ボドゲのインストにはコツがある!
ボードゲームをたしなむ人の中にはインスト好きな人もいると聞きます。
すごいなその人。
みなさん、ボードゲーム、楽しんでますか?
おなじゲームを何度も繰り返すのも楽しいですが、世界には無数にボードゲームが存在します。
それならいろんなゲームをやってみたくなるのが人間です。
最近の電子ゲームはチュートリアルが充実しているのであらかじめ操作やルールを教えてもらえるのですが、アナログゲームはそうはいきません。
カードや駒がテーブルに並べられて「さあどうぞ」となるわけです。
そこで居てほしいのは先人ですね。
徒然草でも「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり」という有名な一文がありますね。
先人が長年の経験から蓄積した知識を教えてくれるなんて、それ以上に助かることもありますまい。
そすーまん!は学生時代に学校非公認のボードゲームサークルに所属していたこともありボードゲームへの造詣はそこそこあります。
とすると、私が初回の説明をする機会が抜群に多くなるんです。
楽しいけど大変なことも多い、やりがいのある仕事です。
この初回の説明のことをボドゲ界隈では「インスト」と言います。
instractionのことで、「教え」なんて訳されますが要はゲーム開始前の導入のことです。
このインストには決まりきった方法がなく、ゲームによっても説明者によっても様々です。
初心者を引き込むにはインストは必須なのですが、やり方によっては初心者が離れてしまう理由にもなってしまうのです。
これがボードゲームの難しさのひとつだと考えるボードゲーマーも多いのではないでしょうか。
今回はボドゲのインストにおけるちょっとしたコツをまとめて紹介します。
相手のボドゲ歴を知る
インストの聞き手は毎回変わります。
ボードゲームを年に何度か遊ぶ人もいれば、トランプしかやったことのない人もいるでしょう。
そんな人たちへ毎回同じ説明をしても上手く伝わらないことも多いです。
まずはボードゲームへの理解度を聞いてみましょう。
似たようなゲームをプレイしたことがあるなら説明はかなり楽になります。
もし完全初見だった場合はガンガン進めないように、様子を見ながら説明しましょう。
これが一番難しいけど、一番大事。
ルールブックを通読する
ボードゲームにはルールブックが付属しています。
家電などであれば説明書なんか読まないよって人もいるでしょうがボードゲームは適当に触っていてもゲームになりません。
大抵のゲームは「ゲームの流れ」みたいな項目があるので、インストではそこをなぞってみるのもいいでしょう。
何度か遊んだことがあれば、細かいルールにも目を通しておくといいでしょう。
慣れた人や鋭い人からはインスト中に質問が飛んでくることもあるので、ある程度は答えられるようになっておくとスムーズです。
複雑な処理の場合はルールブックを読みながら説明しても良いですが、インストに時間をかけると聞き手はうんざりするかもしれません。
上手くごまかすときは「これは後述します」と言って逃げるのも作戦のうちです。
あとで調べてちゃんと回答することは忘れずに。
先に勝利条件を提示する
理解を早める近道として、世界観や勝利条件を提示することがあります。
すごろくならゴールに先に到着した人が勝ち
ババ抜きならjokerを最後まで持っている人が負け
みたいなことです。
すると目指すべき地点を意識しやすくなるので、自分のターンで何をすべきなのかがクリアになりやすいです。
よくわかんないけどこのカードを集めればいいんだな、とふんわりプレイするより
このカードを集めたら勝ちって聞いたからいっぱい集めよう!と意識するのはちょっとの違いだけど、プレイングに差がでるかなと思います。
ドミニオンなら
ワイは小さい地域の領主様や!
公領や属州みたいな他の土地をバシバシ買って成り上がったる!
という具合です。
ゲームの目的を把握できていれば何をすればいいのか明確で良いですよね。
ここを理解できていれば
土地を買うにはお金と協力者がいるからアクションカードとお金を集めるんやで~
と自分のすべきことへの理解が深まるはずです。
(超・余談)
電子ゲームでも同じようなことがあって、敵を倒すのが主目的のように見えて実は相手の行動を邪魔して仲間に倒してもらうのが強い行動だったりします。
これは完全な勝利条件とは違いますが、勝利条件から逆算して組み立てるのが似ているように思います。
説明は順序立てて少しずつ
ボードゲームにはややこしいルールもつきものです。
Aが発生したとき、BとCに分岐するが、このとき場にXがあればCの処理を行う。ただし例外的に相手が手札のPを公開したとき…… みたいな場合分けが必要なこともある。
ゲーム進行に欠かせない要素だったり、ゲームの醍醐味だったりすることもあるけどややこしい説明はあとでいいです。
とにかく基本のキだけを教えましょう。
余計なことを考えながらプレイして???ってなってるのが一番面白くないです。
覚えることは相手の理解度を見ながら、徐々に進めていきましょう。
これに関連して、インストのなかで攻略法を先に教えないこと。
先に「これが強いよ!」って教えてしまうと自分で考える楽しみがなくなって作業のようになってしまいがちです。
最初から勝ちたい!負けたくない!って気持ちもわかるのですが、そんなことは頭にドのつく天才でないと無理です。
勝つことも大事ですが、楽しむことを覚えてもらいましょう。
実際にやってみる
私がよく抜刀する伝家の宝刀がこれです。
わーって説明したあとに、じゃあちょっとやってみましょう。っていうあれです。
カードやコマの動きを実際に見たり触ったりするのは効果的です。
説明がお上手であれば順序立てて説明するときに見せる方法でも大丈夫です。
私は説明がしっちゃかめっちゃかになるので、説明のターンと触ってみるターンを分けています。
結局、プレイしながら説明するので二度手間ではあるのですが理解度チェックにも使えます。
それから、指を動かしながらだと刺激が多くて覚えやすいのかもしれません。
知育玩具といっしょですね。
失敗を怖れない
はっきり言ってインストは難しいです。
小学校の先生ってこんなに大変だったのか…と思うこともしばしばです。
だけど、インストから逃げてはいけません。
いま目の前にいるボードゲーム初心者はあなたにとって永遠のボドゲ仲間になるかもしれないのです。
ボードゲームを買うときに友達は付属しません。
そこに居る貴重な人材を育てるも逃がすもあなた次第です。
大丈夫。インストはやればやるほど上手くなります。
私もドミニオンは何度も説明してきましたが、最近は比較的すんなり聞いてもらえるようになりました。
礼拝堂が強いとか商人が実はイマイチとか、そんな説明はあとで良いと気付くには紆余曲折あったわけです。
ニムトも面白いのですが、あれは口で説明すると激ムズなのでとりあえずやって覚えてもらうのが早い。
カタンは……勉強中です。重いゲームはやっぱり難しいです。面白いんだけどね。
インストの失敗は誰でもあります。
怖れず果敢に攻め込むのが一番の早道です。
実際のところ、インストは楽しい。
私もボードゲーム会を開催するときは一個をノルマにしてインスト力を磨きます。
いっしょにがんばりましょう。(そ)
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