見出し画像

Moshを使って徒手療法のオンラインセミナーを告知してみた備忘録 2022.4

さる4月22日、私にとって初めてのオンラインセミナーをやってみました。
…いまさら?という感は否めません。

コロナ禍を経てオンラインは花盛り。
むしろ動画で情報を仕入れたり、動画から学びを得るのは空気を吸うのとおなじ感覚になっています。

そこで私も Mosh という告知媒体を使ってオンラインセミナーをしてみたので備忘録として想いを綴っておきます。

私がオンラインセミナーをしなかった理由

なぜ今さら、というやらなかった理由を記すと、
マッサージなどの徒手療法は「相手にふれる感覚」が最も大切。
それをオンラインでは到底伝えきれない、という暗黙の認識がありました。

え?
YouTubeで○○療法のやり方の動画ありますよね…。

はい、その通りなんですが、
動画をみて真似をして、相手がケガをしたり自分が体を痛めたりしたら元も子もありません。

何かを学ぶということは、原則、受け取る側の自己責任です。
しかし、リスクを避けるという観点から見れば、
発信する側も「できることとできないこと」をきちっと分けておく必要があります。

世間の認識はあいまいですが、
マッサージを仕事にするには厚生労働省の免許が必要です。
資格を持つものとして間違ったことを発信してはいけないという心構えから、私のなかに「できないこと」のなかにオンラインセミナーがありました。

私がオンラインセミナーをする理由

悪貨は良貨を駆逐する、という言葉があります。
残念ながら、いまの日本では体のことを十分に勉強しないまま手技を行っている一部の人たちもいます。

そしてそれは、コロナ禍で加速しました。
いろんな立場の人が動画配信をすることによって。

受け取る側は
・見栄えがよくて
・耳障りのよい音楽があり
・よく目に触れる
ものであれば、いつの間にかそれが当たり前になってしまいます。

徒手療法の目的がリラクゼーションであれ、相手の症状を改善に導くものであれ、まずは解剖学、運動学といった基本的な知識を身につけること。
そして適切な指導を受けて十分なトレーニングを積むことで安全に施術を提供できるようになります。

そのために何を伝えるかを考えた結果、
施術者自身の体の使い方を細分化して発信しようという考えに至りました。
そのための知識であれば、自分自身で試行錯誤できます。

実際に施術を行う内容ではなく、その手前。
野球に例えれば、試合に出るのではなくて
素振りやキャッチボールを上達させる、そのための体の使い方を伝える試みです。

タイトルは「いまさら聞けない体幹のつくり方」

姿勢と動きの解剖学というシリーズ名を掲げて、
まずやるべきは、施術者自身の姿勢はどのようなものか、気づいてもらうことでした。

多くの場合、徒手療法は専門学校の授業やセミナーで学びます。
その現実として「おなじことを習ったのに結果がまるで違う」という事実があります。

Aさんにはできて、Bさんはできない。

それが徒手療法の面白さでもあり、初学者がつまづくところでもあります。
かつては「10年修行して一人前」と言われる業界でしたが、もはやそのような時代ではありません。

どうやって時短して(効率的に)手技を身につけるか。
このテーマに基づいて、解剖学や運動学の視点からオンラインセミナーを行うことに決めました。

自分の体の使い方を極める
この動きをする時はどんなふうに体を使うとよいのか?
これは、私自身が社交ダンスを趣味としてきたテーマと共通しています。

セミナーのスライドをシェアします

ここから先はオンラインセミナー当日、使用したスライドの共有です。
先に結論をお示しすると、体幹の使い方として意識してほしい部位は【背中の筋肉】です。

これは一番伝えたいこと。

セミナーのゴールはこの3つです。

まずは、次のスライドのように立った状態で体重を前後に移動します。
その時にどこに負荷がかかるのかを体感します。

ほとんどの人が、踵に体重を乗せると太ももの前側に力が入ったり、思わず腕を前に出したりします。(イラスト左)
反対に、つま先に体重を乗せると背中やふくらはぎの後ろ側に力が入るのが感じられます。(イラスト右)

