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梅しごとから知る経済学

梅干しや梅酒を作るときに、「コスト」のことを考えます。自分で作るよりも、お店で既製品を買ったほうが安いし美味しいんじゃないか?って。
お店でも売ってるけれど手作りできるものを作るときに、いい結果と悪い結果、どちらの可能性も含んでいます。個人的には、材料を買う→作る→出来上がり、その時々でかかるコスト(費用や時間、手間)をトータルしたときに「自分で作ってよかった」と思う結果を目指しています。この考察では「金額的なお得感」よりも「充実感」を重視しており、結果的にやってよかったと思えることが「黒字」としています。
ご興味がちょっとでも湧いてきたあなた、ぜひお付き合いください。

【梅酒作りを黒字にするには】
チョーヤ梅酒さんの商品をモデルにして考えてみましょう。
チョーヤさんでは「手作り梅しごとキット」を販売しています。上質な梅1kg、氷砂糖1kg、4リットル保存瓶、チョーヤブランデー1800mlとレシピのセットで7800円(送料無料)です。チョーヤさんの梅酒ラインアップはふつうの価格帯だと1200円程度〜3000円程度、製法や熟成期間によっては37000円ほどのものもあります。どれもだいたい720mlボトルです。高価な梅酒以外で見ると、手作りセットの方が出来上がりの梅酒量にしてみると割高です。ですが、グレードの高いお酒を使っていること、自分で作る楽しさ、出来上がりを楽しみに待つ時間、出来上がりを飲んだり梅酒の梅を食べる達成感など、さまざまないいことがあるでしょう。手作りに依る「いいこと」はプライスレスな付加価値であり、既製品を買うことでは得られません。デメリットとしては、作業がめんどうくさい、すぐに飲めない、失敗したら嫌だなぁと思うこと、といったところでしょうか。個人的にはこれらをデメリットとは思わないので、いいことづくめいいこと尽くめの梅酒作りです。

一方、筆者が梅酒を作るときにそろえる材料についてです。近所の業務スーパーでそろえるとします。青梅1kg・ 約1000円、氷砂糖500g入り袋・約350円、ホワイトリカー1800ml・約1800円、保存瓶はすでに持っているのでお金はかからないものとして、約3150円で2Lくらいの梅付きの梅酒が出来上がります。やや割安といったところでしょうか。我が家の梅酒は現在4年目の熟成期間に入っていますので、既製品とすればちょっといい梅酒の部類に入っているはず、ということで黒字の梅酒といえるでしょう。

【黒字の梅干し作りについて】
梅干しについても梅酒と同じような考えですので、違いがあるところだけを記してみましょう。
既製品の梅干しはピンキリで、筆者が知る限りでは一概に相場がいくらとは言い難く、材料費のみを示すことにします。青梅2kg1800円、塩と保存容器は自宅にあるものを使います。よって、1800円で2kgの梅干しができることになります。ここで重要なのが「梅干しは黄色く熟したものを使う」ということ。買った青梅を追熟しなくてはなりません。熟した梅は近所のサミットで5kg5000円程度で売っていて、金額的には同等ですが、5kgは多いなぁということで、青梅の追熟コストを被ることにしました。青梅を段ボールで4日ほど保管してから、洗ってヘタをとって水分を拭いてから保存瓶に塩と入れて梅酢が上がるまで保管、土用干しをしたら食べれます。保存期間が長くなるごとに塩味が梅になじみます。これはもう、筆者にとっては黒字です。

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作る手間はコストではありますが、梅を愛で、香る楽しみ、一つ一つの梅をきれいにしながらで想う味わいの未来を描く時間を得ることができます。時間をかけるコストは、自分が動くだけで金額としてはタダですので、個人的にはあまり否定的には思っていないのです。ケチですかね〜、倹約のほうと思っています。

お金で解決できることならいくらでも支払うよ、という方もいることでしょう。いずれにしても、自らの価値観でプラスになることは何か?を思うことは、経済学の観点でなくても、幸せのベクトルを追い求めることと、筆者は言いたいなぁと思います。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。少々長めの記事でしたが、退屈しませんでしたか?ご感想やご意見も、ご遠慮なくお寄せください。あなたのご意見を元に、通りすがりの記事にならないように、精進いたします。




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