初だけ翻訳で、というのは世界観の把握が済んでいるので続きがとても楽に読めます。原書にこれから挑戦してみようという方にはとてもお勧めの方法ですよ。

Brandon Sandersonのファンタジー小説「ミストボーン」も2巻、3巻は翻訳が待ちきれずに原書で読みました。原作1冊が文庫3冊という長編なんですが、あまりに面白いので一気に読めました。けれどこの作品は独自な世界観と用語が多発するので、最初から原語だと相当苦労したと思います。

それでは、あなたの洋書探求に幸あらんことを!

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