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【郷愁の木造旅館と威風堂々の共同浴舎。自分で名湯と名乗る湯にハズレなし】長野県湯田中温泉 まるか旅館宿泊記【おひとり様女子旅記録】


湯田中温泉は
天智天皇の時代からある大変古い温泉地です。

江戸時代、俳人の小林一茶もたびたび訪れた
湯田中温泉郷。

電車でのアクセスも便利である点が魅力的で
年に何度か訪れる大好きな温泉地のひとつです。

長野駅から長野電鉄に乗り換え。
電子マネーが使えるようになっていました。
とても嬉しい!

今回お世話になったまるか旅館さんは
以前からチェックしていたお宿。

私の大好きなボロいい温泉宿
いま風にいえば昭和レトロな雰囲気が
気になっていました。


終点、湯田中駅。
駅前。スノーモンキーで有名な
公園の最寄駅なので
外国人観光客がとても多いです。
寂れた温泉街の雰囲気。
亀の子になってる舗装。
キャリーバックが
容赦なくガラガラ音を立てます。
緩い登り坂。

途中、大好きな湯田中プリン本舗で
おやつ購入。

ここは来るたびに寄っちゃう。
フィナンシェも美味しいんです。
無人販売で、代金を箱に入れる仕組みなのですが
そそっかしい私は千円札と間違えて五千円札を箱にイン。

ぎゃー、すみませーーん!
と、叫んだら
すぐに奥からスタッフさんが出てきてくれて
対応してくれました…恐れ入ります…


芍薬が道に咲いてました。美しい。

かえで通りと呼ばれる一本道は
途中に何ヶ所も外湯の共同浴場がありますが
入れるのは地元の方のみ。
いわゆるジモ専。


今回宿泊したまるか旅館さんは
湯田中温泉でいちばん大きな外湯、
大湯の鍵を宿泊者に貸してくれます。

大湯に入ることができるのも
ここに宿泊したかった理由のひとつです。

湯田中温泉  外湯大湯。

「共同浴場番付」で、東の横綱になっています。

大湯から3、4件先に
まるか旅館さんの看板が現れます。


入り口。

建物は明治時代に建てられたそうで、大変レトロです。 湯治場の雰囲気にわくわくします。

賑やかなキャリーバックのおかげで
すぐ到着に気づいてもらえました、笑

案内してくれたご主人は
朴訥であたたかくて丁寧な対応。
もう、この時点でこのお宿が好きになりました。


玄関。
昭和の雰囲気がぷんぷんと漂います。
玄関脇の談話室。
本館1階の廊下を進んで別館へ。
本館から別館までの道中には階段や曲がり角が多くて
探検チックな要素を感じました。

案内されたのは
別館1階のお部屋です。

1階と言っても、2回階段を登ります。

本館に比べて別館は少し高い位置にあるようで「後から建築された感」がアリアリ。

お部屋の広さは8畳あって
畳の部分に加えて広縁がある豪華な造りになっていました。

すでに布団が敷かれていました。
この布団カバーの色もツボです…。

お部屋はとっても綺麗に清掃されていました。

広縁の木のテーブルセットも素敵

この木の椅子もまた座り心地が絶妙で。
ここに座って外を眺めながらお茶を飲んでいると
無限に時が過ぎていくように思えてきます。

広縁の隅には洗面所。
左側の扉はトイレだと思われますが
開けられないようになっていました。
豪勢なお宿だったことが伺えます。

早速、館内探検しつつ、お風呂へ。

タイルで造られた洗面台。

「まるか旅館」の館内は
本当にレトロ感に溢れていますが
きちんと手入れが行き届いてます。

古いものは手入れを怠ると 
どんどん劣化加速しますよね…。

タイルの階段があり、上がって行くと。


ここまで絨毯張の床だったのに
いきなりタイルの階段

石を敷き詰めた造りの廊下に
木製の歯車が埋め込まれています。
 

素敵すぎます

浴室は本館と別館の間にあります。

浴室入り口。
奥の階段から先が別館です。   

入り口の扉の札を裏返しにして
貸切で利用します。

すりガラス。
脱衣所内着脱のシルエットが見える事
間違いなし。
脱衣所。

左側の木の扉を開けたら
いきなり庭で驚きました、笑
(開けてはいけない)

浴室へのガラスの扉をオープン。

 角が丸みを帯びた長方形の浴槽に
なみなみと注がれる温泉は
源泉3本のブレンド湯です。

浴室もレトロです。
浴槽も床もタイル貼りです。

 

