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映画#29『ヴェノム』
『ヴェノム』(”Venom")
監督:ルーベン・フライシャー
出演:トム・ハーディ、ミシェル・ウィリアムズ、リズ・アーメッド、スコット・ヘイズ、リード・スコット、他
製作会社:コロンビア・ピクチャーズ、マーベル・エンターテインメント、テンセント・ピクチャーズ、アラッド・プロダクションズ、パスカル・ピクチャーズ
配給:ソニー・ピクチャーズ(米国、日本)
公開:2018年10月5日(米国)11月2日(日本)
上映時間:112分
最も残虐なダークヒーロー、降臨。
マーベルを代表するスーパーヒーローの一人、スパイダーマン。
そんな彼のライバルにして宿敵、それが「ヴェノム」と言うキャラクターだ。
筋肉質な巨躯に吊り上がった白い眼、そして凶悪な大きな口。どこからどう見てもその姿は「悪役」そのものであるが、厳密には彼は悪役ではなく「ダークヒーロー」である。
普通のヒーローとは何が違うのか。それは相手に対する慈悲というものが無いこと。助けるべきものは助け、そうでないものは容赦なく捻り潰す。彼らは誰よりも忠実に、己の正義に従っているのだ。
そしてこのヴェノムというキャラクターも、その例外ではない。最初はヴィランとしてスパイダーマンと戦ったものの、共闘などを経てダークヒーローとなり、街で人助けを行うようになった。その一方で、悪人に対する容赦は一切せず、その巨大な口で頭を丸齧りにしてしまう。
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過去にはサム・ライミ監督の『スパイダーマン3』にて既に登場しているものの、原作とはかなり異なる見た目な上に完全にヴィランという扱いだった。その為、今作がダークヒーローとしてのヴェノムが初登場する作品となる。
とは言っても、予告編の時点では完全にダークヒーローというよりも悪役が主役の映画のそれだった。謎の地球外生命体・シンビオートに寄生された主人公エディ・ブロックが、自らの意志に反して人を傷つけるようになり、最初は抗っていたものの徐々にその力に病みつきになっていく…。
一体どんなバイオレンスな物語が待っているのか…いざ劇場に赴き鑑賞してみた方々なら分かるかもしれないが、その内容は予告編と結構違ったものになっていた。
序盤〜中盤、つまりエディがシンビオート(ヴェノム)に寄生される場面まではかなり不気味な展開が続いていた。エディの内側からは見知らぬ声が鳴り響き、絶え間なく強い食欲に駆られる。もしこのような展開が続いていたら、この映画は全く違ったものになっていただろう。
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しかしいざアクションシーンとなれば、その迫力は言わずもがな。エディからシンビオートのネバネバ(?)が飛び出し、敵を薙ぎ倒し、物をぶん投げ、バイクのチェイスシーンでは電柱に絡みつくことで凄まじいドリフトを可能としていた。
そしてエディがヴェノムに完全に変身するシーンは圧巻の一言に尽きる。「凶悪」という概念をそのまま形にしたかのようなフォルムは目を奪われる。
(↑個人的に一番好きと言っても過言じゃないシーン。「マスク!」「了解!」で変身するのカッコ良すぎる。)
またエディとヴェノムが似た物同士なのもポイント。
エディはライフ財団を告発しようと試みるも失敗し、会社をクビに。そしてそのまま婚約者だったアンからも別れを告げられてしまう。
同じくヴェノムも、ライオットら同族のシンビオート達の中では最も力が弱く、負け犬呼ばわりされていた。
「エディ」や「ヴェノム」だけではできないことも、「俺たち」ならやり遂げられる。だからこそ、人体に適応することは非常に珍しいシンビオートがエディに適応することもできたのだろう。
一見反発しているように見えて固く結ばれている絆も、全ては必然だったのかもしれない。
まとめ
今作の感想のまとめに入らせて頂く前に、少々私にまつわる昔話を語らせて欲しい。
単刀直入に言えば、この『ヴェノム』こそが私の映画好きの原点となる作品である。
両親が元々映画好きであったが為に、私は幼少期からよく映画館に連れられてきた。時は2018年の夏、母親と『ジュラシック・ワールド/炎の王国』を観に行った時のことだった。
本編が始まる前に今作の予告編が流れ(本記事の冒頭に貼った予告)、そのダークで最高にクールな姿に完全に目を奪われてしまった私は、帰宅後すぐに彼がスパイダーマンのライバル的存在・ヴェノムであることを知った。
そこからはズブズブとアメコミ、そして映画の世界に引き込まれていった。あんなに観るのが楽しみだと思えた映画は、当時の私にとっては初めてだった。
よって、この『ヴェノム』こそが今の私を形作ったものだと言える。あの時映画館で本作の予告を観なかったら、私の未来も全く違うものになっていたに違いない。
…さて、一通り昔話を話し終えた所で本作の感想に入らせて頂こう。(めちゃめちゃ私事でした、申し訳ないです)
先程述べた通り、「マスク!」のシーンを始めやはりアクションシーンの迫力が凄まじいと感じた。ラストバトルのヴェノムVSライオットに関しては、シンビオート特有のドロドロ感を最大限に活かしている点が非常に良かった。
「善人は絶対に食べるな、食べていいのは悪人だけだ」「それまではチョコレートとポテトで我慢しろ」という制約のもと、エディと共生することになったヴェノム。二人の活躍は、また次回作にて…。
それではまた、次の映画で。
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