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『鬼方カヨコ』#12 ~服のモデリング・服のスキニング~

テクスチャを塗ってみると外観の印象が変わることもあるので先に肌のテクスチャを行う予定でしたが、
単色のシェードを貼った状態で既にそんなに悪くないように思われるのでテクスチャは後回しで先に服をやることにしました。

組みなおした工数表がこちら

とりあえずMAYA内でできる服に関する事は今回で全部やってしまいます。
過去一長い記事になるだろうから覚悟し呼んでくれブラザー

概要

①マーベラスデザイナーでハイポリモデルを作成
②ハイポリモデルをMAYAに移し、スカルプトツールを用いて映えるシワを作る
③スキニング作業が楽になるようにリトポし、必要であればノーマルマップを描きだす
④スキニングを行う。

(マーベラスでの工程がなくてもシワを表現できそうな服に関しては①②の工程を省きます)

の3種類です。ではやっていきましょう。

ハイポリ作成

シルエットに影響のあるものから作っていきます。

パーカー(1)

Marvelousのshopにて、近いパーカーがあったので購入しました。
こちら↓
Male hoodie and short (clo-set.com)

スキニングした体をAポーズにし、MarvelousDesignerに読み込みます。

購入したパーカーを読み込み、型紙をカヨコの服装に近い形状に編集します。シルエットを見てから細かい作業に入るため一旦ポケットや下に垂れた三角の布はオミットします。沼る原因になりそうな予感がするので…

配置をしたらシミュレーションをONにします。

パーカーの、肩にかけての折り返しの流れが良い感じです。
背中のシワもかなり期待通りの物になりました。

肘のシワが欲しいので、肩がTポーズ、肘が45°曲がった状態に段々となるようMAYAでアニメーションを作り、FBXで書き出します。
Marvelousに読み込み、シミュレートします。

良い感じの肘のシワがゲットできましたが、代わりにパーカーのラインや背中のラインが乱れてしまいました。
ので、この2つを良いとこどりしたモデルをMAYAで作ります。

2つともインポート

採用したい所がつぎはぎになるよう繋ぎます。この際、Marvelousから書き出した時についてきた縫い目のモデルは削除してしまいましょう。

繋ぎます。

・アニメルックに合った服のシワが入っている
・VRで見ても耐えられる
・骨を入れて動かしたときに肌が貫通しない
という条件に合うようにスカルプトします。

肩に入っているシワがシャープすぎるのでリラックスさせます

脇から上腕に欠けてのラインが腕の形にピタッと添いすぎているので膨らまして均します。

体が貫通している場所を修正します。

このポーズの時に袖が下に落ちているように調整します。
また、手首が回転しても貫通しないだけのスペースを空けておきます。

全体を軽く調整します。

スカート

MarvelousDesignerで作業します。
基本的には型紙はシンプルな構造で作ります。バンドの部分と布の部分で分け、まずはそれぞれ長方形で作りました。

アニメ表現に寄せるため、プリーツのシワをストンと落としたいです。プリーツ部分の布を広げたり、変形したりして形を整えます。

丈を整えエクスポートします。

立ち絵、パーカーとの大小関係を確認します。

修正します。

背中側も長時間眺めても自然に見える形に修正します。

原作イラストでは単純な作りの単純な塗りになっていますが、VR環境で近づいてみたときにそれだと残念な気分になりそうなのでしっかり作ります。

これは…何の羽や…
蝙蝠やろ、私の脳みそは蝙蝠だと言っている、
構造について少し考察がてら蝙蝠の羽のスケッチを行いました。

骨をモデリングし膜はMarvelousDesignerで作成、後にベイクを行います。
まずは骨のモデリングから

ジョイントがアタリとしてそのまま使えそうなのでジョイントを配置します。
公式資料だけではどこから生えてるか分かりませんでしたが、きっとここに映えていたらエッチなのでここです。なぜならエッチだから

大きさを合わせます。 

ジョイントの方向付けを行い、関節を伸び切った状態に回転させます。

こう見ると結構でかいなぁ
円柱を設置します。6角形にしました

関節付近以外を絞って形を整えます

関節部分を節のように太くしながら繋ぎます。また骨部を若干カーブを描くように造形する事で関節をさらに印象付けます。

体と接合します。物質の変わり目の部分の処理が甘いとVRで見たときに残念な気持ちになるので、少しこだわってみました。

エッチ!よし!