タイルの古びた感じや
乾いたタイルが温泉で濡れて
変色している様子が
レトロ感を際立たせています。

全体的に淡い色使いになっている点も好きです。

湯船の中だけは優しい水色になっていて、
聞こえてくる外からの音はほとんどありません。


浸かるとざぶーんと源泉が溢れます。


浴室の窓からは立派な庭を眺めることができます。
温泉の供給設備のようなもの。
実に柔らかく、しっとりする泉質です。
源泉は熱めですが
水で適温にできます

この内湯の雰囲気が良すぎて、 滞在中は何度も入りに行ってました。


共同浴場番付が掲示されています。

湯田中温泉でいちばん大きな外湯の大湯が
「共同浴場番付」で東の横綱になっています。
このまま大湯へ行ってみることにします。

玄関からの廊下と、本館2階へと向かう階段。
この階段周辺の雰囲気が私は大好きです。
特に階段の古びた感じがもう最高。
階段の片方が壁、
片方がそのまま空中になっている
昔ながらの構造といい 天井の感じといい
たまらない要素です。

玄関周りに写真撮りたくなるようなものが
たくさん…。

家紋の入った箱のようなものなどが飾られています。
亀さんや、蜂の巣などが 飾られています。

玄関にある「大湯セット」をお借りして、共同浴場大湯へ。

共同浴場といっても
入ることができるのは地元の温泉組合員と宿泊者だけ。

カードキーと石鹸やシャンプーなどの温泉セットも
一緒に借りられるという親切さ。


大湯セット。


湯田中温泉は
天智天皇の時代からある大変古い温泉地だそうです。
地表近くから湧き出す温泉が多く、
源泉が街中のあちこちにあるそうです。


浴衣に下駄で。楽しい。
カードキーを差し込むと
解錠します

大湯の建物は趣ある造りで
高さのある天井は開放感があり
湯船は、熱めの湯(左側)とぬるめの湯(右側)の2つに仕切られています。

温泉の良い香り♨️


ぬるめの湯でもかなり熱い…
熱めのお湯は入れないことはないのですが
私には2、30秒が限度でした。

ぬるめのお湯がゆっくり入るには適温です。
それでも長湯はできないので、出たり入ったり。

1番奥が温泉注入口
1番熱いと思われるところから
1番遠いところで沈没中。
手をつけたら火傷しそうだった

汗だくになったので周囲を散策。

お宿の隣の梅翁寺境内には
湯けぶり地蔵さんがいらっしゃいます。
びんしゃん地蔵さんって言うんですって。

足湯につかった御地蔵様
手拭いにお湯をつけて
お地蔵さんを撫で撫で。

足湯もお隣にあります。

湯田中温泉足湯「梅翁足湯」
大湯に行く前に覗いたら
若い男性集団が足湯に浸かっていました。
帰りに寄ったら周りにたくさんのタバコの吸い殻が…
とても悲しくなる。

回収できる袋とか持っていなかったので
吸い殻は足で隅の方に避けて来ましたが。

こういう観光客のマナーの悪さのせいで
どんどん良いところがジモ化されちゃうんだよ!と何とも言えないモヤモヤを抱えて帰還。

お部屋に戻ると
ちょうど夕陽が沈む頃でした。

思わず畳の上に座って
見惚れてしまいました。
マジックアワー

温泉効果で、あっという間に寝落ち&爆睡。

する音といえばお寺の手水舎から湧く温泉の音と
上の階のお部屋の軋み音。大いに風流。

大きな窓と大きなお部屋で暖房器具ナシだったので、夜は寒いかと思いきや
4時ごろ目覚めるまでポカポカでした。

24時間入れるお風呂はありがたいです。
目覚めのワンショット風呂へ行きました。

ガツンと熱く、ちょっとぬるっとした肌触り。
湯上がりの肌はしっとり、気分はしゃっきり。
 
翌日は午前中から雨予報だったので
雨が降り出す前に電車に乗りたいと思い、
朝食は早めの7時前にお願いしました。

時間になると内線電話で呼び出してくれます。
朝食は別室で。

本館と別館の間の最初の階段を上がると
部屋だけ独立した部屋があります。

もともとは客室として使われていたようですが、
今はここ、食事部屋としているようです。

鶯の間。
朝食はこのようにセッティングされてました。
 旅館ならではの、全品がおかずとして強力な内容!
窓の外の清々しい景色とともに いただきます。


めちゃくちゃ古いと思われるエアコン。

お櫃のご飯が艶々!
おかずも全て手作りで
手間ひまかけたと思われます。
あたたかな朝食に大満足です。

旅館の朝食は 
ご飯が何倍あっても足りないと思うのですが、笑
今回も美味しいおかずとともに
気持ちよく満腹になれました。


食後、もう一度大湯へ。


熱いっ!良いっ!
名残惜しいけど
上がります


湯田中駅から徒歩圏内という点が
大変魅力的な湯田中温泉郷。

その温泉街のほぼ中心にあって
有名な湯田中大湯にも入りに行くことができるし、
内湯ももちろん良いお湯で、一石二鳥のお宿。

女将さん、ご主人、若旦那さん、
みなさまに親切に対応していただけました。

時間を大事にできる良いお宿だと感じました。

心が和む静かな時間を
思い切り堪能することができました。


長野県 湯田中温泉 まるか旅館
泉質:ナトリウムー塩化物泉 
     硫黄泉(三本の源泉ブレンド)
入浴可能時間:24時間
2024年6月1日(土)宿泊  朝食付き 
7,750円+入湯税150円

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