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九州からONTAKE100

2024 OSJ ONTAKE100

おんたけ100km走ってきました。
オンタケです。ONTAKEです。
ひとによって表記が違いますね。なんとしてでもあなたの検索に引っかかりたい。

いろいろな思いがあって参加した100kmレースだったので徒然と書き残します。読みたいとこだけ読んでもらえたらいいなと思います。OSJ ONTAKE100が九州にもひろく認知される記事になり、走ってみたいなと思ってもらえたらなお最高です。

準備とかぎっくり腰とか

5月2週目に走った阿蘇ボルケーノトレイルからおんたけまで中8週間。リカバリーというかガス抜きというか移行期を経て4週間のボリューム期に即突入した。

ボリューム期は閾値を狙って走る坂ジョグと、20~30kmの峠走を組み合わせて週90km走る予定を立てた。これを4週間継続して2週間でテーパリングするスケジュール。地元長崎の稲佐山や、福岡の米の山・高良山など持ち前の飽きっぽさを活かしていろんなところで峠走に取り組んだ。

コーラ練の後に楽しみにしてた水浴びは寒くて不発...

が、3週間目でぎっくり腰。3日寝込んで1週間まるまる走れずボリューム期を終了する羽目に。林道でのランも24時スタートの練習もできなかった。

阿蘇ボルケーノを走る前からずっと腰の調子が悪かった。ケアしてたつもりだったけど、背中よりハムストリングスが悪さしてたらしい、これに気づけないのがわたしらしい。

久留米の有名な整体の先生に全身調整してもらい、立ち方座り方歩き方からリセットしたのがおんたけ2週間前。痛みは去ったがジョグすらぎくしゃくするようになった。これで100kmもいける?無理無理むりむりかたつむり!!!

目標タイムなどと欲をかかずにしっかり完走する目標に切り替えることに。目標とは?

目標とか信越とかITRAとか

阿蘇のリザルトが反映されたITRA PIが428。実は今年の信越のボラに当選しちゃったので2025年は信越を走れる見込みが立った。信越ではどうせなら110キロより100マイルを走りたい。だけど信越の100マイルを完走するなら来春までにPI480には達していないと完走は厳しいというのが自分の見立て。

それならこれからのレースでPI480オーバーを目指そうという動機。上昇志向しかない。PI480だったらおんたけ100kmの予想タイムは16時間14分ということらしい(ちなみに自スコア428だと18時間13分とでる)。

ので、今回の目標は『18時間は当然、あわよくば16時間』というところにセット。タイムテーブルに展開すると、16時間も17時間も微々たる差しかない。その微々たる差の積み重ねがゴールタイム2時間の差になりパフォーマンスインデックス50ptの差になるということ。

エイドストップの設定が雑も雑!

エントリの動機とか移動とか

ONTAKE100の開催地は長野県木曽郡王滝村というところ。御嶽山の麓を走るのでおんたけ。長野県の南端にあって岐阜県に隣接してて大阪からも東京からもクルマでだいたい300km。絶妙というか抜群というかロケーションが良いので本州から満遍なくエントリしてきてる印象がある。これがSNSというかTwitter/Xにも色濃くにじみ出てるのかレース前の湧きあがり方がすごく良い。

御嶽海の出身地はおとなりの上松町

UTMFのメジャー感とも信越の華やかさとも違っておんたけは(OSJはとも言えるかも)独特の雰囲気を持つ。表示距離が合わなくて100KのKは「くらい」のKだからしゃーないとかエイドステーションの水が足りなくなってもOSJだししゃーないとか、クレーム要素を包み込んでネタにしていく大らかで寛容で逞しい風情が堪らない。23年、沸き立つタイムラインを指をくわえて見ていて『わたしもおんたけの一部になりたい……』ってエントリーを決めたんだった。

移動はというと金曜日に大阪まで飛んで(たまたま安く買えたのもエントリの動機だった!)一泊し、土曜朝にクルマで現地へ300km移動。道中でお蕎麦をいただいたんだけどお醤油のしょっぱさが気になって蕎麦の方にフォーカスが合わず残念......

