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MTR ー山が教えてくれたことー

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Mountain Trail Running   ー山が教えてくれたことー MTR Method™️の開発責任者である著者が自身の體をつかって行った人體実験のノンフィクションです…
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2021年12月の記事一覧

Mountain Trail Running  ー山が教えてくれたことー

第14章 ランナーズハイ 二月は過去最長の324km、三月は300kmと一月から三ヶ月連続で月間走行距離が300kmを超えた。四月は疲労の蓄積を考慮して少し抑えて285kmに落としたが、その効果もあり五月は331km、六月は358kmまで距離を伸ばすことができた。二〇一九年上半期の走行距離の合計は、1,912kmと年間4,000km射程圏内に入るほど順調に走ることができた。この間、痛みはかなり低減していき、気になる筋肉のロックは左起立筋、左中臀筋、右脚外側広筋の三箇所に絞られ

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第15章 イノベーション 「じゃあ、はじめます。壁際に立ってください。姿勢を見ます。」中山響子(仮名)は入社二年目の女性セラピストだ。元顧客で全身に疼痛を抱えていたが、自ら調べたオーソモレキュラーとこのミオンパシー整体術で改善した実体験を持つ。快方した現在でも糖質はほとんど取らずタンパク質強化とサプリメントでの微量栄養素の摂取でコンディションを整えている。  私は定期的に全店のセラピストの施術を受けるようにしている。普段はアスリートチューニング研究のための実験台として精鋭チー

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第16章 トレラン 「高尾行くか」二〇一九年初夏、チューニング中の望月を誘った。この頃、望月は私の人体実験を進捗させる主力の精鋭セラピストチームMMNの一人に育っていた。久しぶりに人材育成の楽しさを私に思い出させてくれた一人だ。  三三歳になる望月真一は私が二〇一六年八月にミオンパシーサロンUROOM一号店を調布市仙川町に開業した時のオープニングスタッフだ。二〇一一年一〇月、私が運営していた社会人サッカークラブに選手の友人に連れられてトライアル参加して以来知り合ってから既に八

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第17章 雲取山 二〇一九年九月七日、八時二〇分にJR青梅線奥多摩駅に着くと西尾が先に電車で到着し、私と望月の到着を待っていた。奥多摩駅からは、登山口の鴨沢までバスに乗る予定だった。出発まで二〇分ほど余裕があったが、このバスを逃すと次は一時間以上待つことになり一日の計画が大きく狂うことになる。駐車場で急ぎランニングの準備をしバスに乗り込もうとした私たちの前に、ランニング姿をした一〇人ほどの男たちが現れた。短く整えられた髪、鍛えられた肉体が一瞬ランニングチームかと思わせたが、明

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第18章 日本百名山 「最近は山ばっか走ってるよ。」  「いつもFacebookで見てます!本当にきつそうですね。」  「ニコルも行くか?笑」  「はい、本当に行きたいです!」  「山を走るのは甘くないぞ。クラブでのトレーニングよりは確実に負荷が高いので、シーズンオフにラントレして脚力がアップしたら仕上げに山を走るか。大事なシーズン前に怪我したら元も子もないから本当にやれそうだったらだな。でも、澤さん(元日本代表のエースで女子サッカー選手の偉大なる先駆者、澤穂希)を超えるなら