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銭湯物語⑳

【どて兄ちゃん】
ウチの名物に『どてやき』がある。
モツを開いてひとつづつ手洗いし、食べやすい大きさに切って
たんびアクを取り
半日以上かけて煮込む。
手間ひまかけた天使自慢の一品だ。
くさみもなく、モツもトロけるように柔らかく美味しい。

ある日『どて丼』を食べたお客さんが
「このどて めちゃくちゃ美味しいですね!」と褒めてくれた
そして次の日も
「このどては何がいいって、他の店で食べると蒟蒻のが多いけど、ココはモツのが多い!」
と大絶賛。
その後毎日のようにどてを食べに来てくれるようになった。
来るたび褒めてくれるから天使も嬉しくなっちゃって
「どて兄ちゃん」とあだ名をつけた笑
どて兄ちゃんは毎回彼女と来ている。毎日のように来てくれるから
2人とも少しづつ喋るようになった。
毎回お風呂から出た後、座敷で彼女がマッサージしてあげてるのを見てホッコリしていた。
ある日
「いつも彼女にマッサージしてもらってて羨ましいな〜」って声かけたら
「…実は僕、難聴になっちゃって
毎日シャワーで、風呂に入る習慣がなかったけど
医者に勧められて通うようになって、血行を良くする為にマッサージしてもらってるんだ〜
通ううちに少し良くなってきました」
で 彼女が
「治ったらディズニーに連れてってくれる約束なんです!」
って
えー話や〜(о´∀`о)
ホッコリ×10♡
早く完治するといいね。

そして数日後
「だいぶ難聴も治ってきました」
って報告され喋ってたら、
「コレもストレスからだったのかなぁ〜 もうそろそろ僕も定年だし。仕事辞めようかなと思う」
って
えっ‼︎‼︎‼︎
定年‼︎‼︎‼︎
えっ‼︎いくつ‼︎
えっ‼︎うそっ‼︎
おえええぇぇぇ???

「えっいくつ?」「58です」

(O_O)(O_O)(O_O)(O_O)(O_O)

今年1番の、ビックリかも
30代のカップルと思ってた
見えない見えない見えない
見えない見えない見えない
見えない見えない見えない

彼女にも聞いてみたら
本当らしく
「白状しちゃいました?笑」って
で、彼女は見た目のままの30代で
「2回りぐらい違うんです」ってゆーじゃない!!!!!!

「彼のどんなところが好きなの?」って気になって聞いちゃったら
「実は私の一目惚れで、アタックしたんです」って

えええーーーーーーーそっち?

「結婚はしてないんだよね?」
ってぶしつけながら聞いたら
「彼が、私にはもっと相応しい人がいるからって…
でも、私は彼を看取りたいんですよ…笑顔」って


韓ドラですか。
じいぃぃぃーーーーーーん。

(TT)(TT)(TT)(TT)(TT)(TT)(TT)

涙出そう。

いい話聞いてしまった。

2人は愛に溢れていた。

素敵すぎ。

あ〜〜〜幸せありがとう。

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