受付の前後ではTwitterでつながった方がたにご挨拶したり、おやつをいただいたり会いたいと思ってたひとを見つけるなり中指立てたり。きゃっきゃとはしゃいで過ごしたがソーシャルバッテリーの枯渇は夜のレースに支障をきたすので足早に退散。宿に荷を下ろし、17時から21時まで休憩して(仮眠って言いたかったけど寝れなかった)レースを迎えた。

10倍ジンジャーは新大阪で入手した

先に話してしまうと日曜午後にゴールして同じ宿にもう一泊、月曜祝日に大阪まで戻って伊丹から長崎へってな感じ。壮絶。長崎からわたしに巻き込まれてエントリしたブライアンと、KAMI100・阿蘇に続いてご一緒の米子のけんちゃんと3人で今回の旅をともにした。けんちゃんが米子からクルマで来てくれたので楽させてもらった。ありがとうけんちゃんフォーエバーけんちゃんレース前の写真は2枚中2枚とも目をつぶってたけんちゃん!

レース走ってみて(前半)

聞いてきた通りまじで林道しかなかった。砂の林道、土の林道、石の林道、岩の林道、全部あったけどそんなことはいいか。ずいぶん上まで走って上がってきたのに普通にカーブミラー立ってるけどそんなこともいいか。シューズはナイキのペガサストレイルを選んで調子が良かった。セールで安く買えたやつ。

レースタイムの約半分は雨だったけどトラブルはお尻がちょっと擦れたくらい。これまでの経験で対処できるような出来事くらいしかなかったのでよかった。気候は終始暑くないといえるくらい。ちょっとした沢を横切るときは涼しいと感じるくらい。ノー水浴びノードボンだった。

スタート時にまあまあ前方からスタートしてしまったのもあり、25kmから変に苦しむことになった。ASからCP1までは10kmで500mのぼって15kmで700m下るみたいなダイナミックな区間。周りの選手もなんか活気がない~~とヨボヨボしていたところに『きちーっすね!』と声を掛けてくれる方があった。ちょうど標高1700mに差し掛かるあたりで手の届くところに湧水があり、顔を洗うとしゃきっとして良かった。

今回は結局、レース前にモンスターのピンクのやつを1本飲んだきりでカフェイン摂取無し。

これぜんぶ林道なんだぜ。な。ウソみたいだろ。

CP1に向かう長い長い下りではぼこぼこ抜かれることになった。ぎっくり腰の引き金をひいたハムが早速調子が悪くて、頑張ると股関節がよろしくない。登りを頑張って追い抜いた人たちが下りに入るや否や抜き返して前を走って行った。で、雨。げろー。

そういえば、女性ランナーがけっこう多いなってこの辺で思ってた。九州じゃこういう印象をいだくことはあんまりない。びしばし抜かれながらその感想はなんだ。そして女性のみなさん脚がきゅっとしててカッコ良い。あとから調べたら100kmは出走1240人、女性192人(15%)だった。自分の感覚と5%の差があったってことかー。

話をレースに戻します。
少し悩んだけど事前予報では気温が上がらないふうだったし脚の調子はこんなだし、ということでレインを羽織った。スタートゴール地点でありチェックポイントの松原スポーツセンターには7時間11分でイン。タイムテーブルではSUB16と17の間。ちょっとネガティブな印象だった。

デポジットを受け取って、ライト類と靴下とトップスを替えてお尻の擦れにフェミニーナ軟膏をヤーした。補給食を入れ替えるついでに勝負おやつ~のつもりが、スタート前に投入したANSWER600のおかげかあまり食べずに済んだ。味がまったく受けつけんやったけどw、24時スタートみたいな普段の生活とかけはなれたタイムスケジュールのレースには向いてたなあ。ありがとうシェルパありがとうじゅんさん。

まじで好きじゃない味だったのでココアを混ぜました

で、CP出たらエイドストップ35分掛かってて絶望。遠のくSUB16。さらに襲い来る便意。ゲート通過後にトイレに寄り、ザックを下ろそうとして水の補給を忘れたことに気づく。ちーん。トイレを済ませてCPに戻り、水の補給を受けて再スタート。SUB17すら怪しくなってしまった。

参加者だけが分かるあやしい軌跡...

