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ま!(そすーまん!)の記事

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#小説

秋期限定栗きんとん事件 感想

 また読みました、小市民シリーズ。  上下巻あるのでゆっくり読もうと思っていたんですが、上巻は3日で、下巻は6時間くらいで読み終わってしまいました。  長編なので続きが気になってしょうがない。  上巻を読み終わって、仕事の休み時間に下巻を買いに自転車に乗りました。それくらい面白い。  夏期限定で袂を分かった常悟朗と小佐内さんはそれぞれ別の人と付き合うようになり、これまでは常悟朗の一人称で進んでいた物語はサブ主人公の瓜野くんの視点も交えながら進みます。  この瓜野くん

「君の物語はおもしろくない」に感謝して生きています

 少し前、私は小説を創作することを趣味にしていました。  もし運が良ければそれで生きていけたらいいな~なんてことも考え……妄想したこともあります。  趣味で文字を編んでいる人たちの中にはそういうことを考えている人も多いかと思います。  だって憧れるじゃんね、印税で暮らすの。  だけど今はもう物語を作ることはやめてしまいました。  や、なんだかんだでおはなしは作っていはいるのですが「小説」という媒体からは離れてしまいました。  憧れはもちろんあります。  本を読む

いにしえのギャンブル・闘蟋🦗

 とあるSF小説を読んでいるとき闘蟋なるものがあることを知りました。  読めます?闘蟋。  「とうしつ」だそうです。  闘牛とか闘鶏の仲間です。  牛とか鶏とかは知ってるけど、蟋ってなんだよって思いますよね。  蟋蟀、コオロギです。  英語で言えばクリケットです。  イギリス発祥のスポーツにクリケットがありますが、それとは違います。  もし闘蟋が英語圏にあれば「バトル・クリケット」になるのかな?  知らんけど。  この闘蟋、元は1200年ほど前の中国で誕生

競馬をめぐる物語って良いもんですね…

 優駿を読み終えました。  上巻については以前書いたとおり。  この記事で「人間~~!!」と唸っているのですが、下巻も「人間~~!!」でした。  凄まじい。  生が迸っている。  ウマのクロが生まれ、オラシオン号となり、ダービーを制覇するまでの3年間。  たった3年で人は出会い、変わり、死ぬ。  それだけなのだけど人間にはドラマがありました。  上巻はオラシオンを取り巻く人々の起~承までが描かれ、上手く惹きこまれました。  下巻は私たちの見ていた彼ら彼女らが向かうべき

小説『優駿(上)』の感想を書き損ねた

 noteのネタが枯れ始めるとライフワークの読書を題材にしがちなのですが、その中でも読書感想文は比較的書きやすいと思っています。  自分の頭の中にあることをお出しすれば足りるので、細かい裏付けとか確認しなくてもある程度ババッと書けてお手軽です。  いつか出そうと思っていた感想のうちのひとつに『優駿(上)』がありました。  下巻を読んでから…と思っていたフシもあり、なんとなく出せずにいたのですが、まさかのタイミングで事故が起きてしまいました。  2024年4月10日にJ

AIが怖い話を書いた。私は推敲した。

 AIにホラーを書いてもらった記事の続きです。  公開当初は初動が良くなくて、前後編にしなければよかった…と思ったのですが、昨日見たらそこそこ読まれていたのでウキウキと更新します。 前回のおさらい ChatGPTに50字以内で怖い話を書いてもらいました。  それを私が推敲します。  いま思えば、AIがリライトする場面が多いなか、AIへのアンチテーゼみたいなことしてるなって気付きました。  邪な意図はありません。本当に。  前半は良いですね。しっとりしたゴシックホラーの気

【小説】おバカの国

 あるところに、おバカの国がありました。  その国にはばかしょうじきな人たちしか住んでいなかったので、ほかの国から「あいつらはバカだから相手にしないほうがいい」と笑われていました。  けれど、おバカの国には住んでいる人たちは幸せでした。  しょうじきに生きることほど正しいことはないとしんじていたからです。  ところが、それをよく思わない人がいました。  おバカの国のとなりの国です。  その国にはたくさんの学者たちが住んでいたのですが、おバカの国にとなりあっていると

【小説】神代の朝の秘密

 とおいとおい昔のお話です。みんなのおじいさんやおばあさんが生まれるずうっと前、人間と神様には見た目の違いがありませんでした。  神様のなかでもえらい者たちは空まで届くような山で暮らしていましたが、人間たちの住んでいる町や村にもたいていは神様が住んでいて、人々を守ったり、ときには村人へいたずらをしたりと仲良く暮らしていました。  今では当たり前にある「時間」というものも、むかしはまだ発明されていませんでした。  それというのも、わたしたちの住んでいる世界には元々、真っ暗

AIが怖い話を書く。私は推敲する。

 ChatGPTさんにお願いしてみた。  「50文字以内で怖い話を10個書いて!」  知ってるよ。ChatGPTは文字生成ツールじゃないってことは。  翻訳や要約が本業なんでしょ。知ってるよ。  でも出来るんだったらやってみたいじゃん。  だからやるんだよ。  数秒で出来るし。  ついでに推敲もしてあげるよ。お節介だよ。 以下、真面目にやります。 そりゃもうびっくりするくらい真面目に。  始めの一文はいいですね。枕元に立つ影。ホラーのお約束。  問題はその先。  クロー