ねほりぬはほりぬ
・掘る
[動ラ五(四)]
1 地面に穴をあける。「トンネルを―・る」「井戸を―・る」
2 地面に埋まっているものを取り出す。「芋を―・る」デジタル大辞泉より
つまり根を掘るというのは詳しく言うと、根を掘って地面から取り出すことでしょうか。
では葉っぱを掘るとはどういうことでしょうか。
1の意味なら葉っぱ自体を掘削するので、ギアッチョさんの言う通り、葉に穴が開く状態をさします。
2の意味なら葉っぱ自体が地面に埋まっていて、それを地上に取り出すことを意味します。
葉っぱが地面にうまる?そんなことがあるのでしょうか…
たとえば富士山が噴火すると火山灰は2mに及ぶといわれています。
これならはほりの状態の考えられますね。
************************
20xx年、突如富士山が大噴火をおこし、住民は数か月の避難生活を余儀なくさせれた。
人々は様々な苦難に見舞われた。友人や大事な人との永遠の別れを迎え、家も土地も畑も、すべてが灰に埋まってしまったとある農家の男は、半年ぶりに故郷に帰っていた。
男は愕然した。灰の堆積は数メートルに及び、見慣れた穏やかな田舎の田園風景は一変していた。
分厚い雲に覆われた空に呼応するかのように、昼でも薄暗い、灰色に沈んだ町、ひえてくろんずんだ溶岩が散乱し、積もった灰が風にのって瘴気のように立ち込めるさまは、まさに地獄絵図であった。
男は灰でぬかるむ地面を踏みしめながら、必死で自分の家にむかって駆け出した。家は、畑はだいじょうぶだろうか。なんとか無事であってほしいというのは、かすかな、むなしい期待であるとしりつつも、男は自分の目で惨劇を見るまでは、それにすがらざるを得なかった。
男はやがて脚をとめ、全身の力が抜けていくように、その場に崩れ落ちた。何か魂までが、自分の大事なものと一緒に、灰の奥底に沈んでいくかのようだった。
かろうじて灰から頭をだしている2階の窓には、子供がぶつけてひび割れたガラスが、はっきり見えていた。それより下、特に一階部分は、完全に灰に埋まっていた。
収穫目前の作物があった場所は、黒ずんで冷えた溶岩に埋め尽くされている。男はいてもたってもいられず、素手で隙間の灰を、土をかきむしるように掘り出していった。
爪先に土がつまり、指先がどす黒くゆがんでいく。擦り傷もどんどんふえていくが、しだいに痛みの感覚さえなくなってくる。ようやく掘り出した、切れ切れになった葉と根の一部。それを天にかざして、男は自身の不幸をただ呪った。
「なぜ、自分だけがこんな目に。自分が何をしたというか。こんなに苦しんだのに、はっぱの、根を端っ切れを掘り出すぐらいしかできない。これがいったい、なんになるというのか」
男の叫びに、答えるものはいなかった。ふと気づくと、周囲にはぽつぽつと、人があつまりだしていた。
それぞれは嘆くこともなく、スコップを片手に自分たちの家を掘り出している。重機やトラックもつぎつぎとやってくる。ボランティアの人たちも着始めていた。
男はふと気づいた。そうか、はほりとはこういうことだと。
普段は明るい光の下にいる葉が災厄に見舞われ、地に覆われる。それを掘り起こすことが最初の一歩であり、絶望へ立ち向かうことの象徴だと。
男はこれから、長い時間をかけて、幾千の埋まってしまった葉をほりおこしていくのだろう。
それが彼の、葉を掘るということなのだから。
************************
この話これでおわりかよぉ~~~
オチのひとつもねえのかよぉ~~~
イラつくぜなめやがってくそが!くそが!くそが!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?