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いにしえのギャンブル・闘蟋🦗

 とあるSF小説を読んでいるとき闘蟋なるものがあることを知りました。

 読めます?闘蟋。

 「とうしつ」だそうです。

 闘牛とか闘鶏の仲間です。

 牛とか鶏とかは知ってるけど、蟋ってなんだよって思いますよね。

 蟋蟀、コオロギです。

 英語で言えばクリケットです。

 イギリス発祥のスポーツにクリケットがありますが、それとは違います。

 もし闘蟋が英語圏にあれば「バトル・クリケット」になるのかな?

 知らんけど。

 この闘蟋、元は1200年ほど前の中国で誕生したものらしく、思った以上に歴史がありました。

 内容は読んで字のごとく、コオロギたちが戦うもの。

 私は爬虫類を飼っていますが、人工餌と冷凍マウスしか所持していないのでコオロギは飼育していません。

 コオロギのことはよく知らないので、共食いとかするんだったら凄惨な現場になるんじゃないかと想像してしまいました。

 ところが、コオロギバトルはそうでもないみたいです。

 体当たりをしたり、触覚をぶつけたりすることはあるみたいですが強靭なアゴで噛みついて対戦相手の足をもいだりすることは無いようです。

 じゃあどうやって決着するのかといえば、勝ったコオロギが羽を震わせて鳴くんだそうです。

 「うお~やったぞ~」みたいなことでしょうか。

 負けはコオロギはすごすごと去っていくらしいので、コオロギの間では明確な勝敗があるのでしょう。

 調べてみてもその要因がよくわからなかったので調べてみると、6年ほど前に書かれた論文を見つけました。

参考:愛媛大学教育学部「コオロギ相撲の教材化」(平成18年6月2日)

 隅々まで読んだわけではないので細かい内容には触れませんが、闘蟋を小学生に体験してもらう実験がありました。

 その中には児童の感想も掲載されていて「コオロギ博士になれて嬉しい」「私のコオロギは逃げてばかりです」のような可愛らしいものがたくさんありました。

 その中には「勝ったかよくわからなかった」という感想もありました。

 やっぱり相手を瀕死に追い込んだり、ライバルたちに差をつけてゴールしたりしないとわかりにくいのかなと思いました。

 勝ったコオロギが羽を震わせる程度では見た目も派手ではないですし。

 実際に見てみると意外とわかりやすいのかもしれません。

 この先の人生で闘蟋を遊ぶ機会があればぜひやってみたいと思います。


 それにしてもSF小説で闘蟋なんてものが登場するとは思いませんでした。

 競馬でもカジノでもなくコオロギバトルとは、なんともディストピアだなあ。

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