【東京に出てきてその情熱を失わないために大切なこと〜実体験から〜】

この記事はパンクロッカー/希哲学者/映画監督など様々な方面で活躍している人が書いてます。プロフィールはこちらhttps://www.souri.site/

東京に出てきた時と今の情熱の違い〜ピンクの炎から青の炎へ〜

※この記事はこれから東京に出てきて何かやってやりたい!と思っている人に向けてのメッセージになっています。

私は今年の冬で神戸から東京に上京して2年になる。この辺りで一つ答え合わせができそうな感じがあるので今日はそれを書こうと思う。何の答え合わせかというと、東京に出て”なんかやってやりたい”というこの情熱が削がれているのか。それとも削がれていないのか。という問いである。

結果から言えば、東京に上京してからテレビにも10本近く出演した。初監督作品の長編映画も作り、役者としても映画に出演し、アルバムも二つ作り(計35曲)、哲学の私塾も作り、物作りをする人たちのネットワークも100人以上できた。このように全く情熱は削がれていない。むしろガンガンやりたいことは具体的になっていてそれに向けて邁進している。ただ情熱の内容は変化している。その情熱の変化を例えるならば、淡いピンク色の炎から青い炎に変わっているようなイメージである。

端的な変化としては
比較的に神戸時代の方がもっと人を純粋に信じていたと思う。
特に口約束を純粋に心の交流だと思って信じていた。

でも今は少し違う。もっとシビアな感じ。実行するのかしないのか、本気なのかそうなのか、それが本当に実現するならその言葉を真に受けるけどそうでないのならそう言う言葉は”空語の約束”としてスルーしている。

【空語の約束が蔓延する理由】

このような変化には理由がある。
そもそも東京には、あからさまな社交辞令、あからさまな「また連絡します」詐欺、「何か一緒にやりましょう」詐欺がとんでもない量で横行している。
東京という街は信じられないくらい人が多い、仕事がなくなれば次はこの人、次はこの人と!鞍替えが簡単にできる。選択肢が多いからその人に執着する必要も地方に比べてない。出会いもある。みんな忙しい。忙しくなると心の余裕がなくなる。心の余裕がなくなると人に対するケアが愚かになる。他人するケアが適当になる。結果小さな嘘が蔓延化しすぎてこの町ではそれが普通になっている。

実体験として「音楽全部聞いて感想送ります!」とか「また飲みましょう」「君はこれから絶対時代の寵児になる!MV見て感想送ります!」「飲み行ける日程連絡します!」「一緒に実家巡りしましょう!」「MV作りましょう!まじでやりたいんで!」「まじでお前のドキュメンタリー作る」など挙げ出すとキリがない。
当然、満面の笑みと、本気の態度で言いながら彼らはその後連絡してくることもない。

東京に来て間もないころ頃、純粋だった自分はその言葉を神戸時代の感じでそれらの言葉を信じていた(神戸時代はそれなりに皆言うとやっていた。)
だから、相手が誰であれそんな言葉をもらうとめっちゃくちゃ嬉しかったし本気で柔らかくてどこか照れ臭い暖かい気持ちになった。その連絡を心待ちにしていた。

でも実際には相手は言ったことも覚えておらず、「あの時こう言ったやん?」と言っても「ええ、そんなん本気にされても」と言う感じ暖かかった心は一気に冷める。惨めな気持ちになる。まるで炊きたてほやほやのご飯が冷凍庫に入れられる感じそんなことが何百回と続くと流石にお米(心)が変化していく。
東京に出てきて情熱が冷めてしまって、昔はもっとやる気あったんやけどなぁ。という人がこの街に溢れる理由が分かる。

【それがしんどくなる原因〜そもそも情熱とは〜】

情熱とは振り子のようなものでその情熱が強ければ強いほどその跳ね返りも大きい。過去情熱で溢れた先人が憤慨したり失念で自殺したりするのはそのためだ。
一般の人の多くが気にならない些細なことにまでその情熱はこだわりという名前で現れ他人とすれ違い心に傷を負う。

冷凍された心が暖かくなったらまた元に戻るわけじゃない。
一度”裏切られた”と感じてしまうと、「もうあんな思いはしたくない」と思うようになり他者に対して懐疑的になる。それが人間だ。

そもそも自分が哲学をやっていることもあり他の人より
言葉に敏感なのだ。また本気にしすぎなのだ。それは十分承知である。
言葉に責任を持つ。を不完全だとしても徹底しようとする態度も”空語の約束”にうんざりする理由の一つだ。

現代ではこれは一つの障害に認定してほしいほど生きづらい習性である。
そしてこれが私が“普通の人”として生まれたかった理由の一つである。

人に対する興味や関心、熱量が大きい人間は
ある意味において今日の人間関係が気薄な社会では辛い目に会うことが多い。

東京に出て、人間(2017 人間、人を輝かせてくれよver)のMVを作る話になり
ありとあらゆる面で精力を尽くしたことがある。自分も含め四人の役者が登場することになり準備を重ね撮影の日程を決めるところまで来た時に
三人が突然キャンセルになったことがある。