前を追う走りがしたいんやろ(後半)

そうは言っても淡々と走るしかないので、心拍数だけ見ながら身体の真下に脚を落とし続ける。意外と脚は回る。後半も10km以上登りが続く。濡れないで走れるルートを選んでも道幅いっぱいの水たまりが何カ所もあるから足はほとんどいつも濡れてる。

事前に聞いていた通り、走れない傾斜はコース上にほとんどない。おりえさんのnote何度も読んでおいてよかった。登りでどれだけ走り続けられるか、下りはノーダメージでスムーズに、平たんなところでどれだけしっかりしたジョグができるか。これを繰り返す。繰り返せる。走る座禅か~なるほどな~。

55~60kmのラップが43分、60~65kmは47分、65~70kmは45分だった。後半なのにペースががたっと落ちる感じがしなかったのはわたしにしては珍しい。補給のおかげだったのかな。

今回の糖質補給はマルトデキストリンではなくパラチノースを選んだ。フラスクに溶かした時の濃度、というか浸透圧の違いが腸で吸収する水分の量に良い影響を与えてくれたらーと考えての変更なんやけど、中盤でこの走りが出来たのは補給ラインナップが当たったからかも。競技時間が短いぶん単純に良し悪しを判定できるわけじゃないけど、林道の脇でげえげえ吐いてるひとも居たので厳しくないことはないはず。

補給セット(一部)おいエナ初めて直飲みした

72km地点のWSを出た時の残り時間がSUB16まで5時間。残り30kmくらい。5km50分を6回繰り返せばSUB16いける計算……いけないことなくない?(ONTAKE100KのKは「くらい」のKだそうです念のため)

それまでふわふわと走っていたのが後半戦でようやくスイッチが入った。それまで24、29、18と長かった区間長が10km、7kmと短くなったのが良い方向に働いたのかもしれん。逆に、100km規模のレースで30kmの距離を一括りに考えられた経験はあんまりなくてちょっと逞しくなったのかなって思ったりもした。

走りに没頭していて忘れていたパフォーマンスインデックスへの欲求とか信越のこととか、おんたけ練で一緒に走ってくれたひとに目標タイムで完走できたとお礼を言うイメージとか、脳をポジティブなもので満たして頑張った。どのレースでも経験あるけど、この瞬間は毎回ちょっと泣いてしまう。レース後にCOROSアプリで見てみると15~25kmと85~95km区間の平均パワーが同じ数値だった。

で、16時間と20秒ちょいでゴールした。
最後は詰めの甘さが出たというか歩いてしまった。今となっては終盤に補給を疎かにしたのがよくなかったかなあと反省してる。おなじく終盤は100マイルの選手数名に追い抜かれることがあった。脚が痛い下りはさておいて登りでは1歩ずつの推進力がまるで違う。あれを自分のものにするためにはペタペタと峠走してるだけじゃダメだなと感じた。たとえばストライドを意識した坂ダッシュとかかな。

タイムテーブルとリザルト(赤字)の推移。
盛り返したとかテーブルの精度の低さか...

ざっと振り返り

記念受験みたいな気分でエントリを決めたくせにそれじゃ気がすまなくなって、あげくぎっくり腰をやったこと。普段の積み上げが無いところにボリューム期を重ねても良いことは無いということ。
今後ますますレース計画はきちんと考えたいです。

阿蘇では390人完走中259位、おんたけでは443位/915人。ただ「完走できてよかった」から「前を追ってベストを尽くしてゴールする」がまた少しできました。ただしエイドストップのぐだぐだは万死に値する。

14時間カットで上位30%カッコつけられるのはこの辺
よくできてる

さて、おんたけとは何だったか。林道しかないから走力の再現性が高い。参加選手が多いから相対的な走力の評価がし易い。7月に高地で林道だけっていう特異性も人気の要因なのか、ロードメインに見える方も少なくなかったです。

九州からの参加者は両手で足りるくらいで、交通費とか所要日数とか考えたら、正直なところまた来年もとは言い難いです。けど、いまより走力が上がったときにもう一回受けたい実力テストって感じ。来年また「おんたけ」の文字がタイムラインに現れ始めたらきっと動悸がすると思う。

ネタっぽいだけじゃなくて、おんたけに向けて研いで研いでとぎまくった走力をぶつけにくる人がいること。おんたけを毎年楽しみに(たぶん)しているひとがいること。その皆が発する熱。その熱を共有できて、自分は自分で悪くない走りができた。総じて、おんたけに参加して良かったです。ありがとうざいました。

大会概要

大会名 OSJ ONTAKE100(HP
開催場所 長野県木曽郡王滝村(map
開催日 7月13日〜14日
距離 100マイル/100kmの2部門
制限時間 24時間/20時間
参加費 19000円/17000円

以下100km部門
記録 107.3km 3165m+
エイド 5箇所 うち1箇所デポ可

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