妊娠16w1d 5月2日(月) 晴 30℃
ざっと50人。お母さん、お父さん、赤ちゃん、子供たち。ここは産婦人科の待合室。ゴールデンウィークは多いですよ、と看護婦さんにおどされていたけどネット予約の予定時刻は30分遅れ。まぁこんなもんだろうとギリギリで到着。
しかし、予想外の人の多さ。やっぱそうか、看護婦さん正解。9時の当日予約枠で、1時間早めてよかった。これで14時からの友人ランチにも間に合いそう。
ふだんは男性も追い抜くほどの早歩きのわたし。けれど、赤ちんの揺れ具合を想像すると足がもつれそうな歩き方はもうできない。気づけば、余裕をもって行動するようになった。1週間前もわたしの早歩きのすごさを知る男のセンパイに「歩き方が妊婦やな」と言われたっけ。
そうだよ、無意識か意識的かそうなっちゃうのよ。おふろあがりに鏡にうつった横姿が明らかに違うのよ。よく言えばミロのヴィーナスさ。今のわたしなら、何でも包み込めそう。
赤ちんがどんな性格に育っても、どなったり、上からしかりつけたりはぜったいにしたくない。今の不安はそれ。そんなことできるかな。
病院最寄りの地下鉄の出口に向かっていると、前をゆさゆさ歩くお母さんの前に、お母さんのひざくらいしかない背丈の男の子が、めいいっぱい両手を広げて「ダメ!ダメーーーー!」とお母さんの行く手を阻んでいた。まるでヒーローが愛する姫のためにぜったいに勝ち目のない悪者に死ぬ気で立ち向かっているよう。
お母さんはけっして悪者ではなく、正当な理由でずしずし改札を突き進む。けれど、はた目にはどうしてもコワイお母さんとヨワイ子どもに見える。ギヤアーーー!ギヤアーーー!と構内に鳴り響くさけび声。誰も気に留めているそぶりは見せない。
こないだいいテレビを見た。前頭葉がまったく発達していないこれくらいの子どもは、欲求を抑えられない。仕方ないのだ。今の彼にはこの気持ちをどうする術をもたない。そんなときは少し脳の発達した大人がルールを決めてあげるとうまくいくらしい。
わたしたちの赤ちんにイライラ病がやってきたら、この子の前頭葉の発達のため、とどなったり、かしこくさとすのではなく、受け入れられるルールを決めてやってみよう。
そう、ミロのヴィーナスは何でも包み込めるんだから。今から暗示をかけておく。
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