結婚について本気出して考えてみた〜結婚したい欲求の正体〜

私はごく普通のアラサーOL。恋人はいるがプロポーズはまだされていない。

振り返ってみれば、結婚願望の希薄な20代だった。かといって将来への不安がなかったわけではないので、本気で老後安心して孤独死が出来るようにと老人ホームへの入居資金を貯めたり、資料を取り寄せたり、した。
子供を産むなんて恐ろしいことは私にはできないと決めつけていたし、いつか誰かと結婚するのかもしれないけれど、相手はいま隣で寝ている男ではないんだろうなとぼんやり思ったり思わなかったりした。結婚は、むしろしたくないものだった。傷つくのも失敗するのも、向き合うことも怖かった。

苦しみながら、20代はそれなりに楽しく過ごした。

結婚に対する考えが変わったのは、お医者様に私が悩んでいた苦しみから逃れるには、子宮を取るしかないと言われたから。ーーあるいは、パートナーがいるなら相談して早めに子供を考えたらどうですか。妊娠すれば症状が改善する人も多いですから。

自分の病気を治すために子供が欲しいとは思わなかった。ただ、子宮を取ってしまう、子供という選択肢を手放すことを突きつけられた時、あ、私産んでみたいんだ、と思った。産むことは恐ろしくて、恐怖であることに変わりはないけれど、言語化できないほどの、母になりたいという欲求、自らの腹の中で育てた子供を抱きたいという欲求が静かに、けれど絶えずあふれてくるのがわかった。

それと同時に、人生を共に歩んで行けるパートナーに出会いたいと強く願った。
自分の人生設計をもう一度考え直した。
結婚ってなんだろう、と少しずつ考え始めた。

あれから数年経った。わたしには、生涯を共にしたいと思える年上の恋人がいる。高齢出産のリミットも迫ってくる。

今年の誕生日、少しは期待していたプロポーズがなかったことに、随分がっかりした。
男の人は私のことを自分勝手と思うかもしれないけれど(既婚の女友達にはだいぶ共感してもらったけれど)、少し恋人に対する気持ちがわからなくなった。

そんな私に、恋人との共通の友人(男性)が「お前は結婚したすぎるんだ」と言った。

私は彼の真意を掴みかねた。

私はただ結婚がしたいんじゃなくて、
今の彼だから
このタイミングだから
これから家族としてずっと生きていく、まずはそのスタートラインに立ちたくて
結婚という選択肢がいいと思っただけなのに。

でも、恋人にプレッシャーをかけるのは本意ではない。私にもあるように、彼にも彼の考えやタイミングがあるはずだ。
待とう。彼の気が向くまで。
そう思えたのは、たくさん考えたから、そして支えてくれる友人がいたから。

将来的に私のしたいことは、年上の彼の身体が思うように動かなくなった時、おしめを替えて顔や体を拭いてあげること。シワシワの彼の手を握って散歩に出かけ、出会った頃と変わらない紅葉や桜に感動すること。手を引いてあげているのか手を引かれているのか、わからなくなりながら。そこに私と彼の子供がいてくれれば最高だが、いなくてもいい。
だったら、そこがブレなければ、結婚という形に無理にこだわらなくてもいい。

少し負け惜しみも入っているけれど、今はそう思う。

でも、たぶん、私は彼と結婚がしたい。

今すぐ、ではなくて。結婚に向けて進んで行きたい。刹那的な恋心から一緒にいたいという気持ちとは違う。こんな気持ちになれるのは、彼しかいないと思う。

結婚は生活だから、価値観をすり合わせる毎日だろう。彼のことを嫌いになる日が来るかもしれない。

それでも。彼と共に生活をして行きたいと思う。それは、すごく怖いことだけれど、きっと楽しいはず。

私が結婚したい動機は身勝手で未熟で不純なのかもしれない。
だから、とことん考えてみようと思う。

結婚ってなんだろう。他人と生きていくこと?私の人生と彼の人生がニアイコールだと錯覚すること?ままごと?繁殖する本能?なんで私は結婚がしたいんだろう?

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