見出し画像

(5)天日干し大根の最後の産地「南九州」。

冒頭の写真は2年前の年末に撮った新富町にある大根櫓

(続き)

やはり宮崎に来ても売れれば売れるほど、
原料の供給量の問題は解決せず。

まだまだずっと右肩上がりで消費も伸び、
売上を伸ばすためには原料の確保を、

ということで2000年を超えてからは
南九州のみならず、全国的に海外産(主に中国)からの
塩蔵の干し大根原料が入荷し始め、
私のところでも愛知県のグループ企業の指導のもと、
試しに2年ほど導入してみました。


しかしながら、ロットごとに品質の差があり、
それらの調整に時間と労力をかけるのなら
やはり国内産原料が一番だと判断して
それから以降はすべて宮崎県産原料を使用してきました。

ただただ、生産農家さんの栽培する作物の転換や
後継者の問題など、

そして、天日干し大根に大事な天候が
地球の温暖化などの影響からか、
安定しない都市などもあり

栽培面積は毎年減少傾向が続いています。


お陰様で今年は台風の影響を受けることはなく、
これまで育ってきてくれています。

ただ、大根の植えてある畑が減少しているのです。

つまり、反あたりが豊作でも全体の収量は
減少してしまうかもしれません。


渥美半島から南九州へ産地の移行は運良く、
すすんできましたが、
もう、ここ南九州から産地として移行できるところは
ありません。


この南九州がもし万が一、干し大根の産地でなくなったら
大げさですが、天日干し沢庵という日本伝統の食文化が
なくなってしまうのかもしれないのです。


では、海外では?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
海外の方には失礼ですが、
四六時中、だいこんの子守りをできる国民は日本以外には
ないのではないでしょうか?

原料となる大根が減少してもこの食文化は
なくなってはならないと私は思います。


そのためにも契約生産者さんに安心してだいこんを作ってるためには
もう少し「天日干し大根」のことや「ぬか漬けであるたくあん」について、
もっとの方々に知ってもらい、まずは、興味を持って理解してもらうことだ
と思っています。

もちろん、たくあん以外の高菜漬け、らっきょう漬け、
梅干し、すぐき漬け、千枚漬け、しば漬け、すんき漬、野沢菜漬け、
などもです。


これからは今まで以上に同業者同士、手を組んで
業界全体が盛り上がるように協力し合うことが
とても大事だとも考えています。

そのためには、漬け込んだ原料の融通や
互いの得意分野での技術の意見交換、
消費者の方々への働きかけなど。

また世代を超えた交流なども必要だと思います。

どうぞ引き続き、応援とご支援をよろしくお願い致します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?