ウェイトを振り、バインドポーズと立ち絵のポーズとの間にキーフレームを打ちます。1、0で振って、関節部分を多少スムーズにすればおしまいです。

型紙と、スキニングの参考モデルを作るためにMarvelousDesignerを使います、
翼のアニメーション込みでFBX化し、MarvelousDesignerに持っていきましょう。

スケッチを参考に型紙を作ります。

基準となる所にピンを打ち、シミュレーションを実行しながら大きさを調整し、ぴんと張った状態にします、ピンだけに

伸ばしたモデルと曲げたモデルを両方ともFBX化してMAYAに持っていき、リトポロジーを行います。

スニーカー

さぁ一番やべぇ部分だ
マーベラスデザイナーよりもポリゴンモデリングの方が速そうなのでMAYAで作業します。

だいたいの靴のシルエットを取ります。

以下の資料の元、ザックリとした形のパーツを配置していきます。(装飾パーツは後で作業します。)

画質悪いですが、実物のアクキーを当然持ってるのでそれ見ながらやりました

こんな感じになりました。

細かい箇所を作業していきます。まずはベロ部分

以下の部分を押し出し、円形のリングを作る準備をします。

円形化を行い、大小関係を見直して配置します。

リングを配置します。

結び紐を作ります。
向き合わせた二枚をブリッジ、ブリッジした面を押し出してエッジにベベルをかけました。

チューブで作った紐を配置します。チューブのままだと3Dで作りました感が凄すぎるので、つぶしたり変形したりして整形してあります。

やや平たい形をイメージし、面が変わる部分をハードエッジに設定します。

アクリルテープ部分を作ります。これ、端処理として二重にして返し縫してる感じやろ多分

フェースの押し出し、ベベルエッジ、エッジフローの編集などを駆使して
履き口パッドに厚みをつけます。

その他のパーツも厚みを付け、履き口パットと繋ぎます。

厚みにあった装飾を追加します。

ベベルを追加

元絵のパーツ縫合部分に関し、段差を作って表現していきます。

テープアジャスターを作ります。
ドン・キホーテコラボの際のアクスタではただの紐リボンになっていましたが、元絵ではアジャスターでした、どちらに合わせるか悩みましたが、アジャスターの方が「カヨコっぽい」のでそちらに合わせます。

これどうなってるんだ…三あつ穴タイプのアジャスターなのはわかりますが…
アジャスター、いわゆる自由金具は、紐が二重になる長さを調整する事で全長の長さを調整する部品で

https://nifcobuckle.com/howtouse

このように繋ぐのが普通…
つまり、リボン状に出ている2つのテープは上側の穴から出ている同一のテープで、下側の穴から出ているテープはリング状に縫い合わせた後靴本体に縫い付けてあると考えればうまくいきそうです。

こんな感じのイメージでいきましょう

まずはアジャスター本体をザックリ作ります。

エッジを最適化

外側に関して、パーツが異なる部分に溝を入れます。

先端だけ処理し直します。

アクリルテープで隠れない部分に関し、ベベルを入れます。

アクリルテープを作ります。
正方形をX方向への移動を制限した状態で編集します。

配置します。

接合部について、このような形にし、押し出します。

重なりが発生する部分の処理をします。

折れ目等の事を考えながらアクリルテープのもう一端側を作ります。
折れ目はパキッと折りましょう。

フェースを押し出し、厚みを持たせます。折れている部分の処理も忘れずに。

その他微調整をして完成です
時間かかったぁ…

パーカー(2)

全体の雰囲気感が掴めた所でパーカーの装飾を凝っていきます
具体的には、胸ポケットと下側のジッパー、布を追加します。その他比率などで調整が必要であれば行います。
Marvelousにて内部図形でポケットを作ります。

よく見るとこのパーカーのポケット、縫い目が無いです、
前身ごろが表地と裏地で別れていて、その

ポケットはこんな感じでつけました。

ジッパーもつけます。
端処理のために作ってあった布を二つに分断し、間にジッパーを作ります。

金具がおまけでついてきますが、後で消します。お前はいらねぇ。

残りは微調整と垂れてる布ですが、後者に関しては硬そうな物質なのでリトポ後にMAYAで作業します。ただ、アタリはMarvelousDesignerで作っておきましょう。

微調整として、ポケットの返し処理もしてあります。
FBX化しMAYAにインポートします。

金具さようなら

形とUVを調整しておいて、ハイポリ作業は終了です。

ポケットの縫い目を直します。
現状の上に縫い付けてある構造をドーナツ構造に直します。

ある程度形状を整えます。

ブラジャー(仮)

