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レーザーカッターのパラメーターについて

■レーザーカッターは切るだけじゃないんだぜ

こんにちは、チャン・キナニンジャ(@ninnin217)です。
レーザーカッターって名前がカッターなだけあって切るための機械とも思われがちですが、他に彫刻をすることができるんですね。
そしてそこにはパワー・スピード・ヘルツ・PPIなんじゃそれ?っていう謎の数値が存在しています。
今回はその数値についてのお話し。

■レーザーカッターのパラメーターの意味

さて、ちょっとだけ難しそうな話が展開されそうな予感がしてきたことかと思いますが、できるだけ簡単に話していこうと思います。ご安心ください。

レーザーカッターはそもそも素材に対してカットや彫刻を行うことが出来る機械なんですね。そしてカットをするにも彫刻をするにもそれぞれ設定すべき数値がある。ただそれだけのことです。

■カットのパラメーター

カットする時に設定する数値は基本的に3つ
パワー/スピード/ヘルツですそれぞれを見ていきましょう。

パワー

その名の通りです。どれくらいのエネルギーで切るのかということ。素材が分厚ければそれに比例してこの数値も高くなります。

スピード


スピードはレーザーカッターが動くスピードのこと。ゆっくり動くことでとレーザーが素材に照射されている時間は長くなりますのでその分素材にレーザーのパワーが伝わります。

ヘルツ(Hz)


これがちょっと難しいかも。内容はとりあえずいいやって人は、素材によってこのヘルツという数値は適正な値が変わるんだよ!くらいに思ってもらえれば◎

まず周波数について。周波数とは漢字を見ればなんとなくわかる通り波の数です。電気信号って波のようにウニャウニャと動くんですが、周波数とは単位時間あたりに繰り返すこの波の振動の数のこと。
で、ヘルツはその単位時間を1秒とした時の振動数を指します。

文字で見ていても難しいですね。図解するとこんな感じです。

無題 - 2021年6月1日 15.44


電気信号には波があるんだな、山と谷で1回の振動とカウントするんだな、1秒間に何回そのセットがあったかがヘルツってことね。そんな感じ。
ヘルツが高ければものすごく細かーい波になるよ。
※絵には触れないで欲しい。

レーザーカッターで素材をカットをする時はこのヘルツを設定するのですが1000Hz~60000Hzの間くらいで設定します。
例としてアクリルを切る時などは5000Hz~20000Hzが推奨されています。ちなみに私はいつも20000Hzしか使いません。熱の発生がしやすく断面が滑らかに仕上がるからです。

逆に紙・木材・本革なんかを切るときは20000Hzだと適した数値とは言えません。1000Hz,1500Hz,6000Hzあたりを試すことが多いです。

これは熱による焦げを抑える目的もありますし、アクリルのような超分子結合してるぜ☆みたいな化学的な素材に力isパワーの細かいヘルツのレーザーで切るのとは訳が違って、自然由来の僕たち繊維の集合体。みたいな優しい(?)素材に対してはヘルツを高く設定してしまうと、周波数が細かすぎてレーザーが素材の間を通り抜けてしまうのでちゃんと切れないからなんです。

まあとりあえず、基準値に基づいて切りたいものに対する適正な数値見つけられたらOKやでって話。基本的にチャンキナが初めての素材を加工する時にはテストカットという工程を挟みます。一度基準の数値を入れてみて、それで切れているのかどうかや焦げの具合はどうかなど確認して数値を絞っていく作業ですね。

■彫刻のパラメーター

彫刻する時に設定する数値も基本的に3つ
パワー/スピード/PPIです。
パワーとスピードに関してはカットの時と考え方は同じです。
ただ、彫刻する時にはパワーをいじって彫刻の濃さや深さを変えるのではなくスピードのパラメーターを調節して濃さを変えます。
特に詳しい人に聞いたとかではないですけど、おそらく彫刻の濃さを出す(より深く削る)ためにパワーの方をあげたら燃えますし、適正なパワーの数値があって照射の時間を変えることで深さ調節しようねってことだと思います。

PPI

あ〜また聞いたことのない言葉が出てきてしまいました・・・。笑
掘り下げると意外と難しいもんですね。
さてこのPPIはというと1インチあたりにパルスが何回照射されるかということなんですが、ちんぷんかんぷんですね。まずパルスについて説明しましょう。

パルス

先程ヘルツの話をしましたが、ヘルツは1秒間に電気振動がどれだけ振動をしているかを表す単位でした。図解したようにあんな感じで一定の波のある電気信号が存在する訳です。
そしてパルスはというと、そのヘルツ情報をもった電気信号がどれだけ断続的に照射されるかの度合いのようなもの。

PPIはpulses per inch、つまり1インチのなかに何回パルスが照射されるかということです。
基本的にはdpiと同じかもしくはその倍に当たる数値を入れることで高精度の彫刻をすることができます。
解像度や画質に合わせて多少変動するものだと思いますが、基本的にチャンキナは1000PPIです。

■まとめ

割と頭がパーンしそうな内容のお話だったと思います。厳密にいうと今日書いた数値の他にも設定すべき数値はありますし。笑
でも、ひとまず加工するにあたってこれくらい分かっていたらまず大丈夫です。笑

レーザーにはパワー、スピード、ヘルツ、PPIってのがあって数値があるんだな。くらいで大丈夫です。加工が上手く行けばそれでいいんだから。

さて、次の記事では実際に彫刻をするときの数値について書いていきますよ。
またねっ




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