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実験器具【顕微鏡】の英単語・歴史|いろいろな顕微鏡を紹介

きむっちです。

顕微鏡(けんびきょう)がいつ頃できたのか、知りたくないですか。
顕微鏡を使うことでどのくらいの大きさまで見ることができるのか、知りたくないですか。

顕微鏡はそれほど大きいイメージがないかもしれませんね。
小さいものを見るための顕微鏡の大きさがどんなものなのか、知りたくないですか。

この記事では、
顕微鏡の英単語・歴史について書いていきます。

なお、顕微鏡も深堀すると奥が深いので、深堀しすぎる手前くらいで書いていきますね。

この記事を通じて顕微鏡の楽しさを知ることができますよ。
最近では手軽に帰る顕微鏡も増えてきているから、顕微鏡を楽しんでいる方がいるかもしれませんね。
顕微鏡のことを詳しく知りたい方にとってさらにミクロな世界の入り口を知ることができますよ。

【この記事を読んでいただく前に】

この記事を読んでいただく前に
文房具の【ものさし・定規】について知っておくことで
小さいものを見る世界観の一歩手前がわかりますよ。

顕微鏡の英単語

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顕微鏡の歴史がかなり深いので、
まずは顕微鏡の英単語について解説していきますね。

顕微鏡は
英語で”microscope"です。

日本語ぽく表すと
「マイクロスコープ」です。

【microscopeの語源】

”microscope"の語源は
”micro(小さい)”と”scope(見る)”になります。

つまり、
「ちいさいものを見る」ということにつながるわけです。

【microscopeの英英の意味】

ネットの英英辞典では、
”microscope"は次のように説明されています。

a scientific instrument that makes extremely small things look larger
「すごく小さいものを大きく見えるようにするための科学的な道具」
引用元:microscope(ロングマン英英辞典)

長さの単位の説明

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ここから顕微鏡の話に入っていきます。
どんどん小さい世界の入り口を楽しんでください。

顕微鏡と言えば、小さいものを見るために使いますよね。
なので、最初に長さの単位について説明していきます。

【ものさしでわかる長さの世界】

ものさしで一番小さい幅と言えば
ほとんどのものが1mmミリメートル)です。

1mm1m(メートル)の1/1000倍の大きさです。

ここで、食卓で食塩の一粒が
だいたい0.2~0.75mmです。

目で見える限界の大きさが0.2mmくらいと言われていますが、
顕微鏡を使うことでこの大きさよりもさらに小さいものが見れるようになります。

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【ミリメートルよりもさらに小さい単位】

ここで、さらに小さい長さの単位があります。

1μm:1mmの1/1000倍の大きさ
(マイクロメートル)

1nm:1μmの1/1000倍の大きさ
(ナノメートル)

食塩の大きさで200μmになるわけですが、
食塩よりもさらに小さなものを見ることにつながります。

顕微鏡の歴史を交えながら、
さらに小さな世界観を見ていきましょう。

顕微鏡の歴史

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【第一歩は2世紀から】

顕微鏡と言えばモノを拡大してみることが大きな役目ですよね。モノを拡大してみるときにはレンズが使われます。

このレンズはルーペみたいなもので、2世紀頃から知られていたとされています。

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【本格的な顕微鏡は13世紀が始まり】

13世紀のヨーロッパにおいて、
2世紀のときよりも改良されて拡大鏡として使用することになりました。

このときには、拡大鏡として凸レンズが使用され始めましたが当時はすごく高価なものだったんですね。

それから300年後の15~16世紀には凸レンズが一般的になり、広まることに。

【顕微鏡の原型は16世紀後半から】

顕微鏡の原型は16世紀後半に発明されました。
オランダの眼鏡(メガネ)職人が2枚のレンズを組み合わせることでモノが大きく見えることを発見したことがキッカケとされています。