インナーの量感を取るために仮でブラジャーを作ります。

おっぱいを寄せるモーフを作成します。
乳首をつぶし、真ん中に寄せます。

ブレンドシェイプに登録し、この形に合わせて仮のモデリングを行います。
ライブサーフェスにし、クアッドドローでブラの形をだいたいで作ります。

胸部にはエッジを足し、リラックスさせます。

押し出しを使用し、なんとなくの量感を掴んだらインナーを作りましょう。

インナー

基本的な流れはMarvelous→MAYAスカルプトの流れで行います。
Marvelousに移動し、ピタッとはまる服を作成します。

MAYAに持っていきましょう。
フードに対して貫通している箇所を見やすくするために赤色にします。

パーカー側を調整します。

背中側の出すぎているシワをもっと密着させます。

チョーカー

首に対してクアッドドローで紐部分をモデリングします。

押し出してスムーズを行います。

太さを調整し、本体部分をとりつけます。
また、首に接する所のフェースは消してしまいましょう。


ジッパー

マーベラスデザイナーから持ってきたジッパーですが、形がかなり違います。

台座部分を作ります。

持ち手部分を作り直します。
靴に穴を開けたときのような作り方で穴をあけます。

厚みをつけて配置します。

さらに厚みをつけて形を合わせ、ベベルをかけて完成です。

リトポロジー・ベイク処理・UV展開①

ベイク先の、被膜を表すオブジェクトを作ります
骨の動きに対して伸縮するように動いてほしいので余分なエッジは入れられません、骨と骨を繋ぐイメージで新規オブジェクトの平面を配置します。
この際頂点は骨と共有するようにしましょう。

一度動きを確認してみましょう。
面が張る場所が期待した通りにならなければエッジを引き直します。

角張りが強すぎます、引き直しです

頂点が同じ場所にあっても、エッジを引く場所によって見映えが大きく変わりますね。
オブジェクトを複製し、各面に縦の分割を一辺足します

スキンバインドからスキンウェイトのコピーを行います。

分割を足す前のモデルをケージモデルとして扱って割りを増やしていきます。


次にベイク作業です。
現状、骨に厚みのない板をぶら下げている状態ですので、ハイモデルでは表現されていた、骨と皮のつなぎ目の寄ったシワの表現が欲しい所です。

ベイクに向け、骨部分を一旦埋めます

カメラベースでUVを作成、骨部分のエッジはカットして展開します。

複製し、フェースを反転、それぞれを押し出し箱状にします。

側面のUVも邪魔にならない位置に纏めておきます。

ハイモデルを半分に割って、同様に箱にします。

ベイクを行います。

あんまし上手くいきませんでしたが、中指の中手骨に関しては、骨に張り付いてる感じが出ています。この部分を参考にテクスチャ作業時に手動で調整しましょう。

裏面も作業します。

骨と膜のつなぎ目にある張った感じが再現できているので良しとします。
いらない影はテクスチャ作業時にNormalMapを直接いじって修正します。

裏面でも行い、不必要なフェースを削除します。

裏面はかなり綺麗にいきました。(修正する場所が無い訳ではないですが)

残りはテクスチャ工程で作業します。



パーカー

MAYAのバグでUVが消失する事があるので、それに気を付けながら一旦全パーツを結合します。

QuadRemesherというツールを使用し、四角化します。
マテリアルの境目をラインで追う機能もあるので、それを使用するためにUVを分けていた訳ですね。

細部を拡大しながら確認し、トポロジが汚い部分を修正します。

パーカーとジッパーのつなぎ目部分は特に汚いので綺麗にしておきます。

前垂れを作ります。
以前アタリとして作ったFBXデータを持ってきます。

形を修正し、前身頃のトポロジに合わせます。

靴の時と同じ要領で穴を開けておきます。

押し出しを行って量感を出し、ベベルをかけた後、リングを通して形状を確認しましょう。

金具と布部分のトポロジーを合わせておきます。

袖口に折り返しをつけておきます。
厚みをつけた後、非多様体にならないよう内側のブリッジを消せば折り返しになります。

ベベルもつけておきましょう。

右下についているタグのような物も再現しておきましょう。
おそらくこんな感じかと思われます。

ベイクはしませんが、UV展開を行っておきます。
縫い合わせがある地点で分け、シェルを分離します。

整列についてはUV展開②で行います。

インナー

パーカー同様リトポを行い、細かい部分を修正します。
肌を貫通している場所があれば優先的に対応し、スキニング後にも貫通する事が無いようある程度ゆとりを持たせましょう。