一人の理由は音信普通
二人目の理由はその役者が事務所のマネージャーの社長に言い忘れていたこと
三人目の役者は自分が政治発言をしている音楽家であったこと。政治発言をしているミュージシャンとものづくりをすることへの拒否感。すなわちその役者のキャリアに傷がついてほしくないからキャンセルだった。

あまりにも軽い言葉。もう軽さもないくらいの言葉。
あまりに薄情と感じる。

その日、心が『ぽつっ』と折れる音が聞こえた。涙のもっと奥の方で。
大切な最後の何かが意外とあっさり終わったりするように、本当に大切な感覚が無くなる時はいつでも小さい何かがそれを知らせてくれる。

悔しくて涙がひっきり無しに溢れるし人など信じるなんてできるはずがない。と強く思った。
人を信じることができないなんて漫画の中の人の話だと思っていたけど、ほんとうに自分がそうなっていた。もう泣きながら笑うしかなかった。

『君笑いながら〜涙を流しながら〜言葉を探していたベイビベイビーすべてが終わってもよかった〜♫』とTHE PINBALLSの『片目のウィリー』の歌が流れた。
やっぱり名曲だ。

それと『北斗の拳』のサウザーのこの名言も頭を研ぎった。

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実は今年の頭に『人間のMV』を違う制作人で作るという事をこのnoteで言ったのだが実はそれは上記の挫折のリベンジでもあった。
しかしこれも流れた。というよりカメラマンが飛んだ。と言える。彼は忙しい売れっ子のカメラマンだから。と免罪符程度には言える。でも私は彼の『人間のMVを撮らしてもらう代わりに、〜のMVを無料で撮る』という気持ちの非常にこもった熱いアプローチを受け承諾した。
もちろんその言葉を全身全霊で信じていた。もちろん彼のその人間もね。

簡単に言えばこういうことが多くある。
その人もその時は本気だった。でもそれだけ、今はその時ではないのだから同じ熱量ではない、そして熱量が冷めました。と言えないので忙しいとまた嘘をつく。
相手がその言葉でどれだけ期待していたり喜んでいたりしていても全く考えない。

もう特にそれに対して泣くこともないがどこかでケジメは取らないといけない。
そう思っている。

熱い心が折れ。もうなんでもいいや。と思いたいがまた心の奥底から情熱の炎が細胞を通じて私を前に進ませる事をやめさせない。しんどいのに走るしかない。これだから情熱はやっかいだ。枯れてくれれば楽なのに枯れてくれない。

そもそも言葉なんて信じずに適当にやればいいのだ。ただノリでやればいいのだ。
そんな風に生きれたらどれだけ楽だろう。

【だとしても情熱を失わないために】

今年に入ってもMV『Ape to Ape』新アルバム『2020/Les Demoiselles d'Avignon(2020年/アヴィニョンの娘たち』のリリースそして初監督作品としての映画「もっとも純粋なQ」(69分)をリリースし、オンライン寺子屋を初めかなり順調にやっている。と言う事実がある。よって結局のところ情熱が削がれていない。むしろ邁進している。でも、人をみるめはよりシャープになる。厳しくなる。すなわち判断の基準が明確になると言うことだ。
結局のところ、目ん玉取れるほど泣いて気持ちになって人間不信に運よくならなかった。それは周りに信頼に足る人が今はいるからだ。たったそれだけの理由なのもしれない。
私は決して強くないに人間だ。だからとにかく腐らないでほしい。休んでもいいからとにかくできることからコツコツと進めてほしい。情熱あるかぎりアイデアはまた浮かんでくる。そういう生まれ持った気質であることを忘れてはいけない。

【これから東京で戦う人に向けて。】

以上挙げたような”空語の約束”は私だけではなく、多くの人が経験している。これは周りの人達と話していても共通認識としてある。MV撮影の前日にカメラマンが飛んだり、プロデューサーが1000万持ち逃げして飛んだりなど大きいことから小さなことまでたくさんある。だからまず”空語の約束”に気をつけて欲しい。そこに全体重を乗せすぎてはいけない。情熱を傾ける言葉を選ばないといけない。また慣れすぎると自分もそれをやってしまう可能性があるので気をつけてほしい。
あと最後にもう一つ。”空語の約束”をしてきた人に対して怒らないでほしい。
東京都は広いようで狭い社会だから、変にキレてもその分だけ悪い噂も広がるし面倒なことも多い。だから、他人との縁の切れ目はボカすこと。これ大事です。フェイドアウト式が最も良い。”空語の約束”をする人達と言葉に敏感でガチな人はそもそも生き方が違う。だから言ってもしょうがない。言葉に責任を持ち本当の情熱を持った人たちこそがあなたが関わるべき人なのだから無駄に怒りの炎を燃やしてもしょうがない。騙される経験はすべての糧にして人の目利きを言葉の重みからできるように、人間を見る目を養うことが最も重要だ。
以上、東京に出てきてその情熱を失わないために大切なこと〜実体験から〜
でした!頑張ってくださいね。私も攻め続けていますので一緒に何かするタイミングが来るかもしれませんのでその時は是非よろしくお願いします。

御拝読ありがとうございました。

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