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読書家のニュータイプ

 私の周りに今までいなかったタイプの人間が増えてきています。

 それは本を読む陽キャです。

 私は幼いころから本をよく読む人間でした。

 妹も同じで、小学生のときは一駅向こうの図書館まで電車を利用してふたりで行っていました。

 それから今までいろんな読書好き本好きに出会ってきました。

 控えめな人、陰で口の悪い人、思考が深い人、繊細な感覚を持つ人、ヤンキー。

 ひとくちに読書好きと言ってもいろんなパターンがあるのですが、私の周りの人間はなんとなくパターンに当てはめられていたように思います。

 それが最近、読書を趣味としている人で私がこれまで構築してきたパターンにはまらない人間が現れ始めたのです。

 それが陽キャ。

 ヤンキーとかクズみたいなタイプの読書好きはぼちぼちいたのですが、陽の陽キャみたいな明るいタイプで本も読んでいる人は初めて見たかもしれません。

 彼は小説も漫画も好きだし、スポーツも毎週末楽しんでいるらしくてもう眩しくてたまりません。

 私みたいな友達0人読書好きと違っていろんな情報に明るいわけではなく、好きな作家の一本槍で貫けているのもすごい。

 陰の者からすると趣味って突き詰めないといけないと思ってしまうので
あの作者の本が好き
→じゃああの作者が影響を受けたこっちも読まないと
→こっちに手を出すなら時代をよく知るためにそっちも読まないと…
 という具合に手を伸ばす範囲が際限なく広がっていくんです。

 これは控えめさんも繊細さんもヤンキーさんも同じ傾向の人が多かったと思います。

 陽キャはもうそのあたりの考え方からして全然違う。

 陽キャ君が好きと言っていた作家のインタビューが載っている雑誌を見せてみたり、新刊情報を話すとすごく驚いてくれて面白いのですが、私からすると好意と行為がどこかアンバランスで見ていてすごく不思議です。

 突き詰めて貫かなくても好きでいていいんだなってのは意外と盲点でした。

 いにしえのヲタクと今の若者は求めているものも求められているものも全然違うのでしょうね。

 私は今更ライトに生きることは難しそうなので偏屈な人間として走り続けるつもりです。

 世界に取り残されたって、私はステレオタイプな読書好きでいることでしょう。

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