パーカー同様襟ぐりに厚みをつけ、調整します。

UVを展開だけしておきます。

スカート

インナーの上から付けるものなのでその部分だけ微調整を行っておきます。

現状MarvelousDesignerで縫合した部分は頂点の位置が被ってしまっているので非多様体になっています。それを修正しましょう。

このようなプリーツの形に開いたら、繋いだ際に上面が裏面となる箇所にブリッジをかけます。

この状態で上の縫合布部分と結合させることで非多様体を回避できます。

あとはQuadRemesherをかければ…

うわきったねぇ…粗密感がひどすぎて使い物にならない
予定変更です、プリーツの折り目ごとで一旦オブジェクトをばらし、各オブジェクトでリメッシャーをかけます。

トポロジの数を揃え、繋ぎます

まだポリ数多いので調整

疎密感を整えた後、ハイポリの際に施した作業と同じ工程を踏んで1つのオブジェクトにします。

これで一旦服の形状は完成です。

UV展開②

UV展開①ではとりあえずの展開だけ行いましたが、この段階でテクスチャ解像度の粗密感合わせ、レイアウトまで行います。
ほとんどマテリアルのみで表現する場所もありますが、今後テクスチャを足す可能性が0ではないので綺麗に展開しておきましょう。

スカート(展開)

ハイモデルの際の切れ目と同じ位置にエッジを入れ、UVシェル境界にします。

普通に展開すると歪んでいたり円弧状になっていたりします。

ハイモデルの時の型紙の状態に近い状態にしたいです。
完成モデル、ハイポリモデル共に、一旦シェルをプリーツごとにばらします。

プリーツの各束の四つ角のUVをハイモデルの位置と合わせ、その内部を展開するとこのようになります。

V座標を尊重し、端の二辺を直線化します。

この状態で中央にあるUVを展開

U座標を尊重し、飛び出ている2つのUVをライン上に配置します。

この状態で内部のUVを展開します。

これを全面にやります。
同じ工程を繰り返す作業なので、メル等を用いて少しでも1回あたりの時間を時短できると良いですね。

できました

切り離したシェルを繋ぎ、繋いだエッジ周辺のUVを選択して展開します。

付け根のUVシェルの大きさを調整し、密度感を揃えます。

スニーカー

分けます。

並べます。

パーカー

靴と同じUVマップを使いたいので、まずある程度で揃えます。

ジッパーを展開します。

靴のマップ込みで揃えます。

装飾品

メタルネスマップをいっぱい作るのはだるいので、靴に装飾品とファスナーのあるマップにまとめてしまいます。

まずはピアス
ばらします。

比率を合わせ、4つのUVを重ねてレイアウトします。

次にチョーカー
同様にばらして並べます。

インナー

揃え、スカートと同じUVマップ内にレイアウトします。

上部は、後々やる銃やバッグ用に開けておきましょう。

素体

ベイクを焼いた箇所は動かしたくないので、展開したその他のパーツは上手いことねじ込みます。


調整

金属部分に関しては、接写で見た際に目が行きやすい部分でもあります。UVの枠に空きがあるので2倍に拡大してレイアウトし直してみました。

完成した物が以下一覧

・パーカー&スニーカー&装飾品

・スカート&インナー

・翼

一応顔に使ったUVも載せます

目4種

髪2種

ヘイロー

スキニング

インナーの転写

素体モデルからレイキャストで転写すればOKです。

スカートのケージモデル作成

まずはスカート用のジョイントを追加します。
スカートのプリーツが18本なので2本につき1束の計9束配置

プリーツはスキニングが面倒くさすぎるのでケージモデルを作成します。
ひだの隙間を貫通させるイメージで、クアッドドロー等を用い以下のようなオブジェクトを作ります。

このオブジェクトを複製しておき、片方に階層最近接でスカートジョイントをスキンバインドします。

他方にはスカートジョイント以外の周辺のジョイントをバインドし、素体のスキニングの値を最近接コンポーネント参照でコピーします。(Spineが動いた時にスカートの付け根も動いてほしいので)

Spine以外のウェイトは全てHipに振ってしまい、その後スカートジョイントをインフルエンスの追加でウェイトペインと可能にします。
SiWeightを使い、スカートのウェイトを振ります。