次のスライドは、姿勢を支えるための筋肉を示したもの。
姿勢を支える筋肉を抗重力筋(こうじゅうりょくきん)と言います。
その名の通り、重力に抗って(または重力と調和して)まっすぐ立つ、座るために背骨を支えている筋肉です。

背中や腰が痛いときは背中の筋肉(脊柱起立筋)だけを押したり揉んだりすれば楽になると考えられていますが、実はそうではありません。

背中の筋肉とおなか側の筋肉は、コインの裏表。
腹直筋や腸腰筋と言った体の前面の筋肉を緩めることで腰が楽になるケースもあります。
とくに反り腰の人は大腿四頭筋が硬くなっているケースが多いので、ここを緩めてみてください。

一番伝えたかったことは背中の筋肉のマッピング

今回のオンラインセミナーで最も伝えたかったことは、筋肉のマッピングです。背中の筋肉は大まかに言うと三層構造になっているということです。

  • 表層は 僧帽筋や広背筋(イラスト右)

  • 中間層は 腸肋筋、最長筋(真ん中)

  • 深層は 横突棘筋(イラスト左)

この3種類の筋肉はそれぞれ役割が異なります。
どの筋肉がどのように体を動かすか。
ここをきちんと理解できると、体幹の使い方がググっと変わります。

理解しておきたいのは筋肉の走行。
②中間層の腸肋筋、最長筋、①深層の横突棘筋は縦に走っていますが、③表層の僧帽筋、広背筋は横方向に走っています。
筋肉の走行が異なることで、筋収縮に伴う体の動きも変わってきます。

【この動きをするときには、ここの筋肉を意識する】
地図に印を打つように、自分の体(この場合は背中の筋肉と骨)をマッピングできることが、施術者にとって技術の差を生み出すことにつながります。

もう一歩、踏み込んで伝えたいこと

ヒトは一人ひとり身長も違えば体格も異なります。
いわば「体」=「のりもの」です。

車に例えると
それが軽自動車なのか、ワンボックスなのか。
はたまたトラックなのか…

手技療法を行ううえで、自分自身の骨格と筋肉を理解することは必須です。

生まれてこのかた、体の使い方は人それぞれ異なります。
日頃、どんな姿勢で座っているのか。
どんなスポーツをしてきたのか。
それによって体の使い方にクセが表れます。

そして、私の場合は(右腕はこのように使う)という個人差が生まれます。

スポーツ選手にコーチやトレーナーがいるように
徒手療法を志す方にも、その人に相応しい体の使い方ができるためのコーチングが必要と考えています。
そしてそれは、専門学校の授業の範囲では時間的な限界があることも事実です。

自分の利き腕がどちらか
(右利きなのか左利きなのか)は皆さん、当然知っているはずです。

それ以外に基本的なことだけでも列挙しておくと

  • 利き目(左右どちらで見ているか)

  • 軸足(どちらの足に体重を乗せやすいか)

  • 左右の肩甲骨の位置(肩まわりの力の入りやすさ)

  • 体重移動に伴う体のねじり方(左右の傾きやすさ)

  • 初動のときにどこから動き出すか

日頃からどのように体を使っているのか、
無意識にしてしいる体のクセを知っておく。

このことを詳しく理解するためのセミナーも、いずれリアルで開催したいと考えています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

最後にお知らせ

ちょっとだけ、宣伝させてください。

お知らせ その1
4月22日に行ったオンラインセミナーのアーカイブ(約60分)があります。
視聴したい方はクリエイターまでご連絡ください。Twitterのメッセージでも受付しています。

お知らせ その2
この記事を読んで体の使い方を知りたくなった方は、オフラインセミナーに参加しませんか。
画像をクリックするとMoshの告知ページ(リンク先)に移動します。
ただいま、6月4日開催分を受付中です。

physical, mental, spiritual and social well-beingに生きるお手伝いをしています。2020.3に独立開業しました。家族を大切にし、一人ひとりが生き生きと人生を楽しめる社会が訪れるといいなと思いながら綴っています。