【光学顕微鏡に発展】

17世紀になると、レンズ1枚を使った単式顕微鏡が作成されることに。

もともとレンズ1枚だと虫メガネくらいの大きさしか見えなかったんですが、単式顕微鏡によって200倍くらいの大きさが見えるようになりました。

200倍の倍率で、1μmくらいの大きさが見えるようになります。
最近ではスマホに取りつけることで200倍まで拡大できるものもあるくらいです。

【200倍拡大でどんなものが見えるの?】

ここまでになると200倍拡大することでどんなものが見えるようになるのか、わかりにくくなるかもしれませんね。

200倍拡大すると花粉の大きさがくっきり見えるようになります。
3月頃に流行る花粉症の原因となるスギ花粉でだいたい30μmくらいの大きさなんですね。

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それにより、微生物や精子なども見えることに繋がりました。

一方で、イギリスではロバート・フックが対物レンズと接眼レンズの異なる2枚組を組み合わせた複式顕微鏡を作成しました。

このときに蜂の巣が房室のように小さな部屋の集まりに見えたことから、小部屋(cell)と名付けられることに。

この言葉がきっかけに、生物学の”cell(細胞)”が生まれることになりました。

ここで、途中で出てきた昆虫のハチについて知りたくないですか。
昆虫のハチの記事はこちら


【現代の顕微鏡の原型は19世紀が始まり】

さらにレンズの組み合わせの補正などがされるようになり、顕微鏡の解像度は飛躍的に向上することに。

顕微鏡の理論的・技術的な改良を行い、現代の光学顕微鏡の基本形が確立されました。

【20世紀にはいろんな光学顕微鏡が展開】

20世紀に入るとさまざまな顕微鏡の技術が組み合わさることになり、いろんな顕微鏡が発展することに。

それぞれの顕微鏡を細かく説明するとややこしくなるので、
顕微鏡の種類だけ紹介しますね。

● 暗視野顕微鏡
 (あんしや)
● 位相差顕微鏡
 (いそうさ)
● 微分干渉顕微鏡
 (びぶんかんしょう)
● 共焦点レーザー顕微鏡
 (きょうしょうてん)
● 蛍光顕微鏡       など
 (けいこう)

ここで「蛍光」という言葉がでてきましたね。
「蛍光」を含む文房具として「蛍光ペン」があります。

蛍光ペンのことを知りたくないですか。
さらに小さな世界に進む前へのブレイクとして読んでいただければ嬉しいです。

さらに小さい世界の顕微鏡に発展

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ここまでは光学顕微鏡のことを書いてきましたが、
光学顕微鏡では200nmくらいが限界とされていました。

200nmで0.2μmの大きさだから花粉よりも小さいものになるわけですが、
この大きさよりも小さいものを見たいという学者が多くなったわけです。

一方で、19世紀末にはX線や電子などが発見されることになりました。

このような背景から、200nmよりも小さい世界を見るためにX線や電子を使うことが研究されることに。
その結果、電子線を使うことで小さい世界が見えることが発見されるようになりました。

電子線を使った顕微鏡のことを
電子顕微鏡(でんしけんびきょう)と言います。

ここで、細かい注意点です。

たまにデジタルで撮影できる顕微鏡を「電子顕微鏡」と呼ばれることがあります。
しかし、デジタル顕微鏡は電子顕微鏡ではありません。

「電子線を使って観察する顕微鏡」が電子顕微鏡です。

実際に電子顕微鏡を使う場面はかなり限られるから、
ほとんどの場合は電子顕微鏡=デジタル顕微鏡ということに変換されるかもしれないですね。

【電子顕微鏡で見えるもの】

電子顕微鏡で見えるものの代表として、
ウィルスがあります。

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ウィルスの大きさで30~100nmくらいなので、
電子顕微鏡でかなり小さいものが見えることがわかりますよね。