これで根本はSpineやHipに追従し、揺れはスカートジョイントに追従するケージモデルができました。

スカート転写

ケージモデルのUVをスカートのUVに合わせます。
スカートのUV作業の際に行った、ハイモデルに合わせる作業と似たような感じで揃えます。ケージモデル2マス分につき、ハイモデル5マスです。

根本部分は最近接転写、スカート部分はUV転写したいので、スカートモデルを複製しておきます。

まずはUV転写
スカート部分は綺麗ですが

根本のウェイトは乱れています。ガタガタです。
UVが重なっていないので当然ではありますが

次に最近接転写
最近接を行うにはケージのポリ数が少し足りないのでスムーズをかけたモデルに一旦UVで転写したミドルケージを使います。

転写を行いました。
根本が綺麗に出ていますね。

代わりにスカート部分が汚いです。

ケージモデルの時に行った良いとこどりを行います。
SiWeightを使用しましょう。
根本は最近接転写のウェイト、スカート部分はUV転写のウェイトが振れました。

これでスカートは完成です。

パーカーのケージモデル作成

袖を下した際の振袖用ジョイントも設定しておきます。
肘の子ジョイントとして設定しておけば問題ないでしょう。

ボディに使ったケージモデルを使ってレイキャストを行ってみましたが、シ肘のシワの部分があまり綺麗に出ないのと、裾の返しの部分がどうしても汚くなるのでパーカー用にケージモデルを作ります。

基本的にはボディに使ったケージモデルをパーカー大まで拡大した物を使用します。
下準備としてケージモデルから必要な部分を切り出し、複製しておきます。


スカルプトの押し出しやトランスフォームを駆使して形を作ります。

コピー元の切り出したケージモデルに、成型後のオブジェクトをモーフ登録し、オリジナルのケージモデルからスキンウェイトをコピーした後にブレンドシェイプをヒストリベイクして切ります。

これで素体のケージと似た感じに動くパーカーのケージが手に入りました。
位置の腕の補助骨回転は必要ないので、LowerArmに全て移します。

また、脚付近のウェイトは転写の際にスカートのウェイトに置き換えるのでややこしくないようにHipに全振りしておきます。

袖のウェイトを振ります。腕に接する上面で値が0になるよう調整します。

スカートのケージモデルをパーカー用に置き換えます。
スカートのケージモデルを複製し、XZ方向のみでスケール、UVで元のケージモデルからウェイトをもらってきて完成です。

パーカーの転写

基本的にはケージモデルを最近接で転写したいところですが、前述した通りスカートのケージモデルからも転写を貰ってきます。パーカーの下にスカートを履いていますので、体のボーンのみに追従させるとスカートのボーンが動いた際に貫通が発生してしまうからです。

パーカーのモデルを複製しておき、良いところどりのウェイト転写を行っていきましょう。

まずはケージモデルの転写
シワの形が複雑なのかレイキャスト転写を行ったらうまくいきませんでした。最近接で転写するため、スムーズモデルを作成し、そちらにUV転写します。

こいつを元のパーカーモデルに最近接で転写します。

インナーを赤く染めるとはみ出している箇所が確認できますが、これは後の工程「貫通チェック」で調整します。

複製しておいたモデルにスカートモデルからウェイトを最近接で転写します。
転写後少し動かしてみましょう。

貫通は起きづらいといえますが、前垂れの部分はリングがあって硬い素材のように思えるので若干の修正が必要です。
ジョイントに対し1で振り、つなぎ目をスムーズにしておきましょう。

では良いとこ取りをします。
Spineのジョイント周辺を境に切り替わるイメージで良いでしょう。

見づらいので、スカートのルートジョイントを全てHipに移します。

ジッパー追従システム

ジッパーのジョイントを追加します。

このジョイントを周辺頂点に追従して動くシステムを作ります。
ジッパー周辺のウェイトは、アッパーチェストが約0.7、チェストが約0.3で振られています。
そこで、この2つのジョイントの子階層にてジッパー位置にロケーターを配置します。

ジッパーの根本ジョイントに、このロケーター達を親としてポイントコンストレイントをかけ、各ウェイトを0.7、0.3で設定します。

これだけだと位置関係が保たれるだけで角度がありません。
アッパーチェストからジッパーの根本ジョイントにかけて方向コンストレイントもつけます。

キーを打ってペアブレンドノードを作成
ポイントコンストレイントのウェイトを1
方向コンストレイントのウェイトを0.7で割ります。

ジッパールートにスキンウェイトを1で振ります。

そして揺れる部分に、その子ジョイントのウェイトを1で振ります。

これでジッパーのシステムも完成です。

靴のケージモデル作成

ボディのケージモデルが使おうとも考えましたが、靴と足の間に無視できない幅の厚みがあるので靴のケージモデルを作ります。

作業途中に作ったデータがそのまま使えそうです。

足首のジョイント2つと、中手骨のジョイントでスキニングします。

靴の転写

靴自体がかなり複雑な構造のためレイキャスト転写では問題が生じそうです。
最近接転写を行うために靴のケージをスムーズしたモデルを作り、このモデルにケージモデルのウェイトを転写しておきます。

