劇的な展開を迎えた11月唯一のホームゲーム2連戦…福島ファイヤーボンズ観戦記2022/11/12・13
Bリーグ2022-23シーズンが開幕して1か月。
B2東地区に所属する福島ファイヤーボンズは、11月12日・13日にホームで青森ワッツと2連戦を行いました。
青森とは10月2週目にホームですでに2連戦を行っていますが、この時は福島が連敗。
その後も福島は苦しい戦いが続きました。
11月の1週目が終わった時点で11試合を消化し、このうち勝利できたのは3試合のみ。
負けた試合の中には接戦だったものもあり、それこそ前回の青森戦2戦目(10月9日)は3点差でした。
前回の青森戦も、今回の青森戦も、会場は宝来屋郡山総合体育館。
今度こそはこの会場で福島が勝利することを願って、わたしは会場へ向かいました。
2日間の連戦。
福島は1戦目を60-62で落としたものの、2戦目は77-72で勝利という結果になりました。
1戦目は立ち上がりこそ好調でしたが、第2クオーター開始後約4分で連続11失点をしたことで逆転を許し、一時は最大14点差を追う展開。
それでも、第3クオーターの後半に友利健哉選手のスリーポイントなどから福島の点が動き始めたことや、青森の外国籍選手がファウルトラブルになったこともあり、終盤はワンポゼッション差を争い続ける流れに。
決めれば福島の逆転勝利となった、最後の攻撃。
コーナーから放たれたスリーポイントシュートはリングの後ろ側に当たり、青森の選手がリバウンドをキャッチ。
両チームを応援する人たちの悲喜こもごもの声々を切り裂くように、試合終了のブザーが鳴りました。
2戦目も立ち上がりは問題なく、前半は福島がリードを守り続けることに成功。
ディフェンスでも、髙橋祐二選手が青森の速攻成功を防いで会場を盛り上げた場面がありました。
しかし、第3クオーターの後半で青森にリードを奪われると、次第に攻守のリズムが崩れるように。
ターンオーバーが立て続けに起きたり、リバウンドを取り切れずに青森が得意とする速攻を許してしまう場面が目立つようになったり。
第4クオーターの序盤でも悪い流れは続き、点差は最大で15点。
「きょうも厳しいのかな……」
そんな思いが、頭をよぎりました。
しかし、エリック・マーフィー選手がスリーポイントシュートを決めて、良い流れでオフィシャルタイムアウトに突入。
タイムアウトが明けてからは福島が猛攻を見せ、連続15得点で逆転。
同点に追いつくきっかけとなったチョンギボム選手のバスケットカウントが決まった時には、思わず隣の人と泣き合ってしまいました。
大きくリードされても、最終的には接戦に持ち込み、ドキドキできる時間が長かった2連戦。
チームは着実に前に進めている、そう感じることができた2日間でした。
この2日間も、わたしは橋本尚明選手の背番号が刻まれたレプリカユニフォームを着て、試合の行方を見つめていました。
前節の越谷アルファーズ戦では2日間を通して2得点と、調子が良かったとは言えなかった橋本選手。
1戦目ではアシストを4つ記録したものの、2得点にとどまりました。
この日の試合で、印象に残っている彼の姿があります。
第3クオーター、青森のアレックス・デイビス選手が下山大地選手にパスを渡そうとした時、橋本選手はスティールを狙いました。
下山選手はもらったボールをすぐにデイビス選手に返し、スティールを阻止。
その後、デイビス選手は前にスペースができていた隙を見逃さず、スリーポイントシュートを沈めました。
点差が10になったタイミングで福島の佐野公俊ヘッドコーチはタイムアウトを取り、橋本選手は「もう!」と口にした後、ベンチへ。
彼の様々な気持ちがその一言にぎゅっと詰まっていたように感じ、わたしももどかしくなったのでした。
2戦目では、橋本選手は10得点を記録し、10月26日の山形ワイヴァンズ戦以来となるスリーポイントシュートも成功。
試合終盤には、相手選手のパスをカットしてルーズボールになったところに飛び込んだシーンも。
マイボールにはしきれなかったものの、彼の気持ちが伝わってくるプレーに、ぐっと胸を打たれました。
「これが"福島の魂"です。最後の最後まで食らいついていく、チームにエナジーをもたらす、危機感を共有する。これが16番、橋本尚明です」
試合中継の実況を担当したアナウンサーが、この場面で口にした言葉。
まさに、"福島の魂"としての姿が、そこにはありました。
11月唯一のホームゲームを、明るい形で締めくくった福島。
12月はホームゲームが7試合もあり、この中には昨シーズンまで指揮を執っていた森山知広氏がヘッドコーチを務める、西宮ストークスとの試合もあります。
ここから、福島が上向いていくことを信じて。
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