実際にはさらに小さいものが見えます。
僕が研究室生活していたとき(2000年頃)には
電子顕微鏡で10nmくらいの大きさまで見ることもありました。

最近では1nmよりも小さい領域も見ることができるTEMもあるみたいです。

時代の流れを感じますね。

【電子顕微鏡の種類】

電子顕微鏡として、次のようなものがあります。

● 透過電子顕微鏡(TEM)
 (とうかでんし)
● 走査電子顕微鏡(SEM)
 (そうさでんし)
● 走査透過電子顕微鏡(STEM)
 (そうさとうかでんし)

これらの顕微鏡では真空の状態(空気が存在しない状態)にしないと測定できないデメリットがあります。

最近では低真空でも測定できるような電子顕微鏡も開発されています。
ガスを導入した顕微鏡観察などもあり、大きな変化につながりました。

【小さいものを見る電子顕微鏡の大きさとは?】

ここで、
小さいものを見る電子顕微鏡の大きさを紹介しますね。

顕微鏡と言えばそれほど大きくないイメージかもしれないですね。

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実は、
電子顕微鏡はスーパーコンピューターのように大きいです。
9畳くらいの部屋ならすぐに埋まってしまう大きさです笑

ここで、TEMにあたってはとんでもない高さになります。
どのくらいの高さだと思いますか?

この高さよりも遥か高いです。
上の写真の顕微鏡なら、おそらく高さ1mもなさそうですよね。

では、どれくらいの高さか?
塩粒よりもさらに小さいものを見ようとしているんですよ。

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くどいですが、塩粒はこの大きさです。
この大きさよりもはるかに小さいものを見ようとしています。

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では、発表しますね。
なんと、TEMだと大きいもので8mの高さがあります。

塩粒よりも遥かに小さいナノスケールの大きさを見ようとするのに、
高さ8mあると思うと想像つかないですよね。

ここで、TEM(電子顕微鏡)は下のようなイメージです。
パソコンの画面で見たい対象物を見ています。
この写真を見るだけでも大きさの違いがわかりますよね。

TEMのイメージ
(引用元:Pixabay)

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SEMのイメージは下のような写真です。
サムネイル画像の方が近いかもしれません。

SEMのイメージ
(引用元:Pixabay)

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繰り返しになりますが、
塩粒をサラッと見るだけなら、
下の写真のような顕微鏡(光学顕微鏡)で十分です。

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見るものが違うだけで
ここまで顕微鏡のサイズが変わって面白いですね。

さらに新しい顕微鏡が作られることに

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電子顕微鏡では水平方向では細かく見ることができたものの、
垂直方向に対してはそれほど見れない問題点がありました。

そのようなことを改良するための顕微鏡として、
走査型プローブ顕微鏡(SPM)が開発されるました。

SPMでは光源とレンズを使うことなく、鋭利な探針(たんしん)で試料表面をなぞり、探針と試料の相互作用を利用した表面観察がされることに。

さらにSPMから発展して次のような顕微鏡が作られました。

● 磁器力顕微鏡(MFM)
  (じきりょくけんびきょう)
● 走査型近接光学顕微鏡(SNOM)
  (そうさがたきんせつこうがくけんびきょう)

最後に

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いろいろな小さなものを見れる顕微鏡。

最近では、安い顕微鏡なら5000円くらいで買えます。
安くてもコンパクトで、性能も下手な中古品よりいいものがたくさんあります。

顕微鏡ではそれほど大きくないものから
ウィルスよりも小さいものまで見ることができるので、
幅広い使い方ができることが知ることがわかって面白いですね。

正直、僕自身も知らない顕微鏡ばかりです。

このような顕微鏡の発展があったからこそ、小さいものの動きを捉えることになり、今のスマホの技術などにつながっています。

そのくらいナノスケールでモノを見ることが大切なのです。

これからも小さなものを通じて世界の技術が発展する流れを楽しみながら過ごしたいところです。

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<きむっちの自己紹介の記事はこちら>




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