スムーズ後のモデルのウェイトを最近接で転写します。

うわきったねぇ
紐などの装飾品のウェイトがくっそ汚いです。
これ直すの?嫌だなぁ

ウェイト転写の方法を変えましょう。

オブジェクトを複製し、厚みがある物体に関してはコラプスや削除で更地にしてしまい、また装飾品は削除してしまいましょう。

整ったモデルに綺麗なウェイトを振ったら(特にリング部分はソリッドな物体なので綺麗に)、このモデルをスムーズしてUV転写でウェイトを振ります。

このモデルから最近接で転写します。

まだちょっと汚いですが、さっきより五億倍ましです。

このオブジェクトを複製し、調整が必要そうな装飾品のみ残します

このオブジェクトをさらに複製し、内側(転写元のオブジェクトに近い側)のフェースだけ残して削除します。

こいつに元モデルを転写

さらに遡上式に転写

頂点が比較的近くに集まっていた場所に関して、問題が起きているので頂点ウェイトコピー・ペーストで対応

これで各装飾品の内側に合った頂点はエッジループ上でウェイトを共有していますので、それらの群をまとめて動かしながら形を整えます。

コンポーネントエディタを使い、下のウェイトのバーを動かしながら綺麗な位置に直していきます。

スニーカーオブジェクトを複製し、最近接で転写します。

これで装飾部分のみが綺麗にウェイト振りされたスニーカーオブジェクトゲットです。

良いとこ取りをします。

アクリルテープリボン以外は完成です。
しんど~

アクリルテープリボンのスキニング

アジャスター部分の揺れ骨を追加します。
ジョイントとロケーターを配置。

追従システムを作ります。
付近の頂点は、脛のジョイントが0.2、足首のジョイントが0.8でしたので、それに合わせて。
作り方はジッパーの時と同じです。

インフルエンスを追加し、スキニングします。
ルート部分

アジャスター部分

テープ部分

靴完成!お疲れ様でしたぁ!

貫通チェック

色々なポーズを取らせながらはみ出しが発生する部分を確認し、修正していきます。
ジョイントの流れをスムーズにした後に微調整ノードを使用して調整するようにしましょう。

前屈

修正

ひねりと側屈

修正

後屈

修正

腕もチェックしましょう。
伸ばし

修正

90°曲げ

修正

強く曲げ

修正

次に肩をチェック

Tポーズ

修正

Aポーズ

鎖骨を下げた段階で既に貫通は発生しているようです。

修正

腕下ろし+上腕骨捻り

修正

万歳(鎖骨のみ上げ)

修正

万歳(腕も上げ)

修正

これでパーカーは完了です。
ポケットの伸縮ジョイントを後々組む可能性がありますが、一旦これで良いでしょう。

装飾品のスキニング

ピアスはヘッドに1で振っておけば大丈夫です。

チョーカーのスキニングをします。
靴の時と同じように、素体モデルをスムーズし、UVウェイト転写を行った後、それを転写元として最近接転写します。

とはいえ素体モデルはそもそものポリ数が多すぎてスムーズしたらヤバいので、複製したのち一旦首だけにしてからスムーズしましょう。

UVで転写し、出来上がった転写用モデルを最近接でチョーカーに転送します。
靴ひも同様、エッジループでウェイトを共有させる作業もしておきます。


歪んでいる箇所をコンポーネントエディタで修正します。

おなじみ追従システムを作り、スキニングします。
ただし今回は方向コンストレイントは割合でかけず、首にめり込まないちょうど良い位置を探します。

0.7が良い感じでした。


まとめ

終わった~~!!
くっそ時間かかりましたわ、けどこれでようやくテクスチャに移れます!

やっぱり動かせるようになると可愛いですね、ちょっと上向いてるだけで可愛い
ポーズつけたらもっと可愛いですが、noteに載せるのはテクスチャが終わってからのお楽しみという事で。

次回はいよいよテクスチャ作業です。それでは

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